「社会&芸能・つれづれ愚差」第263回(通算375回)

5月というまぶしい季節が……。

 ゴールデンウィークとやらの、ワルハシャギ・ウィークは嫌いだ。
 桜の花の下の狂宴(!)もかかわりたくないから敬遠した。
 「楽しく過ごす」ことと「ワルハシャギする」ことの区別のつかない奴らに近付きたくない。
 まだ……というより、住みなれた地へいつ戻れるかも分からない人々の焦燥や怒りや哀しみを、アタマから無視する政治家たちの厚顔と無恥をただ憎む。



 ちっぽけなわが家の庭の「花ニラ」が可憐で美しい。
 丸石の上にカナヘビが現れて、じっと動かずにいた。
 握りこぶし二つほどの「ガマガエル」がずっと棲息しているはずだが、まだその姿は見ていない。
 でも、石神井三宝池の岸辺で、黒い豆粒のような無数のオタマジャクシが透明な水の中で乱舞しているのを、久しぶりに見た。



 石神井近辺にはハナミズキの樹が多い。
 白いハナミズキの花は清楚で美しいが、紅色のハナミズキの花が5月間近の陽の光に映えるただずまいは、息をのむほどにあでやかだ。
 原産地はアメリカ――フロリダ、テキサスからメキシコに及ぶ一帯に産するという。
 花ことばは「すべて公平に」とか。
 エゴ横行。格差社会への劣化。弱者無視の現在にあらためて思いを深める。



 物書き業は、演劇修業(脚本・演出)からスタートして、とにかくあれこれやってきた。
 そして今回、「生まれて初めて書いた小説」である「赤い風車劇場の人々/新宿かげろう譚 Link 」を(1992年12月8日・影書房刊)をあらためてじっくり読み返す。
 この小説は、劇団ピープルシアターの第27回と第29回の公演で舞台化されて好評だった。
 今回は、大手のタレント養成所の講師であるM・G氏(昭和30年代はじめの劇作家三好十郎氏主宰の劇団戯曲座での同期生)の依頼である。自分の手で脚色する。(9月上演の予定)
 いいモノにしたい――当然、今回のGWとやらのその時間もそっくりクリエイティブの作業にあてる。

 昭和19年、そして20年と8月15日の敗戦――当時の政治・社会、そして逼迫した生活等の詳細な記録を再チェックする。
 「学徒出陣」に関する資料をはじめ、昭和関係の各種資料本をチェック。
 たとえば「証言・私の昭和史/1.昭和初期」の「あとがき」に、和光大学教授・原田勝正氏がこう書いている。(以下、引用)

『(略)昭和初年の歴史をみるとき、われわれは、このような戦争の危機にさいして民衆がとるべき姿勢がいかにあるべきかを、日本国民ばかりではなく、戦争の惨禍を受けたすべての民族の犠牲に対する痛切な反省の上に、いまいちど考えなおすべきではなかろうか。それは、決して繰り返してはならない道程なのであり、また、現在の日本がおかれている位置も、戦争への危険を常にはらんでいるという点で、昭和初年と実によく類似しているからである。(略)』(「証言・私の昭和史 昭和初期」きき手・三國一朗/テレビ東京編集 pp.489-490より)

 孤影引く 一本桜の 花吹雪   ―― 一露


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          ケイちゃんの目  ↓

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— posted by 本庄慧一郎 at 02:13 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第262回(通算374回)

あらためて資料ダナから「びっくり害虫図鑑」を取り出す

 思い切って「不用」と思われる本類を古書店に引き取ってもらった。
 すでに小説などのエンターテインメント本数百冊を被災地の皆さんに送った。古書店の方にはすでに何回か来てもらっているし、一般ゴミとしての本もたびたび処分した。
 にもかかわらず、古書店の方の観察では「2万冊以上ありますね」だった……。
 現在も、江戸時代の資料本を中心に、ビートルズ詩集やジャズやロック関連本から、動物・魚・昆虫図鑑までイロイロある。



 その中から「びっくり害虫図鑑」(創英社・三省堂書店刊)を取り出す。
 現在、日本の国の中枢でうごめいていると言われる不届(ふとど)き極まる「人間シロアリ」の、本体をしらべるためである。
 頁をめくったのは、「百害あって一利もなし」と称される「人類の敵――害虫」の代表20種類について判りやすく解説した図鑑である。



 人類が誕生するはるか昔――約4億年以上も前に、虫たちはこの地球上に存在していた。
 あの恐竜さえも絶滅させた自然環境の激変にも生きのび、進化をとげてきた。
 現在の地球上にはざっと90万種の昆虫がいるというが、どうにも人間の「手におえない害虫」はしたたかに生きのびている。
 そして、その代表ともいえるシロアリ――。



 以下、「びっくり害虫図鑑」の「シロアリ」の頁からの引用。

【厳しい階級社会】シロアリの社会は厳しい階級社会になっている。大別(たいべつ)すれば生殖(せいしょく)階級(女王アリと王アリ)、副生殖階級(女王アリと王アリの候補)、職アリ階級、兵アリ階級である。
 生殖階級は文字通り幼虫を生み出す女王と王で、アリやハチでは1回の交尾で十分に以後の産卵(さんらん)に備えられるが、シロアリの雌にはその能力がない。そのため、つねに雄といっしょに生活している。
 職アリ階級は、シロアリファミリーの90〜95パーセント近くを占(し)めるいわゆる働きアリで、食物の採取(さいしゅ)や巣作り、巣の掃除、生殖階級・兵アリ・幼虫へ食べものを運んだりする。また、兵アリ階級は外敵防衛がおもな仕事で、そのために頭部は特殊(とくしゅ)な形態に発達している。また、自分では食べものを採取できない。』(びっくり害虫図鑑/山岡亮平・塩田恒三著/創英社三省堂書店刊 p65より)

【シロアリ対策】シロアリを1匹(ぴき)でもみつけたら要注意! きっと家のどこか、近辺(きんぺん)にシロアリの巣(す)があるはず。早急に退治する必要がある。でないと、シロアリの増えるスピードは驚くほど速い。退治が遅れれば遅れるほど、被害も大きくなる。また、シロアリは長生きする虫としても有名で、女王アリにいたっては30年近くも生きる場合がある。ちょっとやそっとじゃなくならない。あなたの家は大丈夫?』(びっくり害虫図鑑/山岡亮平・塩田恒三著/創英社三省堂書店刊 p66より)



 さて、現在の人間社会の「人間シロアリ」は湿っけや水分でなく、金のあるところに発生する。
 このところ、東電の偽装経営のエンの下の埋蔵金や、そこからバラまかれるウラ金などを求めて異常発生しているようだ。
 テレビの国会審議の中継で原子力安全保安院の院長とやらの男のカオを見たが、彼の「人造仮面」のような異物感は、現在の天下り役人や御用ウソツキ学者、はたまた、行政の中枢にのさばる自覚ゼロ責任者に共通する不気味さがある。

 「放射能」の影響でこの「人間界」のシロアリ群は異状繁殖や巨大化するのではないか――?



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                  神代植物公園にて

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            神代植物公園にて

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         深大寺にて/モノマネ慧一郎




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— posted by 本庄慧一郎 at 02:18 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第261回(通算373回)

東京近辺の桜は散り始めたが

 花見の宴の酒のがふ飲みで急性アルコール中毒でぶっ倒れ、救急車で病院に移送されたバカ者が大勢いたとか。
 昔なじみの吉祥寺井の頭公園の池も、この桜の季節は敬遠する。
 ずっと「近所づきあい」の石神井三宝寺池周辺も、やはりこの時期、寄りつきたくない。
 現在、石神井川の拡幅と整備工事をやっているが、石神井小学校の校庭に沿った流れの対岸の桜並木は整理伐採されると聞いたが……。川面に映る桜の花のたたずまいをカメラに納めた。
 石神井小学校は、三人の子どもと孫がお世話になった小学校だった。



 2012年4月7日付の朝日新聞「天声人語」から引用する。
『(略)きのうあたりから東京は桜前線のただ中にある。名所の千鳥ケ淵に寄ると、大勢の人波が続いていた。満開の手前の花は朝日を浴びて、息が詰まるほどに光っている▼戦没者墓苑があるせいか、ここの桜は戦争への思いにつながっていく。終戦の年のきょう、戦艦大和が東シナ海に沈んだ。生還を期さない沖縄への出撃は「水上特攻」と呼ばれた。出撃前日、瀬戸内海で訓練中の艦上で「桜、桜」と叫ぶ声が上がったそうだ▼奇跡的に生き延びた吉田満の『戦艦大和ノ最後』によれば、乗員は先を争って双眼鏡に取り付いた。そして、「コマヤカナル花弁ノ、ヒト片(ヒラ)ヒト片ヲ眼底に灼(ヤ)キツケントス……桜、内地ノ桜ヨ、サヤウナラ」。67年前の、この国の現実である▼そして歳月をへて、いま「第二の敗戦」とも言われる困難にあえぐ。経済はよろけ、政治はとろけ、震災に原発事故が重なる。痛む列島を励まし、癒すように、桜が染め上げていく▼(略)』



 吉田満と戦艦大和については、畏敬する評論家粕谷一希氏著「鎮魂・吉田満とその時代」(平成17年4月刊文春新書)の労作がある。

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 桜にまつわる記憶には痛恨の極みといえるものもある。忘れられない、いや、忘れてはならない記憶もある。
 折しも「第二の敗戦」とも言われるこの時期、原発再稼働とか、北朝鮮のミサイル(?)発射決行などの極めてキナ臭い状況がエスカレートしている。(ミサイル発射は失敗?よかったなぁ)



 平和を保つ最善策は、戦争当事者が自分を「絞首刑にふさわしい者だ」と自覚することである。
 

――カーライル/イギリスの思想家



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                松戸・北小金/東漸寺の夜桜

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                石神井川の桜 その1

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                 石神井川の桜 その2




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「社会&芸能・つれづれ愚差」第260回(通算372回)

テレビでたびたび見る男たちのカオ

 カオの美醜をウンヌンするのではない。
 たとえば、記者会見や、国会に呼ばれて尋問される男たちの顔についてである。
 まずは、東京電力の経営者諸氏。
 もう一人はAIJ投資顧問・代表取締役浅川和彦のカオである。
 彼らのカオの造作もなにやら共通しているように見える。同時にご両者のカオには、やはり「鉄面皮」という三文字が表わす、「異物感」が漂っている。(と思わざるを得ない)
 あのカオの皮膚は、普通の人間の皮膚に見えるが、実は「ハレンチ人間ご用達」の特別製に思えてならない。
 この種の人間のカオはすでにいくつも見せつけられてきたが、きわめて巧妙に作られた「人造面」としか思えないのは、ボクだけですかね。

 ここで「お金の雑学辞典/毎日新聞社編」(昭和54年・毎日新聞社刊)からマネーに関する短文を2つご紹介したい。(以下、引用)



『「空から降ってくる札束」
 (略)札束が天から降ってくるのは必ずしもめでたい話ではないのである。
  実際に、こういう突拍子もない手段を実行したのが、ベトナム戦争における米軍であった。
  ベトナム戦争の末期、攻めあぐねた米軍が窮余の一策で考え出したのが、この紙幣爆弾攻撃作戦。もっとも、ホンモノの紙幣をばらまくわけではない。ファクシミリ印刷でつくったニセ札なのである。しかし、ニセ札といっても個人や、あるいはニセ札づくりの小グループがこそこそとつくるのと違って、国家権力が正面切って堂々とつくるのだからホンモノそっくりに出来上がる。使っても誰にもホンモノと区別はつかないのである。
 もっとも、これはアンフェアな作戦で、おおっぴらになれば国際世論の非難を受けることは間違いないので、米軍は巧妙ないいわけの道をつくっていた。
 ニセ札は大きい紙の一部に印刷されており、紙幣以外の部分には北ベトナム政府を非難する言葉が印刷されている。
 「不幸な北ベトナム大衆を啓蒙するためのこれは宣伝ビラにすぎませんよ、紙幣を印刷したのは人目をひきつけるための効果をねらったにすぎない」
 と米軍司令部のスポークスマンは公式声明を発表して、国際世論を煙にまいた。
 だが、紙幣の部分は簡単に切りとられるようになっており、それはどこで使っても怪しまれないほど精巧にできていたのである。』(pp.112-113)

『「秀吉のばらまき金脈」
 (略)秀吉は金脈=人脈という哲学の持ち主で、それを最大限に発揮した人間であった。まず天正十年(一五八二年)に織田信長の旧領であった但馬の生野銀山を直轄領としたのに始まり、上杉景勝を会津に転封して佐渡の金山をその直轄とさせたり、諸国の金銀鉱山を接収するかあるいは重税を課すなどして、支配権を手中に収め、全国の金銀を自由にコントロールしたのであった。また南蛮貿易の保護と統制を通して、海外からの金の輸入も積極的に進め、これまた自分の思いどおりに備蓄した。
 秀吉が天下人になれたのも、こうして得た金銀を派手にばらまいたからといわれ、現代でもそれと同じことが残念ながら行われてもいるのだが、札束で頬を叩くという生ぬるいやり方ではなく、金銀を頭上から降らせた、ともいえるほどだった。
 たとえば、天正十年六月、本能寺の変の報に接し、急きょ京都へ向けて出発する際のこと。姫路城の天守閣にあった金の大判八〇〇枚、銀七五〇貫をぜんぶ将士に分配した。
 また天正十三年十二月、長曽我部元親父子が大坂へ出仕したときには、黄金一〇〇枚を与え、初めて大判を見た彼らをびっくりさせた、という話もある。
 だが、そのビッグ・イベントとでもいえるのは天正十七年五月、聚楽第で行われた金賦(かねくば)りだろう。徳川家康に金三千両・銀一万両、前田利家には金千両・白銀一万両など総計三六万五千両の金銀を諸将に分配した、と『豊臣記』は伝えている。

 こんなに金をまいておいても、ひとたび死ねば人間は離反するのだから、空しくなりそうなものなのだが……。』(pp.152-153)

――「お金の雑学事典/毎日新聞社編」昭和54年・毎日新聞社刊より



 いずれにしても、金まみれ欲まみれの人間も、ヒストリーも、とことん汚く醜いよなぁ。


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石神井の桜

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*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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