職人気質(かたぎ)と成り上がり病患者
●それにしても――
テレビメディアを中核としたマスコミメディアのフィールドには、思いもかけぬ場所から「有毒ガス」が噴出している――と言ってきた。その「有毒ガス」は、やたら「成り上がり志望者」をめがけて噴射する。
●それにしても――
もともと、エンターテインメントを主体にしたこのゾーンのクオリティには、本物の「品性」とか「品位」のカケラも持ち合わせない「根っからの庶民」の集合体だから、時にはこの「庶民」がいきなり「下品」「下劣」の愚行に突進したからといって、さぼと驚くことはない。
●それにしても――
なにしろかく申すこちとらも「品位・品性」の最低ラインを下回ることのないように極力努力してきたヤカラだから、あの「乙武洋匡氏」とやらの記事にはビックリしたねぇ。大胆不敵というか鈍感というか無神経というか! それまでも国会議員の「不倫騒動」なんてケースは現在も続いている(自民党議員長崎幸太郎氏の「秘書との不倫」「ソープランド通い」などなどのスキャンダルが報じられている)。この種の下司ネタは尽きることはない。
●それにしても――
乙武氏の行状はただ口あんぐりだね。しかも、この件に関する彼の弁明はひたすらトンチンカンで「常識ある社会人」という基本さえ疑う。
●それにしても――
東京新聞の『週刊誌を読む』(月刊「創」編集長篠田博之)というコラムは毎回共感をもって読んでいるが、2016年3月27日付の回の「乙武不倫スキャンダル」の項で「脇が甘い」というフレーズを使っている。「脇が甘い」というのはもともと相撲用語だが、「脇をしっかり固めればいい」という問題じゃないだろ。無防備のスキは未熟者の欠点だ。「技」の巧拙の問題ではなく「人間としての精神の根っこ」の問題だろ。
●それにしても――
マスコミ業界の「有毒ガス」に冒されてずり落ちる者は後を絶たない。そんなグループの者たちに引きかえ、たとえば、いまあらためて「再評価」されている日本独自の「職人たち」(大工、その道具の鋸・カンナ・ノミなどを作る者たちや、うちわ・提灯・組みひも・クシなどなどの日本伝統工芸の仕事に努める男たち)は、「有毒ガス」に冒されることなく「着実な人生」に徹しているぜ。
●それにしても――
乙武クンの釈明メッセージも常識を欠いたトンチンカンなモノだが、あの「演芸の大家」桂文枝氏の「私も73歳……それに前立腺肥大だし……」というコトバも異常だったね。
●それにしても――
どういう事情があろうと「5人の女性と不倫」とは、やはり異常だね。もともと時代小説などあれこれ書いてきたけど「男なんて、カネとヒマを与えれば10人が10人、ヨコシマなことを考えるゾ」なんて思ってきた。書きもしてきた。
だからこそ「邪心」はやっぱりビシッとコントロールしなきゃいけない――いけないクスリも度の過ぎたアルコールも、カーッとのぼせるギャンブルも淫行暴走族も。ましてや「有名人病」の副作用に冒されて不倫騒動なんて穴ぼこに堕ちるなんてバカだ。
いやこの「不倫騒動」というマスコミ4文字にも異論がある。
「不倫」とは「倫理を犯す」ということだ。いざとなったら命がけ――にもなる覚悟が必要だ。
いま世間を騒がせているのは、下劣下等な「淫行暴走遊び」そのものだろ。この種のハレンチ族は、身の回りにウヨウヨいる。
満員電車内の痴漢や、夜道のストーカーなどなど……
コワイですよ、まったく!
●それにしても――
選挙法違反の「うちわ」で法務大臣辞任に追い込まれた松島みどり女史が、国会の審議中の席で、スマホをいじったり居眠りしたり、関係のない本を読んでいたり――のダラケぶりをカメラがキャッチしていた。担当大臣の答弁中の隣席での傍若無人の行動だ。
あのヒト、どうしようもないオバサンだね。おサルさん以下だね。
その他、大西英男議員の「巫女さん」に対する差別発言とか……とにかく紙のようにカルーイ人間ばかりで……ウンザリだ。
●それにしても――
ショーン・マクアードル川上氏とやらの失脚事件も、なんだかやたら情けない。しょせん虚栄と虚名のマスコ界だからこそ――ウソはいけないんだよネ。
――本庄慧一郎