「社会&芸能・つれづれ愚差」第2回(通算112回)

失言・暴言・妄言……
 テレビの愚にもつかないおしゃべり――使い捨てことばがコンクされたような番組と、無神経に挿入されるCMの、これまた騒々しいことといったらない。
 なにしろ、押しつけがましく悪趣味な各社・各メーカーのCMが視聴者の〔共感〕などおいてけぼりにして暴走する。そして、番組のシークエンス〔流れ〕をひたすら強引に寸断する。
 テレビの番組(民放)のほとんどは、品性とか品位を喪失した。いや、かなぐり捨てた。
 もうひとつ、番組のタイム(放送時間枠)に対するCMタイムにも規定があったはずだが、現行はそれも無視されているようだ。
 個々の番組内容のねつ造問題もうんざりだが、民間放送としての番組全体の〔品質管理〕のタガが完全にはずれている。
 関西テレビ、フジテレビの問題だけではない。
 すでに「放送法の改正」という重大な問題が発生している。
 かつて「放送番組のスタンダード」と目されていたNHKの動きもアタマから信用できない。
 あいかわらず現在もNHK関係者によるいくつものスキャンダルも続発している。根腐れを起こしている樹は、いずれにしても枯渇する。
 その点では、強引といわれる菅総務相の「自浄能力がない」という意見は当たっているが――。
 自浄能力の欠落しているのは、テレビというメディアだけではない。菅総務相も属する政治の中枢にある者たち、あるいは地方行政府の責任者たちの失言・暴言・虚言・妄言……などなど、とてもまともな者の言葉とは思えない文言が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している。
 こういう現象を「世も末だ」という。噫々!

作家城山三郎氏の言葉
 この春、いくつかの訃報に接した。
 作家城山三郎氏は、後追いの物書きとして畏敬する方であった。
 政治小説・経済小説、あるいは企業小説といった分野で意欲作・話題作を発表した先達である。
 その城山氏は、ご自身の戦争体験から得た哲学をひとすじに貫き通した方であった。
 現在の失言・暴言・虚言・妄言のハンランする社会に、あらためて城山三郎氏の言葉をここに記したい。



「旗」  城山三郎

 旗振るな
 旗振らすな
 旗伏せよ
 旗たため

 社旗も 校旗も
 国旗なる旗も
 運動という名の旗も

 ひとみなひとり
 ひとりはひとつの命
 (中略)
 生きるには
 旗要らず
 旗振るな
 旗振らすな
 旗伏せよ
 旗たため
 限り命のために



P.S
 新都立養護学校の普通教室の正面に、常時、国旗のプレートを掲示することになったという。(07年4月5日東京新聞)
 時代錯誤、時代逆行の危険潮流が堂々と罷り通る。
 国旗掲揚、国家斉唱を強要する亡霊たちの妄言を断固として打ち消せ。

— posted by 本庄慧一郎 at 05:28 pm  

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