「社会&芸能・つれづれ愚差」第1回(通算111回)

植木等・いかりや長介・渥美清さん……
 「無責任」をモチーフに大いにアピールした植木等が逝った。
 そのお人柄と気質については、テレビや新聞などでくり返し伝えられた。
 彼がまじめで律儀だったことが異口同音に語られていた。
 そういえば、同じフィールドで負けじ劣らじの足跡を遺したいかりや長介もまた、その実像はひたすらまじめで律儀だったと伝えられた。
 もう一人渥美清を思い出す。
 映画の人気シリーズ「寅さん」のフーテンぶりとはうらはらにその実生活はひたすら地味でまじめだった。
 いや、コメディとかアチャラカとかお笑いといった芸で売った人の中には、その表向きのカオとまるで真反対の〔実像〕を貫き通した人が多いようだ。
 ぼくは芸能界や放送界、そして広告界などにかかわって仕事をしてきてざっと50年になるが、確かに〔虚〕をまとった人間もワンサといた。
 けれど、みずからが企画し、具体化する仕事では不快な虚飾・虚勢人種を起用するわけがないから、どうにもこうにも「いやだなあ」という体験は意外と少ない。
 ましてや、ゴルフとかマージャンとか酒などのプライベートのつき合いは一切しないので、〔バケの皮がはがれての実体〕に遭遇した経験もあまりない。
 とはいえ、軽石のようなカスカス頭の人間、どん亀のような穴ぼこ人間とかかわったことは皆無というわけではない。
 そんな時は、ひたすら逃げをうつばかりだ。
 そうですねぇ。故人では東八郎、由利徹なんて人たちのお人柄は満点でした。
 そしてちょっと趣きの異なる方々となれば、先代の松本幸四郎丈。そしてナレーターの城達也……文句なしのお人柄だった。

現役の方々では――
 このHPでもたびたび書かして頂いている芸能界三人の諸先輩、桂小金治・熊倉一雄・小沢昭一(順不同)の皆さんの、そうです、不変のクオリティはいぶし銀の奥床しい輝きを放っています。
 そのお人柄の芯にあるものはまぎれもない「まじめと律儀」です。

それにつけても――
 現在の政治・社会の……と書いて来て、どっちを向いても「まじめで律儀」なんて人間とは真反対の権力亡者・嘘つき妄徒・詭弁野郎・偽証の輩、ハレンチ人種・欲かきおバケ・殺人暴徒……などなどの跳りょうにいまさらのように呆然・唖然とするばかり。
 この稀有な狂的なクライシスを引き起こした責任のすべては、やはり、長期に居座ってきた自民党政権にあると断言してはばからない!
 植木等の「ハイ!それまでよ〜」の歌声が(哀しく)耳によみがえるなあ。

P・S
 もう一人、「まじめと律儀」といえば、やっぱり(じかにお目にかかった人でいえば)高倉健ですねぇ。つまり、男の魅力って、トシなんて関係ないのデス。

— posted by 本庄慧一郎 at 05:12 pm  

この記事に対するコメントは締め切られています


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
<< 2007.3 >>
SMTWTFS
    12 3
456789 10
111213141516 17
181920212223 24
252627282930 31
 
※ ご注意 ※このウェブサイトに掲載されている、すべてのコンテンツの著作権は(有)望田企画室ににあります。
著作権者の許可無く、本サイト内の全てのコンテンツ・著作物について、無断での使用・転載・加工は一切お断りしております。