夜明けのひとり言
「こちとら、生まれも育ちもどうせロクなもんじゃねぇ。いくら周りがワサワサと騒がしかろうと、やたらデタラメやらかそうと、エラソーなことをのたまうガラじゃねぇ。でもよ、でもなあ、あまりにもインチキやうそつきばかりがのさばっていて、どうにも肚がおさまらねぇよ。政治屋・官僚……各省庁や自治体の役人たち。かと思えば一般企業の経営責任者たち。もうひとつ、かと思えば……なんて言っていたらキリがないねぇ。つまりは、この世の中、『やってはいけないことはやってはいけない』という幼稚園の子どもでも知っている原理原則を軽々しく侵犯して、ゴミの穴ぼこに転落する愚かしいヤカラがワンサといるってぇことだ。とにかく情けねぇなあ。お前さんの女房や子どもたちはどう思ってんのかねぇ。みんな哀れだなあ。恥ずかしいなあ」
朝は午前4時に新聞が投函される。
つい二週間ほど前までは、ネズミ(?)の額ほどの、雑草だらけの庭に、冴えざえと、耳の鼓膜が痛いほどに大きな声(?)で虫がさえずっていた。
でも今朝(10月26日)は、さすがチロチロと頼りなげ、淋しげだった。
このところ連日、カメダとやら一家のこと、若手力士の死亡事故のこと、そして元防衛省役人のナントカという男のスキャンダルなどなどで新聞記事が賑わっている。
テレビ屋も例によって悪ハシャギしている。
どいつもこいつも結局は「やってはいけないことをやっていた」ということだ。
「図にのる」「タカをくくる」「なめてかかる」「ハレンチをハレンチとは思わない」あげく「おのれを失う」。
赤白のシマシマが大好きというマンガ家とかもヘンだ。
ゴミおじさん、騒音おばさんなど、たしかに「暴走老人」というのが大勢いる。
情けないねぇ。哀れだねぇ。(とまた、したり顔でつぶやく)
マスコミ・ゲーノー界にン十年もかかわってきたが、おツキアイのためのゴルフ・マージャン・サケなど一切かかわらなかった。(が、おサケだけはごく一部の気の合う人とならつきあう)
仕事がひと区切りした時に、アテもなく野を歩く、町を歩く。行き当たりバッタリで本屋めぐりをする。安い本をせっせと買う。
ぜひ必要な資料と必要な本は、娘に頼んでインターネットで購入する。こちらの本の場合、ヨレヨレの(たとえば昭和初年代の「キネマ旬報」とか、敗戦直後の芸能資料としての本は数千円もしたりするのはザラだが)雑誌・書籍もウキウキとドキドキとして手に取る。その思いは格別である。
ゴルフの接待を受けて自分の人生を台なしにする野郎の気が知れねぇよ、まったく。(またエラソーにつぶやいた)
いま、「実録大都映画」の原稿を書いている。
「B級三流」と蔑まれながらも、おめず臆せず大衆娯楽映画を大量生産した猛者(もさ)男、河合徳三郎は、“もっこ担ぎ”から土木建築業で大成し、“右翼の巨頭”といわれ頭山満などと親しくして、そのスジの者をン十万人も従え、東京(府・市)会議員を8年も勤め、社会労働大学を創設したり、貧しい者たちのために慈善病院を作ったり、1日300人分の炊き出しをやったり……(いや、博徒同士の争いで切った張ったの現場で活躍(!)したりと)とにかくスゴイ人だった。
そのひとりの男の「光と影」のドラマチックな人生に興味はつきない。
それにしても近頃の人間のやることってチンケだねぇ。(と、またエラソーにつぶやく)
欺瞞・偽証・偽装・偽態……性根を腐らせた者たちの醜悪でコッケイなカンカン踊りよ。
詐欺・詐称・嵌める・謀る・化かす・たぶらかす……キリがない。
詐欺関係の本を集めている。詐欺師を主人公にしたコメディはいろいろあるが、ぜひ、本庄慧一郎版を書くつもりだ。
・「詐欺とペテンの大百科」(デンと重い世界の詐欺と詐欺師の大辞典)
・「これがパクリ屋だ」・「悪知恵マニュアル」・「人はなぜ簡単に騙されるのか」・「詐欺師入門」・「パクリと詐欺の全手口」・「騙す人・ダマされる人」・「人をその気にさせる話術」・「怪しいお仕事」・「詐欺の手口90」・「詐欺師のすべて」・「詐欺師の〈裏手口〉」・「私はこうしてだまされた」・「悪徳商法/あなたもすでに騙されている」・新聞の関係記事イロイロ。ああ!ヤレヤレ。
10月26日付の朝刊をひらく。
「久間元防衛相も接待うける」とか「財務省主計局職員集団強姦容疑」とか「林野庁“緑のオーナー”損失補填せず」とか「三位一体・35都道府県赤字」とか……。
いまの世の中、インチキをとったら何が残る?(またシラケつつつぶやいた)
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