「ニッポンの芸能人」シリーズ14


半世紀・50年という歳月
 本年2005年、「デュークエイセス結成50周年」だそうだ。
 そのはなしを聞いて、当方からコンタクトをとり、リーダーの谷道夫さんと久しぶりにお会いした。
 デュークエイセスという男性4人のヴォーカルが好きで、コピーライター時代、ずいぶん沢山のCMソングを作詞し、彼らに歌ってもらった。
 シャープなジャズピアニストであり、また作曲家としても魅力的なクリエィティブを展開した故八木正生さんがデュークが大好きだった。ぼくはその八木正生さんとのコンビが多かった。
 したがって、ぼくの作詞、八木さんの作曲、そしてデュークのヴォーカルという作品は、高倉健さんが出演した「アサヒビール」をはじめ、ざっと10曲ほどあったはずだ。
 それにしても結成50周年――エライなあ。ということは、ぼくも50年間、ディークのハーモニィを楽しんできたことになるのでアル。

劇団テアトルエコーの熊倉一雄さんも……。
 熊倉一雄さんとのおつきあいもふるい。
「芝居のホンを書かない?」と声をかけられていて、時代小説を書く合い間に舞台脚本をなんとか1本まとめ、熊倉さんにお渡しした。どういう展開になるかいまのところ不明だが、お会いした時に質問した。
「たしか、テアトルエコーの初期、牟田悌三さんや矢島正明さんも一緒の舞台を観たけれど、エコーは創立何年になります?」
 熊倉さん「ウーン」といって指折りかぞえて「あれ…49年…もう50年になるのかな」と呟いた。
 50年というのは、人生の大半である。20歳でなんとか独立独歩、これといった仕事に取組んでも70歳なのだ。
 何があってもおかしくない、といわれる昨今。いつもにこやかに健康で、おのれが思う道を50年歩みつづけるということは、決してたやすいことでない。
 自己PRになるが、かく申す本庄慧一郎も叔父の小沢不二夫の演劇塾や劇作家三好十郎氏の劇団戯曲座。そして民放のラジオ・さらにテレビ。その後のCM・広告業界。またさらに転じて時代小説への転進。もうひとつ欲張っていまは(CMではない)歌の詞への展開。(デュークさんにぜひ歌ってもらいたいモノを目下プレゼン中!)
 表現のフィックス形式は変わっても「日本語」で生業(なりわい)をたててきて50周年である。
 前回も書いたが、先輩の小沢昭一さん、そして熊倉一雄さん。そして谷さんたちデュークの皆さん……またここからもご一緒に仕事できると思うと年甲斐もなくワクワクする。

それにしてもいまの20歳は……。
 今年の「成人式の荒れ模様」というのをニュ−ス番組で見た。例によって「アレは
ごく一部の者のやっていることで――」というコメントがついていたが、それにしても情けない。
 「成人」という自己主張は、あんなことでしか出来ないとはほんとに哀れだなあ。
 たとえば、これから50年後、あの愚行を得意がった連中はどうなっているのか?
 いや、やっとスタートしたばかりの人生、まともにやっていけるのかどうか。
 群れをなした時に狂暴化するというのは、野生のサルと同様だが、人間として生まれて社会に関わって生きていくには、サル同様の頭脳や行動ではとうてい50年はやってはいけない。
 近頃、NHKをふくめてのテレビ業界の劣悪さは目に余るが、そこに寄生する若いタレントの悪ハシャギぶりには、あの成人式におけるサルの群れに共通する思い上がりがある。
 それでなくても、いいトシをした大人たち(政治家・企業トップたち)の金まみれ、もう一つ権力呆けで失墜してゆく、なんともコッケイで哀れな人生三文ドラマをいくつも見せられているけれど、あの成人式のサルのような若者たちの先行きなんて、たぶんもっとヒドイだろうね。
 そういえば、あの評論家の樋口恵子さんと出会ったのも「1953年1月15日の成人の日」がきっかけだったなあ。
 歳月の流れは早いですねぇ、樋口さん。

元コピーライターとしての新造語
 「成人式」を「成塵死期――せいじんしき」なんていかが? つまり、「自分の人間性をチリ・アクタにして、みずから殺してしまう」というイミですけどね。
 ずっと以前、作家の山口瞳さんのサントリーウィスキーのCMコピーを思い出した。
 それは「人間って、哀れだなあ! 人間って、ふしぎだなあ!」
 わざわざ戦争して殺し合わなくても、人間が狂わせた地球がいま、怒りをあらわにしはじめている。そんなこと言いたくないが、あの成人式のサルたちはこれから50年地球人として生きることができないのかも……。

— posted by 本庄慧一郎 at 10:33 am  

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