「社会&芸能・つれづれ愚差」第10回(通算120回)

民間テレビ局を閉鎖する権力
 カリブ海に面するベネズエラで、一貫して政府批判の論調を展開してきた民間テレビ放送局が、チャベス大統領から閉鎖を命じられた。
 首都カラカスで視聴できる主要局は、国営2、民放4だとか。
 民放のRCTVが展開する政府・チャベス大統領批判を封じるため、免許更新を認めないということだ。
 この〔言論封殺〕という暴挙に関する世論は、「国民の70パーセントが反対している」とある。
 さて、日本のテレビ界はどうか?
 いわゆる「あるあるデータねつ造事件」に端を発して、テレビメディアの実態と質があらためて晒け出されているが、表面化した問題以外にも腐蝕部分はワンサとありそうだ。
 聴視料負担(!)を義務化しようと画策するNHKに対しては言いたいことは山ほどあるが、「タダのテレビ」の民放の低劣さにもうんざりする。
 いや、それでも一部報道番組の政治批判の姿勢には共感もし、拍手もおくることもあるが同じ局の他の番組(エンターテインメント番組など)のあまりの愚かしさを見せつけられる時、結局はソッポを向くことになる。
 日本の政府及びその主体たる党は、しきりにテレビにおける批判を嫌っている。
 昨今の「あるある事件」は、彼らに「愚劣なテレビ番組及び局は不要だ」と言わせる文句なしの口実になる。
 放送法改正に端を発する権力者たちの〔もうひとつの目的〕は言わずもがなだろう。

視聴率最優先主義という自家中毒&自縄自縛
 残念ながら――と言わざるを得ない。
 つまり、本庄慧一郎なる物書きは、当初、演劇(劇作)をめざしながら、生活のために民放のラジオ・テレビを仕事の場としていた。
 テレビ局の本放送前の試験電波用の台本も書いていた。
 その前は、先行した民放ラジオ局でホンを書いている。
 しかし、昭和40(1965)年頃から、テレビコマーシャル及び広告産業が抬頭する。
 いかなる業種業界も、初期はすべからく真摯でまじめだ。
 それから40年余――現在の電波メディアの、その番組とTVコマーシャル(ごく一部を除いて)のなんとも低劣なこと!
 視聴率最優先主義という悪醜(あくしゅう)と悪臭の穴ぼこでのカンカン踊りはただ哀しい。
 そういえば、室生犀星(さいせい)でしたっけ? あのことば。
 「ふるさとは遠きにありて思うもの。
 そして悲しくうた(ふ)もの」
 それにしても、〔自縄自縛〕のカンカン踊りという愚かしくひたすらコッケイな踊りに狂う人って多いですねぇ。そう、政治界を筆頭にさまざまなギョーカイにいるねぇ、いっぱい!



P・S
 当代・林家正蔵、さらに当代・中村勘三郎。
 お二人はいわゆる〔江戸芸〕の中核にいるお方たちだ。
 洒脱と、粋と、いなせの江戸気質である。
 そのお二人が国税局の査察を受けた。
 内容は脱税容疑である。

 ぼくは落語はもちろん、歌舞伎に親しんできた。
 しかし、〔仕事の故郷〕と思ってきたテレビやCMのギョーカイをいま嫌悪している。せめて、日本の伝統を引き継ぐ芸は毅然としていてほしいと思う。
 林家正蔵、中村勘三郎というお二人の弁明を聞いていると常識では考えられない「金銭感覚マヒ」を感じる。

 さまざまな金銭に関する疑惑を引きずったまま自殺した現職大臣もまた「金銭感覚マヒ」の自家中毒患者だった――。

「金はよい召使いだが、時に悪質な主人となる」イギリスの文学者・哲学者フランシス・ベーコン。

 あの現職大臣の末路をも思い出さざるを得ません。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:40 pm  

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