この書評で紹介されている松本昌次氏は、現在の小生(本庄慧一郎)にとっての〔恩人〕といえるお方である。
ラジオ・テレビの放送作家としてスタートして、その後、平行してコピーライター&広告(CM)制作者として働いた。
しかし、テレビ業界・広告業界に意欲を失い、それまで一度も手をつけたことのなかった〔小説〕をまとめた。
物書きの師でもあり、同時に叔父(母の実弟)でもあった劇作家小沢不二夫(享年54歳で逝去)が在籍していたムーランルージュ新宿座をイメージのベースにしたいわゆるバックステージものだった。

発作的とも衝動的ともいえる創作活動だったが、その原稿を「本にしましょう」と言って下さったのが、松本昌次氏だった。
この本が、小説家望田市郎(小生の本名で、現在は筆名本庄慧一郎)で、これを転機に意義のある再出発をした。
奥付のデータでは「1992年12月8日初版/発行所・影書房/発行者・庄幸司郎」となっている。
庄幸司郎氏は、松本昌次氏の〔教え子〕にあたるという人で、上記の「わたしの戦後出版史」には「親友の大工さん」としても登場している。
あれから18年――今回、東京新聞出版部さんから出して頂いた「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年

さらに来年2011年に、早稲田演劇博物館の学芸員の方がムーランルージュについての研究本を出すという話も聞いている。
拙作「赤い風車劇場の人々/新宿かげろう譚

そのために、ある劇団とそのリーダーである方に近々、アプローチする。
というわけで、酷暑猛暑のこの8月と9月――ハワイにもカルイザワにも関係のない当方、さらに熱くなって(仕事熱中症と自称している)コツコツやってイマス。
追伸
出版人としての松本昌次氏は、温和で親和力のある紳士です。
松本昌次氏に出会えてよかったと、心から感謝しています。
いつ、どこで、どんな人と出会うか――それは人生にとっては最重要なことだと、あらためて痛感するのです。
ケイちゃんの目 ↓
酷暑 銀座のマヌカン