「社会&芸能・つれづれ愚差」第259回(通算371回)

擬態――ぎたい社会
 「擬態」とは、「ある生物が、周辺の生き物や環境に似せて(化けて)、敵(相手)の目をあざむき、保身を謀ることであり、また敵(相手)を安心させて餌食(いけにえ)にすることである。」
 つまりは、視覚(見た目)を利用した「騙し討ち」である。



 ケイタイなどの電話を使った「オレオレ詐欺」は視覚ではなく、「聴覚」を利用して息子や孫になりすまし、母親や祖母の愛情を利用して騙す詐欺行為だ。
 オレオレ詐欺のターゲットには、判断力や記憶力の劣化した高年齢者が多い。その被害者数もその金額も増大するばかりだという。



 大企業の経営者(社長とか)の中にも、この種の完璧(?)な擬態術を駆使してのさばっている者が多い。
 大王製紙関係の、オリンパスの、そしてAIJとやらの、そして東電の……ついでに元社保庁とやらのOB役人どもが、たんなる「コネ」を利用して、無責任でいいかげんなコトで暴利をむさぼっている。これを「悪徳擬態」という。



 ヒラメという海水の底にいる魚が、砂地そっくりにからだの柄や模様をなじませて身の安全を保つことはよく知られている。
 フィリピンあたりには、テントウムシやある種の羽虫にそっくりに変身するゴキブリがいるとか。
 マレーシアあたりには、食虫性のカマキリがランの花そっくりに姿かたちを似せて、花の蜜を求めてくる昆虫をしっかり捕らえるという。
 かと思えば、ヘビ(アカオパイプヘビ)の中には、鮮やかなダイダイ色のシッポを頭のように動かして見せて、敵や獲物をおびきよせて、ホンモノの頭で背後からパクリ!と襲う例など、生物・植物のビックリ仰天するような「擬態」は山ほどあるのデス。



 そういえば、やっぱり「原発再稼動」を推進するために、こんな最悪危険状況に陥っても、シレッと「まやかし安全論」を口にする者たちもワンサといる。
 政治や経済の面でも日本の将来は不安ばかりだが、それよりも「手にあまる原発の処理と汚染」で日本丸は廃墟になっちまうじゃないのか、オイ!


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          ケイちゃんの目  ↓

街の彫像たち

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              赤坂・一ツ木

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                吉祥寺・井の頭自然文化園

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             杉並・西荻




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— posted by 本庄慧一郎 at 11:38 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第258回(通算370回)

金(ゴールド)は「野蛮の遺物」

 そう言ったのはイギリスの経済学者のケインズだった。
 いまの日本の社会は、金(マネー)まみれ、欲まみれの腐臭でメタメタだネ。
 「オリンパス」の乱脈経営。「大王製紙」の創業者一族の男の異常なギャンブル狂いの破綻。そして「AIJ投資顧問」の経営陣のデタラメ投資の無残な結果。
 なにはともあれフェア精神を第一とするスポーツである野球の選手たちを、札束で操る「醜悪マネージメント」の実態。
 かと思えば、あいかわらず不明朗な金の動きに関わる政治家の胡乱(うろん)な動静。
 原発事業とその推進にあれこれ悪ヂエをしぼる東電幹部たち。そして、カゲで協力する御用学者たちや、とことん意地汚い天下りOB役人どもの跳りょう――。
 「金という野蛮の遺物」は、現代社会を、そしてそこにうごめく「欲の権化」である人間どもを「我欲のサル」にする。

「晩節を汚す」ということ

 「我欲」のためには、見得も外聞もかなぐり捨てるハレンチ人間がやたら目に付く。

 『川の水はやがて、すべてが海に流れ込んで見えなくなるように、人間の徳(良心)もつまるところ「欲の海」に流れ込んで見えなくなる。』

――ラ・ロシュフコー/フランスの作家


 醜い我欲のために「晩節を汚す」ことさえ辞さない「ハレンチ人間ども」に拍手でもしようかい。

吉本隆明の遺言「反原発で猿になる」

 3月16日に逝去した吉本隆明氏。
 彼が「週刊新潮」(1月5日・12日新年特大号)のインタビューでのコトバが「反原発で猿になる」である。
 そのコトバに対しては、さまざまな者がもっともらしい「解説」をしていた。

 吉本氏は、小生が師と仰いできた劇作家三好十郎氏について以前から好意的な言葉をのべていたが、しかし、その論旨には正直「?」があった。
 「吉本隆明氏の遺言」とされる(週刊新潮3月29日号)のこの「反原発で猿になる」は……やっぱりどうしてもボケ老人の屁理屈としか思えないんですけどネ。
 《追記》
 3月24日東京新聞文化欄「大波小波」でも吉本隆明氏にふれていた。
 タイトルは「教祖にするなかれ」。(以下、引用)
 『(略)……オウム真理教や原発を擁護するなど、がっかりさせられる発言もあった。
 (略)今後この「巨人」を持ち上げる企画がたくさん出てくるだろうが、どうか功罪ともに公平に評価してほしいものだ。
 教祖の御言葉にはしてもらいたくないと、かつての心酔者として願う。(マチウ)』
 このコラム氏に同感した。



 この件に関しては是非、大江健三郎、広瀬隆、本田勝一、佐高信、鎌田慧、そして小出裕章といった諸先生方のご意見をお聞きしたいですね。
 相手にしてくれないか?……ウン。ですよネ!
 なんにしても「知の巨人」という四文字に「やまいだれ――疒」はふさわしくない。



 そろそろ小庭の沈丁花のツボミがふくいくと甘やかな匂いを放ちはじめたというのに、いまの政治社会は……とことんうさん臭い!


沈丁の葉ごもる花も濡れし雨 ――秋桜子


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          ケイちゃんの目  ↓

本庄サンちの寒い春の新しい芽吹き
 

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「社会&芸能・つれづれ愚差」第257回(通算369回)

年齢差はほぼ70歳の和気あいあい

 3月11日は「痛恨と鎮魂」のないがしろに出来ない日であった。
 その日はたまたま、中高一貫教育の海城学園(東京新宿区大久保)の古典芸能部(顧問川崎真澄先生)主催の集いに、桂小金治師匠をお招きするコーディネートを買って出た。
 海城学園の古典芸能部の学生諸君は、川崎先生の好リードで文楽や狂言やカブキなども学んでいるが、とりわけ「落語」に強い関心があるようだ。
 かく申す本庄慧一郎は、彼らとは記録映画「ムーランルージュの青春 Link 」(監督田中じゅうこう)のインタビュー取材をきっかけに親しくなった。
 小生とムーランの関係は、昭和10年代のムーランの最盛期に小生の叔父の劇作家小沢不二夫が活躍していたことで、ムーランのあれこれに詳しいからだ。
 そして海城学園とムーランとは、戦後すぐの昭和22年にムーランの一団が学園で公演を実施していて、古典芸能部のメンバーが当時のことを調べ、その経緯をシンポジュウムで紹介し、縁が生まれた。
 小生の書斎でNHKニュースのインタビュー取材もあり、古典芸能部メンバーと小生がお喋りをした――詳細はこちら Link

 それまで桂小金治師匠には、電話を頂いた折に「本庄サン、若い人たちに話が出来る機会があったら出かけるから、言って……」と言われていたので、川崎先生に話をつないだのだ。
 3月11日は今春高校を卒業する学生もまじえて23人の諸君が出席して桂小金治師匠を迎えた。
 桂小金治師匠は御トシ86歳。かくしゃくとしていて活舌も明快。
 幼い時のエピソードから、桂小文治師匠への入門時代。映画への転進。そしてテレビ界への進出の話題をまじえてのユーモアたっぷりの人生論を100分間にわたって展開して下さった。
 お話の途中には、木の葉をつかった「草笛」とお得意のハーモニカ演奏もあって、生徒諸君の熱い拍手が教室に鳴り響いた――。
 年齢差70歳という世代差を越えて快い交流の場が生まれた。

 小生が芸能界で畏敬するお三方については、このHPでも何度か書いた。
 小沢昭一さん82歳。熊倉一雄さん85歳。桂小金治師匠86歳。
 このお三方とのお付き合いは長い。
 現今のゲーノー&テレビ界のワルノリとワルハシャギのその内実にはただウンザリするだけだが、このお三方のお人柄と芸風とその質にはアサハカな変質や違和はない。

 テッテイした商業ベースで作った「ゲーム」や、すべてそっくりが「勝ち負け」で決定づけられるスポーツにこだわるのではなく、自分自身をフルに活性させて独自の「表現術」を学びとする学習には、別格の価値と喜びがある。

 海城学園3月11日「ようこそ桂小金治師匠」の講演の様子は海城学園のHP中の「海城PRESS Link 」をご覧下さい。


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            中央 左:桂小金治師匠 右:川崎真澄先生

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            中央 左:桂小金治師匠 右:本庄慧一郎




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— posted by 本庄慧一郎 at 11:32 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第256回(通算368回)

3月11日で満1年。

 地震・津波・大惨事にさらに致命的な打撃を加えたのは原発事故。「収束」などというワーズにはほど遠い「惨状」にいらだちをおぼえる。
 にもかかわらず、すでに「原発再稼働」にカゲでうごめく「東電族――電力寄生族」たちがせっせとうごめいているとか。
 原発事業団体に「天下り」をくり返すやからともども、そのハレンチぶりにただ唖然として無性にハラを立てる。
 日本という国はいまや一艘の船である。
 もし、さらに新たな大地震や大津波などでまた原発事故が加われば、この「日本丸」は破損と放射能汚染でとことん壊滅することはわかりきっている。
 我利我利亡者たちは「自分だけは別」と考えているらしいが、そのクレージィぶりには手がつけられない。

 蔵書が増える。ときどき大量処分(古書店に引き取ってもらう・被災地からの要望で大量に搬入してもらったり――とか)するが。
 その仕訳のさなかで、ふと手にした1冊が広瀬隆著「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」(文藝春秋1982年刊)。
 ついついまた頁をめくってしまう。
 核実験がくり返されたアメリカ・ネバダ州で行われたかずかずのアメリカ映画のロケ。そのネバタのロケに関わったスターたちが、その後「ガン」に冒されたことをテーマに書かれた本だ。
 この本にこんな一説がある。

『本書の著者広瀬隆氏は、ジョン・ウェインの死亡記事を読んで、ガンで死ぬ映画スターが多いことに気づきました。考えてみるとゲイリー・クーパーもヘンリー・フォンダも、スティーヴ・マックィーンも、みんなガンに倒れている。何故か? 医学関係の翻訳家である広瀬氏の疑問が頭をもたげ、映画関係の書籍を読みあさり、ある仮説をたてたのです。「大スターはみんなガンで死ぬ」と。
(後略)文藝春秋出版部』(あとがきより)

以下、同書より引用。
『〔ネバダでおこなわれた大気中の核実験〕(公表されたもの)
1951年 11回
  52年  8回
  53年 11回
  55年 16回
  56年  1回
  57年 26回
  58年 24回
    合計97回』 (p95)

さらに

〔汚れた雲が通ったあと、髪がごっそり抜け落ちた〕
〔肌に奇妙な日焼けができた〕
〔家畜が500頭死んだ〕
〔いや、うちでは羊が1500頭死んだ〕
〔生まれた仔羊はどれも、脚が異様に短かった〕
〔子供たちがつぎつぎと白血病にかかっている〕
〔セント・ジョージで目のない赤ちゃんが生まれた〕
〔ネバタでも、目のない赤ちゃんが生まれた〕
〔井戸水がホコリをかぶったように汚れている〕
〔うちの女房がまた流産した〕
〔子供たちの甲状腺異常が増えている〕
〔ピケットの店が癌のため繁盛している〕
 しかも不幸なこに、これらすべて単なる伝聞でなく、事実起こったことだった。(p100)
(「ジョンウェインはなぜ死んだか」広瀬 隆著 文藝春秋 1982年刊より)

 ジョン・ウェインをはじめ、ジョン・フォード(監督)、ゲイリー・クーパー、エドワード・G・ロビンソン、ヘンリー・フォンダ、スティーヴ・マックィーン……彼らと「ガン」の因果関係をぜひお読み下さい。

 人は「歴史」に学ばない。
 「近過去」に学ばない。
 アッケラカンと「過ち」をくり返す。
 ああ! 哀しいね。


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          ケイちゃんの目 ↓

15

       お手伝いした本
1998年・日本ジャーナリスト賞(JCJ)受賞



3月 石神井のみかんと空

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— posted by 本庄慧一郎 at 12:05 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第255回(通算367回)

2012年弥生3月。

 3月の異称は、どれも匂やかであでやかでうるわしい。
 「弥生」は陰暦3月の異称。「水にひたした稲の実のいよいよ生いのぶるの意」(大玄海)とのこと。
 このコトバのほかに、花見月、春惜月、夢見月、早花咲月などがある。
 あの「東日本大震災」からこの11日で丸1年。
 現在の3月は、本格の春を迎えるにはほど遠い「苛酷な時」に金縛りになっている。
「ひとの痛みや哀しみを共有する」ということばはよく耳にするが、俗物政治家たちには、その気配のカケラもない。
 国費・公費をさんざん浪費・濫費してきて、日本国を大借金国に貶めた。
 カネが足りなきゃ大増税――かてて加えて「原発再稼働」だと。
 国会での「党首討論」の内容の貧弱さは絶望的だが、その弱体化した政治のスキを衝いての「維新の志士」気取りのヤカラの暴走も腹立たしい。
 2月26日付東京新聞のコラム「週刊誌を読む」には、橋下氏のワルハシャギを批判する学者・文化人の諸氏に、橋下氏がヒステリカルにやたら噛み付いているという記事があったが。
 橋下氏が「目の仇」にしている人たちとは――
 同志社大学教授・浜矩子。北海道大学院教授・山口二郎。同大学准教授・中島岳志。神戸女子学院大学名誉教授・内田樹。立教大学教授・香山リカ……の方々。
 ヒステリカルな橋下氏に対するこれらの先生方の論理は至極まっとうですよ!
 ところで「君が代強制」などについては、天皇陛下ご自身にぜひご感想をお伺いしたらいいと思う。

 梅咲いてあたりに春はなかりけり  ――吏登



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2011年3月の花/2012年3月の雪

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*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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