第24回池袋演劇祭参加作品として「炎と愛のフィナーレ/あるレビュー劇場の1945」(原作 望田市郎・脚本 本庄慧一郎)を書き下ろした。
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演出の睦五朗氏とは、半世紀余りの歳月をへだてての「再会」だった。
あの3・11大震災をきっかけに小生の気持にゆらぎが生じ、物書きとしての今後に「物書きの原点になった演劇への回帰」があった。
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睦五朗氏とは、劇作家三好十郎氏主宰の劇団戯曲座に入座して出会った。二人とも20代だった。この業界で「通り過ぎた人」と再び会いたいと思える人は数少ないのだが……。
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何度かお会いして、アレコレ近況について語った。そして今年の春、「テアトルアカデミー睦組公演の脚本を頼みたい」という睦氏のコトバによろこんで応じた。それが「炎と愛のフィナーレ」であった。
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制作・演出 睦五朗氏のこの公演は、2012年9月21日〜23日/南大塚ホールという条件で具体化した。現在の睦組のシステムから推して、睦五朗氏の守備範囲は多様で、その苦労が思われたが。
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その公演の結果は、おかげで好評であった。なにしろ、出演者総員数十名に達する(Wキャスト・トリプルキャストなどもあり)出演者たちで、「熱気ある集団劇」が展開された。
―― さっそく頂いた「評や感想」から ――
主役をあえて置かない演出だったのでしょうね。
各々の役どころが、おもしろかったです。
各々の役どころが、おもしろかったです。
調布市/K・Mさん
今回のはご自身で脚本を書かれたから良かったのですよ。特に後半は、エピソードを積み重ねて戦時下のムーランを表現しておられましたが、そこにはユーモアとペーソスに溢れていて、よかったですね。演出もテンポがよく、2時間緊張感が持続した舞台でした。大変、面白く拝見しました。
中野区/O・Yさん
昨日の「炎と愛のフィナーレ」は、ムーランルージュという〔過去〕の話ではありません。
Iという愚劣で卑怯な男が火をつけた日中問題が絡んで。早くも戦争好きな連中(高齢者もいる)が動き始めている。御作品は〔今〕まさに進行中の国家主義の台頭に警鐘を促すものでした。だからこそラストはノスタルジーではんく、カタストロフだったと私は推断しました。
Iという愚劣で卑怯な男が火をつけた日中問題が絡んで。早くも戦争好きな連中(高齢者もいる)が動き始めている。御作品は〔今〕まさに進行中の国家主義の台頭に警鐘を促すものでした。だからこそラストはノスタルジーではんく、カタストロフだったと私は推断しました。
武蔵野市/F・Mさん
ムーランの舞台もかくやあらんと思わせる暗転を生かした芝居はこび!!
最終10分、息をのむクライマックス!!
圧倒される総出のフィナーレに堪能いたしました。
最終10分、息をのむクライマックス!!
圧倒される総出のフィナーレに堪能いたしました。
世田谷区/C・Kさん
劇の中味は将に本庄〔宝石箱〕から原石、宝石を取り出して披露して戴いたと約言可能で有りましょう。
劇中の様々なエピソードが各々単一のテーマに展開出来る様な気が致しました。
ア・ラ・カルトで有り万華鏡(カレドスコープ)で有りましょう。
種々のエピソードをまとめ様と試みますと、点描法の名画を見る様です。
劇団の方々の張り詰めた演技に60余才の老人の私も将に〔涕泣眼(まなこ)に荒く、泪、魂を貫く〕状態でした。
力動感と魂の静寂の溢れる舞台でした。
宝塚のレビューのプリマドンナの様なソロの所作は、本庄先生の新趣向でムーランの再生を暗示させる様な〔モンタージュ(未来指向の)〕で有ると思えます。
演者の皆様の巧拙を考課するより皆様の真心(誠)を込めた所作の表出を素直に受け止めて、シンパシー(パトスやパッションを同じくすること、情熱を共有して生きて往くこと)の和音を楽しむべきとも愚考致します。
劇中の様々なエピソードが各々単一のテーマに展開出来る様な気が致しました。
ア・ラ・カルトで有り万華鏡(カレドスコープ)で有りましょう。
種々のエピソードをまとめ様と試みますと、点描法の名画を見る様です。
劇団の方々の張り詰めた演技に60余才の老人の私も将に〔涕泣眼(まなこ)に荒く、泪、魂を貫く〕状態でした。
力動感と魂の静寂の溢れる舞台でした。
宝塚のレビューのプリマドンナの様なソロの所作は、本庄先生の新趣向でムーランの再生を暗示させる様な〔モンタージュ(未来指向の)〕で有ると思えます。
演者の皆様の巧拙を考課するより皆様の真心(誠)を込めた所作の表出を素直に受け止めて、シンパシー(パトスやパッションを同じくすること、情熱を共有して生きて往くこと)の和音を楽しむべきとも愚考致します。
新宿区/T・Kさん
超満員の盛況で、極上の席をいただいて恐縮でした。案内係の人たちはアカデミーの生徒さんですか? キビキビと誠実でほかの劇場とはちがった活気に満ち、若い世代の時代の力がみなぎっていましたね。
臨検席の警官が「弁士中止」とどなるシーンを読んできましたし、映画でみたおぼえがあります。ムーラン・ルージュのような劇場での、あのような〔惨劇〕場面は初めてみました。客席の若い世代があの場面をしっかりうけとめて、なにが「だれもが仲良く暮らす」のを引き裂くか、見抜いてくれた、と私は思います。
「昭和一桁の血が騒ぐ」とムツゴローさんがドスをきかせていますが、私もヒトケタ末期の一員として、ワセダの学生劇団の残党として、「騒ぐ」どころか、鼻から出そうになりました。
かさねて、いい芝居を見せていただいて、心からのお礼のことばまで。
臨検席の警官が「弁士中止」とどなるシーンを読んできましたし、映画でみたおぼえがあります。ムーラン・ルージュのような劇場での、あのような〔惨劇〕場面は初めてみました。客席の若い世代があの場面をしっかりうけとめて、なにが「だれもが仲良く暮らす」のを引き裂くか、見抜いてくれた、と私は思います。
「昭和一桁の血が騒ぐ」とムツゴローさんがドスをきかせていますが、私もヒトケタ末期の一員として、ワセダの学生劇団の残党として、「騒ぐ」どころか、鼻から出そうになりました。
かさねて、いい芝居を見せていただいて、心からのお礼のことばまで。
練馬区/K・Yさん
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直接のご感想、そしてお電話でのご感想、さらにここに転載させて頂いたお手紙による評(省略させて頂きましたが)等、とにかくうれしい反響を沢山頂きました。ありがとう! 素直にうれしいです。
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日本の政界は「タカ派台頭」という。核兵器のある浅慮な「今後の戦争」では、その実行によって世界が壊滅する。ケイちゃんの目 ↓
世界に恒久平和を
人生に夢を花を
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