悲しい遊戯を乗せて地球は廻る
老いぼれた地球の皺に人の巣よ
尺八の音ぞ青竹の死の唄よ
増税の春を死ねない嘆願書
肉あって血あって抱く暖かさ
売春婦あぶれた夜は飢えと寝る
ゴミ箱あさらせるため産みつけやがった神様の畜生
神様よ今日の御飯が足りませぬ
タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう
腹充てる群れに淫らな夢ばかり
死の魚の瞳の底の青き空
屍のいないニュース映画で勇ましい
手と足をもいだ丸太にしてかえし
以上13句/鶴彬(つるあきら)
川柳作家「鶴彬の活動期は、大正十三(1924)年から昭和十二(1937)年までのたった十四年間だった」(「手と足をもいだ丸太にしてかえし」木村哲也編・邑書林刊)より。
一世紀 変わらぬ怒りよ 五七五
―― 一露(本庄慧一郎)
書 斎
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