「社会&芸能・つれづれ愚差」第477回(通算589回)


飽食時代の呆食(ほうしょく)人種よ!

●そういえば――
 去る4月に来日したウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の「清貧」というべきライフスタイルについてのレポートに心うたれた。
 折りしも、マスゾエという公職にある人物の「公私混同」に端を発した「都知事失脚」問題と比較して考え、この二人の人物の差異にただひたすらゲンナリし、腹をたてた。

●そういえば――
 「分相応」とか「身のほどを知る」とか、ちょっと古めいて聞こえる「質素倹約」とかの、「おのれを知る」という人間の基本コンセプトを誰もが投げ捨て、無視しているようだ。
 いや、そのルールやマナーをきちんとわきまえ心得ている人たちはまちがいなく存在するのだろうが、チラチラとワサワサと目につくのは、不快な人種ばかりなのだ。

●そういえば――
 テレビというマスメディアに跳りょうするのは、テレビカメラの前で無作法に羞恥心をかなぐり捨て、大口をあけて「モノ食う人たち」の横行である。
 「テレビ視聴率」の1パーセントは(さまざまな前提条件はこの際おくとして)「約100万人」といわれている。
 現行のテレビ番組では、とにかく「モノ食う人のオンパレード」だ。
 「街の人気食堂ランチレポ」から、「温泉とご当地グルメ旅」まで。また、「乗り継ぎ路線バスとローカルグルメ」などなど、やたら「モノ食う人」を素材にしたイージーな内容だ。

●そういえば――
 しかもその「モノ食う人」というのが、なんとも浅はかで無作法で、時には基本マナーさえ欠落(箸をあたりまえに使えないとか)させた未熟者だったりしてね。

●それにしても――
 学校給食では、その「残飯」といわれる廃棄物が大量に出て、問題視されているとか。
 また、「賞味期限」に関わるさまざまなルールによる、さらにまた各種の飲食店ごとの廃棄物も……大量に出ているらしい。

●それにしても――
 一方では、その社会の裏で「欠食児童」といわれる子どもたちも続出しているという問題。
 心ある人々のボランティアでの「子ども食堂」が作られているというが。

●それにしても――
 現在のテレビがエンターテインメント番組として扱う「食べ物」や、それを大口あけてパクつく連中のマナー違反と、その下品さにハラを立てている。

●そういえば――
 「平和」だからこその飽食。
 その飽食に悪馴れしての堕落と下品が嘆かわしい。
 『もの食う人びと』(著辺見庸 1997年 角川文庫刊)は読まれましたか?

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これは飢餓に苦しむ世界の人々のドキュメンタリー本だ!


●そういえば――
 この『もの食う人びと』の内容だが、「バングラデシュの残飯/フィリピンの残留日本兵が食べた人肉/ソマリアの麻薬性植物チャット/ウガンダのイエズ村で食べるキャッサバ/チェルノブイリの放射能まみれのキノコ……」などなどである。

●そういえば――
 イスラム教徒の断食行「ラマダン」のテーマは、「飢えに苦しむ人々を想う」という。
 そのセレモニーと、銃乱射というテロ行為が――というムジュンにただ戸惑うばかりだ。

●それにてしても――
 小生の父方の祖母には、「家の外で大口をあけてモノを食べるな」ときつく仕込まれた。ましてや、「食べるものを他人に見せびらかすな」とも厳命された。

●それにしても――
 日本茶道のシンボルというべき千利休(1522年〜1591年)は、時の権力者の織田信長。そして豊臣秀吉に仕えて「この人あり」と栄華を誇った。
 しかし、その千利休は――

 家は(雨などの)洩(も)らぬほど、
 食事は飢えぬほどにて、足る事なり。
 ということばを遺している。
 そして、千利休は大徳寺(京都市)に自分の「雪駄履きの木像」を設置したのを秀吉に咎められて、自刃した。
 その理由の別の説では、秀吉から、娘を差し出せなどの理不尽な命令に背いた……など諸説あるが。

●それにしても――
 「質素」ということを忘れて、「いい気になる者」は多い。
 テレビの画面で、大口あけてモノを食っている連中は、例外なく下司下品だ!




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ケイちゃんの目 ↓

書斎からの「空と雲」に魅かれて。

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— posted by 本庄慧一郎 at 11:37 am  

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