「社会&芸能・つれづれ愚差」第163回(通算275回)

しんじゅく・新宿・SHINJUKU

 考えてみたら――かつての仕事(放送作家・コピーライター・広告制作者など)の関係で、銀座・表参道・六本木・赤坂・新宿……それに高円寺などのオフィスや仕事場を通じてこれらの街と深く関わったことがある。
 東京生まれの東京育ちである。幼い時には父親に連れられて浅草・上野などの下町にもどっぷりなじんだ。



 それで現在は――文庫書き下ろしという時代小説の執筆が日常化しているので、「復元江戸情報地図」(朝日新聞社刊/アート・ディレクション中川惠司)という資料と首っ引きで、毎日、〔江戸〕の町をインナートリップしている。
 この江戸地図は「江戸・東京重ね地図」というカタチになっているから現在の東京とも比較できて、文句なしの勉強になる。



 それに雑誌「東京人」で「とうきょう・ろまんちっ句」という企画(プレゼン→フォト・五七五・ショートエッセイで構成)を担当(1987年〜1991年)させて頂いて、せっせとン百ケ所の街をカメラを持って馳けずり回った。
 もうひとつ、それでなくとも街歩きが大好き人間だから、とにかくヒマをみてはあちこちの街を歩き回った。



 そして、新宿――。
 それまで、まるで手を染めようと思っていなかった〔小説〕という表現形態に取り組んだのは1990年。
 「赤い風車劇場の人々/新宿かげろう譚」(影書房・1992年月刊)影書房の松本昌次さんの寛容なご配慮で、本になった。
 本名の望田市郎での〔処女作〕である。
 戦前、ムーランルージュ新宿座として学生やインテリ層にアピールした小劇場(小劇団)があった。
 叔父・小沢不二夫が文芸部で叔母市川(後に小沢)弥生が踊り子で女優だった。小説「赤い風車劇場の人々」はそれをモデルに書いたのだ。



 またまた新宿――。
 徳間書店の「問題小説」にせっせと時代小説の短編をかかせてもらっている時期があった。
編集の担当者は岩渕徹氏(現・徳間書店代表取締役社長)。
 氏の巧みなおだてにのせられて、いろいろ腕試しをさせて頂いた。
 やがて、長編を書いたらという助言があって、本庄慧一郎という筆名でなんとか書きまとめたのが 「内藤新宿 殺め暦」「内藤新宿 血の花暦」「内藤新宿 闇の血祭り」のシリーズ(廣済堂文庫&学研M文庫)。
 この記念すべき(!)文庫の素材も新宿だったのでアル。



 さらにまた新宿――。
 そして今回、「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)が上梓された。
 内容はフィクションではないが、それだけにスペース(B5判160頁)がゆるす限り〔新宿〕にこだわって書いた。
 スタッフの皆さんにもお手数をかけたが、原稿をお渡ししてほぼ1年を要した。
 このノンフィクション物の前作「幻のB級! 大都映画がゆく」(集英社新書2009年1月刊)同様、フィクションとは異なる著作本として、〔本庄慧一郎の道標〕としても忘れられない1冊になりそうだ。


 いま、出版業界……というより、すでに社会現象化していると言っていい電子ブックの話題が沸騰している。
 その2010年6月の本屋さんの店頭に並ぶ拙著――どうぞ皆さんぜひ手にとって頁をくって下さいますようお願い申しあげます。



 「われわれが追い出されずにすむ唯一の楽園――それは快い思い出である」

                          ドイツの作家――ジャン・パウル

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        ケイちゃんの目 ↓

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  客室571室の新宿プリンスホテル

— posted by 本庄慧一郎 at 01:21 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第162回(通算274回)

本庄慧一郎HPに訪問して下さる皆様へ

小生のこの「週替りエッセイ/社会&芸能つれづれ愚差」を愛読して下さっている親愛なる皆様、お元気のことと存じます。
当方はあいかわらず、コツコツとセコセコとつましく文筆業で生き永らえております。
ベースになっている文庫書き下ろし時代小説もこまめに書き続けており、心うれしいファンの方の声援はいまの小生のバネになっています。
そして、平行して書き進めているノンフィクション路線――2009年1月刊の「幻のB級!大都映画がゆく」(集英社新書)でも多くの皆様からのご好評をいただき、大きな励みになりました。
というわけで、今回は東京新聞出版部さんにチャンスを与えてもらい「新宿今昔ものがたり/文化芸能の三百年 Link 」(6月2日発行)を上梓するはこびになりました。

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東京新聞出版部刊 B5版/160頁 2010年6月2日発行

週刊誌と同サイズ版で160頁。写真・図版満載という体裁です。
すでに数十冊を超える小生の出版物の中では初めて――というユニークな企画であり、盛り沢山の内容です。
元禄12年(1699年)の〔内藤新宿開設〕から2008年12月の〔コマ劇場閉鎖〕までの歴史をタテ糸に、第二次大戦前と、その敗戦後の闇市や歌舞伎町誕生秘話、さらに歌声喫茶やフォークゲリラ騒乱……などなど、社会&芸能のエポックをヨコ糸にしての構成です。

かつて雑誌「東京人」の立案者で編集長の粕谷一希氏(現在、評論家)のご力添えで同誌の1987年〜1991年にわたる5年間、五七五とフォトという構成の「とうきょうヒッチはい句」の仕事をさせていただきました。(のちに冬青社「東京ろまんちっ句」として単行本化されました)
そのありがたい経験をスプリングボードに、時代小説を書き初めましたが、同時に東京のさまざまな街と大きく関わった経験から「街と社会&芸能史」への興味と関心が強力にプッシュされました。今回の「新宿今昔ものがたり/文化芸能の三百年」も本庄慧一郎にとっての貴重な産物といえそうです。

謹んで諸兄姉のご高覧をここにお願いして、ご批評・ご感想などをお寄せ下さればと願うものです。

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        ケイちゃんの目 ↓

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            歌手・尾崎 豊の墓所
墓碑のことば 生きること。それは日々を告白してゆくことだろう
                             −放熱への証ー

— posted by 本庄慧一郎 at 01:53 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第161回(通算273回)

 池袋祥雲寺「リンゴ追分」の碑

 小生の亡き母の実家〔小澤家〕の菩提寺は池袋の祥雲寺である。
 母の実弟は小澤不二夫である。
 劇作家・放送脚本家として活躍した小生の物書きの師であった。
 しかし、54歳という「これから――」の時に早逝した。
 戦前のムーランルージュ新宿の出身で多様な仕事をした。
 その一つに、美空ひばりの「リンゴ追分」の作詞がある。
 もちろん、この歌のベースになったラジオドラマ(TBS)や映画の「リンゴ園の少女」の脚本やシナリオも書いている。

 その美空ひばりについてはあれこれ書いてきたが、先年、集英社新書「幻のB級!大都映画がゆく」(2009年1月刊)を出版し、「日本映画史のブラックホールを埋めた」といったうれしい評をたくさん頂戴した。
 その中で、「戦前のこの大都映画には美空ひばりという女優がいた」という検証ルポも書いた。

 「戦前の大都映画の美空ひばり」の出演作品はそう多くはないが、その作品を監督した大伴竜三もまた、小生の叔父貴であったのだ。(具体的には小生の母の妹の主人――本名小島武夫)
 歌手美空ひばりの芸名由来については、多くの有識者(?)がマジメにルポしていたが……戦前と戦後の両美空ひばりに直接関わった縁者(叔父ふたり)が存在したことは、エピソードとしてどこかに書き記しておきたかった。

 この件に関してもさまざまな反響があったが、中にはトンチンカンな早トチリの文章もあったりして失笑した。(作家西木正明氏の著書「一場の夢〜二人の「ひばり」と三代目の昭和」などを拙著で引用したが、ある評者はもっともらしく「小澤不二夫は西木正明の叔父であった」などとトンデモナイことを活字にしていた)

 昨日(平成22年5月13日)小澤不二夫長男公平氏と長女有美さんをはじめ内輪の親族だけで小澤弥生(不二夫の妻)の三回忌法要が池袋祥雲寺であった。
 叔母小澤(旧姓市川)弥生はムーランルージュ新宿座のチャーミングな踊り子(女優)でもあった。〔同窓生〕である、あの望月優子、千石規子、そして明日待子といった日本の大衆芸能史にのこる魅力ある人たちのことをこの5月末に出版される「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年」(東京新聞出版部刊)にも書いた。そして16歳のカワイイ市川弥生の顔写真を入れた。

 このところ文庫書き下ろし時代小説を書き続けているが、「幻のB級!大都映画がゆく」とこの「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年」などは、どうしても書きたかったテーマの「社会芸能史」である。
 今後は「歌舞伎座・銀座物語」とか「日劇・有楽町物語」とかはたまた「国際劇場・浅草物語」なども具体化したいと意欲している。

 たまたま、現在執筆追い込みの文庫書き下ろしでは、主人公のはぐれ同心七之介が、江戸城大奥の理不尽(とんでもないセクハラ?)に反抗して逃亡した若い娘を守るために、この池袋祥雲寺のある辺りを通る――なんてことを書いているのでアル。乞うご期待!

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        ケイちゃんの目 ↓

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  小澤家墓地の「リンゴ追分」の碑

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   池袋祥雲寺門前の「ふくろう」

— posted by 本庄慧一郎 at 11:47 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第160回(通算272回)

つい思い出す四文字熟語集

「孤群狗党」こぐんくとう。
→ろくでもない連中の集まり。(浅はかな打算ばっかり!)

「牛鬼蛇神」ぎゅうきだしん。
→牛の妖怪変化とヘビの化けもの。(その正体を見究めるべし!)

「氷炭相愛」ひょうたんそうあい。
→まるで質の異なるものがしっくり交ざり合うこと。(ウソくさいこと!)

「背信棄義」はいしんきぎ。
→信に背き義を棄てること。(ハレンチ人間ともいう!)

「曲意逢迎」きょくいほうげい。
→その日その日の風向きでコロコロ変わること。(新党結成に踊るヤカラ!)

「言語道断」ごんごどうだん。
→天下りとかいう人種のこと。(欲のカタマリになった者たちの醜悪さ!)

「猿猴捉月」えんこうそくげつ。
→阿呆なことをして身を滅ぼすこと。(猿もサル。猴もサル。人間の中にもサル!)

「源清流清」げんせいりゅうせい。
→根元が清く正しければ結果も当然良し。(根腐れしている場合はすべて駄目!)

「天網恢恢」てんもうかいかい。
→天は必ず悪人を見逃さない。(公金を食い散らかすヤツに罰を!)

「朽木糞土」きゅうぼくふんど。
→精神の腐った者はどうしようもない。(そうならないように暮らさねば!)

「薬石無効」やくせきむこう。
→薬や治療の効きめのない人間のコト。(バカは死んでも治らないとも!)

「厚顔無恥」こうがんむち。

→あつかましい恥知らずなさま。(あっちにもこっちにもウヨウヨ!)

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         ケイちゃんの目 ↓

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    ゴールデンウィークの優雅
      (トトロの森の近く)

— posted by 本庄慧一郎 at 12:31 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第159回(通算271回)

2010年5月1日(土)新聞3行ピックアップ

官房機密費/野中元長官が使途証言
首相に1000万円/評論家にも配る
毎年十数億円/この悪癖を正せ



インターネット・サイト/犯罪の温床に
隠語に潜む危険/援助交際は「サポ・プチサポ」
1日3万円稼げます/女子中学生に援助交際相手を紹介



「都知事発言/無責任過ぎ」
国会の与党幹部に帰化した子孫が……/人を見下した放言
高圧的に持論をぶちあげる……/私にははだかの王様にしか見えない



自民党幹事長参院選比例区で/美人市議藤川優里氏に出馬要請
本人の辞意で断念/「地方の発展に尽くしたい」と本人辞意
無党派層への支持拡大を断念/???!!!



被爆者NYへ続々/反核の決意今こそ
「戦争に正義はない」/「被爆者のこと忘れたならまた戦争が起こる」
「核なき世界」を掲げるオバマ政権/NPT再検討会議注目



英選挙後辞任論高まる/外し忘れたマイクでの悪口が
失言ブラウン氏支持率急降下/起死回生を図るも頓挫
アフガンで戦死した兵士の名の姓のつづりを間違え……/母親を怒らせた



日航国内外45路線の撤退/国際線撤退規模不十分
全日空赤字最大/3月期決算573億
年度前半の景気低迷/早期退職などで1千億円の経費削減をしたが



新党続々……に違和感/理念や政策あいまい
その顔ぶれの魅力なく/打算ばかりが目に立つ
自らが動くことを考える/既成政党人のふるい落としを



原発点検の確認指示/保安院電力9社に
高速増殖原子炉「もんじゅ」/ナトリウム検出器故障
安全……?/???



独立行政法人問題/国立印刷局の件
国会議事録等の企画コンペ/印刷7社談合
独禁法抵触か/「業者同士の雑談みたいなもの」と担当者談



本庄慧一郎の蛇足メモ。
・「事業仕分け作業」での独法スタッフの顔。(情けない!)
・検察審査会の結論に答える小沢一郎氏の顔。(うさん臭い!)

・独法なる団体をゼロ・ベースで再考すること。(まず全面禁止!)
・ 「事業仕分け作業」を「チャンチャラオカシイ」と言う政治家の顔。(チャンチャラオカシイ!)

・高速道路渋滞のニュース。(カッテニシロ!)
・テレビ番組改編期のカラ騒ぎ。(末期症状!)

・親殺し、子殺し事件続発。(どうすりゃいいんだろうねぇ!)

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         ケイちゃんの目↓

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元コメディアン?(本庄慧一郎のムカシ)

— posted by 本庄慧一郎 at 01:13 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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