「社会&芸能・つれづれ愚差」第69回(通算179回)

東本三郎氏のふしぎな魅力
 ラジオ・テレビ業界、広告・CF業界どっぷりで暮らしていた時代があった。
 さまざまな人と会い、さまざまな人々と、さまざまな仕事をした。
 一回こっきりの人もあった。何回も仕事をした人もいた。
 そのギョーカイを離れてから親しくおつきあいをしている人は数少ない。

 東本三郎氏はアートディレクターであり、(株)アドビジョンのボスだ。
 このギョーカイには珍しく、その〔見た目〕は重量感のある硬派である。
 いや、見た目だけではなく〔イザ〕という場合はダンゼン、力と技で相手を圧倒するであろう貫禄を有している。

スコッチウィスキー・カティサークの仕事
 あれは1977年だったか。
 〔帆船のイラストの黄色いラベル〕のカティサークのキャンペーン広告を請け負い、東本三郎氏がグラフフィック、小生(本名望田市郎で)がTVCFを担当した。
 当時、輸入ウィスキーで10位以下だったカティをベスト3というランクにまで急伸させる広告&CFを制作した。
 ヒロインは、ドキドキするほど美形の真野響子サン。
 イメージソングの作詞は小生。A型は作曲八木正生。歌北原ミレイ。B型は作曲三木たかし。歌小林幸子。
 よく売れたし、そして気持ちのいい仕事だった。
 その後、広告業界から作家業に転進した小生だが、東本氏との交流は続いている。

ゴッホかゴーギャンか?という東本三郎氏のタブロー
 彼は、せっせと絵を描いている。銀座で個展も開いた。
 骨太の重量感のある、侠気(おとこぎ)のある、パッショナブルな……彼のキャラがキャンバスに炸裂したようなビジュアルである。
 その彼が本を著した。
・「人間市場/闇市編」(扶桑社)
・「人間市場/朝市編」(扶桑社)
・「非行対策/110の忠告」(新風社)
 彼の生い立ちに根ざした人生観照の目が鋭いリアルなエッセイ集だ。
 ズキン!ズキン!と骨髄に響く鋭いメッセージがある。

その東本三郎氏が映画を作った
 あれはいつだったか。1984年と記憶している。
 「チ・ン・ピ・ラ」という劇映画を手がけている。
 いい映画だったナ。
 その彼が「アイロン」という短篇を制作し、第59回カンヌ国際映画祭/国際批評家週間・ヤング批評家賞受賞という快挙を記した。
 そして今回「アイロン」同様、「企画・製作・原作/東本三郎」というポジショニングで、さらに短篇4作品を制作した。
「アイロン」
 出演:家住勝彦/細野佑美子
 監督:中野裕之
「スパゲッティナポリタン」
 出演:吹越満/宮本大誠
 監督:兼重淳
「午後三時三分十五秒の観覧車」
 出演:田口トモロヲ/細野佑美子
 監督:中野裕之
「富士とドーナツ」
 出演:ルー大柴
 監督:芹沢康久
「灯台」
 出演:小林成男/松方弘樹/松雪泰子
 監督:中野裕之
 以上5作品を「男たちの詩」というタイトルでくくって、この秋9月6日(土)から1ヶ月間、恵比寿ガーデンプレイス内東京都写真美術館のシネマホールで上映される。

 フヤケとオチャラケばかりの映画に食傷気味の諸兄姉におすすめするシャープな〔東本三郎ワールド〕です。ぜひぜひお出かけ下さい。

 

— posted by 本庄慧一郎 at 06:47 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第68回(通算178回)

朝5時のウォーキング
 このあたりのウォーキングコースの朝5時は快適である。
 この季節はムクゲの白とうすもも色の花が楽しめる。
 ノーゼンカズラのオレンジ色の花、オシロイ花の群れ。
 ユリの花たち。揺れるワイルドフラワーの群れ。
 アジサイやクチナシはそろそろエンディングだが、三宝寺池のいちばん奥の小鳥の公園の樹々の葉の繁りはまるで深山のように濃い。
 三宝寺池に日がのぼる頃、汚れのない空気を存分に吸って脳の細胞にも酸素を送り込む。

 ときどき、西武車庫前からAM6時発「長久保行」のバスに乗る。2〜3人しか乗降しないバスで終点まで行って、大泉中央公園を一周ウォーキングして戻ってくる。
 朝から……ビールが旨い!



オノマトピア駄作(早口コトバでどうぞ)

・「大分県教育委員会」――コネゴネ・カネゴネ・ゴテゴテ・オオイタデノ・ダラクキキ。
・「第五十八寿和丸沈没」――アアア・テテテ・ニニニ・ゲゲゲノトンズラ?
・「政治不在日本国」――ガガガ・ギギギ・ドドド・ドカカ〜カン!



ご恵贈いただいた本のプールで〔遊ぶ夏〕
 プールで遊ぶといっても、当方のこの夏は、先輩諸氏や親しき方からご恵贈いただいた〔本のプール〕で、さまざまな知的刺激にオボレルのであります。
 以下、順不同で書き並べてみます。
・「非行対策110の忠告」著東本三郎(新風社)/東本三郎さまから。
・「川柳うきよ鏡」著小沢昭一(新潮新書)/小沢昭一さまから。
・「川柳うきよ大学」著小沢昭一(新潮新書)/小沢昭一さまから。
・「祖母力」著樋口恵子(新水社)/樋口恵子さまから。
・「私の老い構え・元気に老いる女の16章」著樋口恵子(文化出版局)/樋口恵子さまから。
・「のべつ幕なし」著津上忠(新日本出版)/津上忠さまから。
・「津上忠作品集・続のべつ夢なし」著津上忠(木の泉社)/津上忠さまから。
・「時代劇が六倍楽しめる・大江戸“伝馬町”ヒストリー」著水原明人(三五館)/水原明人さまから。
・写真集「記憶の変容」フォト・金城真喜子(冬青社)/金城真喜子さまから。
・写真集「色彩の悲劇」フォト・金城真喜子(冬青社)/金城真喜子さまから。
・「松本昌次/わたしの戦後出版史」(株・トランスビュー)/松本昌次さまから。
・「脳イキイキ・絶対ボケナイ生活法」著金子満雄(海竜社)/岩田登美子さまから。
・「精神障害と犯罪/精神医学とジャーナリズムのクロストーク」編・岩波明(南雲堂)/パネリスト・東京新聞加古陽治さまから。

 「硬軟とりまぜて、その趣きと内容はさまざま」である。
 夏休み――といっても、とくにホイホイ遠出する気はさらさらない。
 だいたい「夏休み族」というヤカラが嫌いである。
 で、ヒマがあれば、のんびり手当たり次第に本の頁をめくる。
 これ、ココロとカラダにいい……夏休み。
 ご著書をお贈り下さった諸姉兄に、こころから謝々。



ふらりと出かける吉祥寺
 昭和26年(と聞いていたが)に開店したという「焼きとり屋・伊勢屋」(井の頭公園通り)がビルに変身した。
 なにしろ、油っぽくやたらケムたかった店の土間のガタガタ椅子のカウンターになじんで……思いでイロイロ。
 従来の店のレイアウトを残したらしい新しい店がやたら混んでいて店の前でUターンする。
 新シモノ好き(?)の連中が行列していて、コチトラ、まるでなじめない。
 〔政治不在〕のような昨今、伊勢屋の〔割安感〕がウケているのだろう。
 アノ風景にはなんとなくなじめないのでアル。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:25 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第67回(通算177回)

オノマトピア(擬音語)の遊び
 作曲家桜井順さんは、小林亜星さんと並ぶ業界トップランナーだ。広告業時代のぼくのきわめて数少ない〔畏友〕である。
 テレビやCM時代のつきあいで記憶に残っている人はごく少ない。が、桜井順さんのキャラクターはいまもって忘れないし好意をもっている。
 彼の手(作曲)になる作品は3000曲とか、それ以上とか。小生もコピーライター&CM作詞家の時代はずいぶん力添えを得た。
 そう、あの「黒の舟歌」や「マリリンモンロー・ノーリターン」などの名曲も彼のモノだ。
 その彼の名著「オノマトピア/擬音語大国にっぽん考」(電通刊)は、ユニークで面白い。
 文筆業の小生としては、毎日原稿用紙埋めに励んで50年というわけだし、現在も1日15枚を目標のシガナイ稼業に変化はないのだが……。
 古書店のような書ダナには雑多なホンがある。
「辞書にないことば面白読本」とか、そうそうずしりと手重りのするアンドルー・チャン著「アメリカ俗語事典」(研究社出版)とか「罵詈雑言事典」(東京堂出版)とかとか……ワンサとある。
 それこそ「チビチビ・チクチク」と一杯やりながら「モソモソ・パラパラ」と頁をくっての「チンタラ・チンタラ」の時間はけっこう楽しい。

そこで、下手くそなオノマトピア遊び
たとえば――駄作。
・「記者会見する福田総理」――「トッポラ・ヘッチョコ」
・「エビ養殖詐欺の社長」――「シュリンプリン・シランプリン」
・「大分の教育委員たち」――「ガックラ・ボケマン・ダラケンチョ」
             or「カネコネ・カネコネ・コテコテコテ」
・「前首相のアベさん」――「ニヤリンコ・ヌケリンコ・アナクロリンコ」
・「支持率凋落のブッシュさん」――「クレクレクレー爺・サルサル去ァレ」
・「バカ騒ぎタレントたち」――「バカタレ・アホダラ・タコツボラ」
・「アキハバラ文化」――「エテガッテラ・エコガッテラ」
・「あの吉兆ささやき女将」――「ハジマルダシーノ・シッポダシーノ」
              or「マッシロケケケ・マックロケケケ」
・「くいだおれ人形くん」――「ビックラコイテラ・ヒマジンウヨウヨ」
・「誰でもよかった症候群」――「デアウヲサイワイ・コロコロコロシーヌ」
・「石原都知事」――「シバシバシーバ・ゴーゴーマンダー・ソクヤメーロー」
         or「ウソカクシ・メカクシ・シリカクシ・金カクシ」
・「東京都教育委員会」――「タテッテバ・ウタエッテバ・ウルサイッテバ」
・「公金食い荒らしの役人たち」――「ヨクボケーノ・ジゴクユキビッチ」
・「ニュースキャスター山本モナ」――「スベッチャッタ・ヤッチャッタ・バレチャッタ」
・「世界のファーストレディ」――「ババババ・ババババ・ババババ・ババ」
・「エコ・タレント・ブーム」――「ギソギソギソ・ギタイ・ギタイ・ギタイ」
・「ビラ配り・過当取り締まり?」――「ジメジメ・イジメ・イチャモンスター」

— posted by 本庄慧一郎 at 11:05 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第66回(通算176回)

08年6月29日・新宿文化センター大ホールのコンサート
 タイトルは「2つの現代曲によるふたりの巨匠展/フレンドリーコンサート――こどもたちのミサ&カルミナ・ブラーナ」

 合唱・東京オラトリオ合唱団/新星合唱団/オーケストラとうたうこども合唱団/多摩グリーンロタキッド・クラブ/世田谷区立祖師谷小学校児童合唱団/世田谷区立松沢小学校児童合唱団
 そしてユニークな編成のオーケストラとソプラノ・テノール・バスの歌い手たち。
 指揮・郡司博/ホルスト・マイナルドウス

快い感興に満ちた臨場感
 残念ながら歌曲の言葉(原語)は、すんなり理解できず、パンフレットの解説の概略を頼みに聴いた。
 が、意味の詳細が理解できずとも、そのライブ・ステージから放射される合唱とオーケストラの熱いアピールは文句なしに心を熱くし、揺さぶった。
 たとえば、新星合唱団の(成人の男女混声)と児童たちの合唱団、そしてオーケストラの三百数十人で埋めつくされたステージはその景観も整然と美しく、十分に魅力があるが、オーケストラと合唱のハーモニーは、いちずで、ひたすらで、聴衆を見事にインボルブするクリエイティブなパワーを有していた。
 音楽に対して真摯で情熱的なハートをもった人々が生み出すライブ音は、知識的な理解や解釈の不足など軽く凌駕(りょうが)して、良質の音楽の醍醐味を満喫させてくれた。
 演奏後の観客の心からの拍手と、出演者たちの高揚したリアクションに、コンサートの、そしてライブの、なにものにも変え難い悦びが横溢していた。
 ワイフともども、心からの拍手をした。



新しい交友のことども
 テレビ・ラジオ、そしてCMや広告の仕事をして来たせいで、おつきあいする人々は多かった。
 しかし現在は、過去の仕事の関係者とほとんどつきあいはない。
 もともと、ゴルフもマージャンもギャンブルも、趣味としての蕎麦打ちとか旅行なども格別の興味も関心もない。
 だから、新しい友人はあえて必要としない――。
 だが、実際には、「ムカシからのつきあい」とは別の「新しい友人」はどんどん増えている。
 このコンサートのシリーズのベースになっている新星合唱団のバスを担当する宇敷裕さんとは最近親しくさせて頂いている。
 それは、小生の心ある音楽仲間と家族全員の協力で制作した自主CD「平和を願う歌・あなたに語りかける組曲/鳥になれたらいいね」をお求め頂いたのがきっかけだった。
 東京新聞には二度にわたって好意的な紹介記事を書いて頂いたが、いくつもの「新しい交友」がそこから生まれた。
 いま小生は、時代小説の作家としてありがたい場所を与えられているが、その一方で〔表現者〕としての末席にいる者としては、より広く多くの人々が快く拍手をしてくれる演劇の脚本や、そしてまたオリジナルの歌などを創出していきたいと意欲している。
 宇敷さんをはじめ、新しい出合いから得た信じられる友人ともていねいな交誼を重ねたいと思っている。
 宇敷さん、ご一緒に快い仕事したいですね。謝謝。



 とにかく、幼い子どもたちに、このコンサートの〔エモーショナルな体感〕をぜひとも実感させたいと思った。

— posted by 本庄慧一郎 at 02:30 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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