「社会&芸能・つれづれ愚差」第306回(通算418回)

胡乱座」ということば。

 胡乱座――うろんざ。
 禅宗の法会で、定められた席次を無視して、勝手に席につくこと。
 時代小説を書いていたこともあり、「胡乱」という時代色をまとった熟語は知っていた。
 しかし胡乱座という3文字の意味はまだ知らなかった――。

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 それにしても――。
 胡乱な輩(やから)が多い。
 政治家や官僚(役人)には、「胡乱な臭気」をまとった人物が多い。
 この「臭気」は目では確認できないが、どうにも「不快な臭気」は感知できる。

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 たとえば、「原発再稼動」に関わる件で、「東電」という企業を代表して説明、釈明、弁明する者はすべからくこの 「臭気」をまとっていると感じる。さらに、その同族、同類である関係者たち――。

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 そして現在の政治というフィールドに右往左往する連中のほとんど……に同質・同様のそれ(胡乱な臭気)を感じる。
 ニュース番組のテレビに彼らの顔が映し出されると、その「臭気」が画面から拡散するのダ。

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 「胡散臭い」ということばがある。「面妖な」ということばもある。個人の場合だけでなく、お国柄にも当然それがある。アノ国もコノ国も……まったく!

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 とんでもない嘘っぱちを堂々と押し通す人間がいる。骨のズイまで、心の根っこまで「胡乱な毒素」を沁み込ませているこの輩には「うしろめたさ」のかけらもない。だから、彼らは決して怯んだり、たじろいだりすることはない。恥知らずめが!

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 いちばん悪質な嘘は、いちばん真実らしく偽装した言葉だ。
                      ―― ジイド/フランスの作家


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ケイちゃんの目 ↓

荒れる人心・狂いのある社会
じっと見ておいでになる石仏たち

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— posted by 本庄慧一郎 at 11:39 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第305回(通算417回)

「暴力」ということばとその周辺

 愚鈍な人間は、つねに鉄面皮な暴力をふるう。

―― アメリカの詩人・思想家エマーソン(1803〜1882)


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 暴力――この2字熟語から想起される事象にロクなものはない。
 その象徴的で究極の「暴力装置」は戦時の日本の軍隊だった。

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 このところずっと、創作のベーシックな資料として、あの「十五年戦争」下における軍隊やその組織に取り込まれた個人について調べている。

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 『「50年目の日本陸軍」入門』より引用する。
【私的制裁について】
リンチのメニューはもりだくさん
 激しい訓練を終えて兵舎に戻ってきても、ゆっくり休めるどころか、先述した使役や当番がまわってくる。そうでないものも身の回りの整理整頓は怠ってはならず、靴の手入れや下着の洗濯、銃器の手入れなどで時間が足りなかった。それでも初年兵は、上等兵の分を買ってでもしたのである。
 なぜ、そんなにまで古参兵に気を使ったかというと、なによりも私的制裁(リンチ)を恐れたからである。
 召集前の若者が兵役逃れに腐心したのも、じつは悪名たかきリンチから逃げたかったのだと書かれた資料もある。それほどリンチは恐れられたのだ。
 リンチといっても、ただ殴るだけではない。
たしかにリンチの第一は殴ることだった。「軍隊とは殴るところ」「訓練とは殴られること」といった記述は数多くみられるし、「文字通りの袋叩き、顔といわず頭といわず殴り蹴られ、二等兵の顔は凸凹だった」という記録もある。が、それ以外にも、じつにさまざまの工夫がリンチには凝〈こ〉らされていた。
 殴ることを軍隊ではビンタ(関西ではパッチ)というが、このビンタだけでも単純にバチーンッ! とやるビンタに始まり、整列ビンタ、往復ビンタ、上靴ビンタ(革のスリッパで殴る)、帯革〈たいかく〉ビンタ(革のベルトで殴る)、編上靴の靴底(鋲〈びょう〉がうちつけてある)で殴る、鞭〈むち〉で殴る、ゲンコツで殴る、対抗ビンタ等々があげられる。
 最後の対抗ビンタというのは、兵隊同士に殴らせるやり方である。たとえば2名にリンチを加える場合、並んで立たせておいて、バシッ、バシッと殴るのがふつうだが、対抗ビンタは、二人を互いに向き合わせて交互に殴らせるというやり方である。
 同じ階級の同じ釜のメシを食う仲間だからひどくは殴れない。そんな兵隊の気持ちを知っていながらワザと殴り合わせるわけで、じつに陰険である。さらに、満身の力をこめて殴ってないといって殴る回数をどんどん増やしたりしたそうだ。
 兵隊たちにしてみれば、少々痛くても回数が多くても仲間同士でやるよりは、上官に殴られる方が気が楽だったに違いない。
 とはいえ、スリッパやベルト、靴底で殴られると、真底こたえたという。
 ビンタを始めるとき、まず、
「メガネを外せえ! 歯をくいしばれっ!」
 と号令がかかり、次いでバシッとやられるわけだが、この最初の一発の痛さが、とうてい言葉では表わせないほどだとか。
 二発目からは単に衝撃だけで、痛みを感じないというのだが、最初の一発の痛みで、おそらく麻痺してしまうのだろう。
 それは、そうだろう。スリッパや鋲のうたれた靴底で顔面を殴られるのだ。痛いなんていうものじゃないだろうし、麻痺して当たり前だ。
 口の中も切れて血だらけになり、殴られた拍子に血が泡状になってゴボッとふき出る。その兵隊に、「山本一郎が悪くありました」などと謝罪の言葉をいわせようとするのだ。とうてい言葉にならないが、するとまた一発、ビンタがとんでくるという。
(「50年目の日本陸軍」入門 歴史探検隊・著 1991年 文藝春秋刊 pp.107-109)より

 現在、「軍隊」という組織は存在しないが、「私刑――リンチ」といえる残虐な行為事象は巷間に拡散した。

***

 「核」や「銃器」を前面に押し立てて、治安平和を声高にひけらかす国や政府要人たちのいかがわしさ。
 そして、その反面、一向に鎮静化することのない内戦や内紛にともなう一般市民たちの絶えることのない犠牲と辛苦――。

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 鉄は人間を殺さない。殺すのは人間である。

 その手は、人間の精神に従う。

―― ドイツの詩人ハイネ(1732〜1809)


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ケイちゃんの目 ↓

鉢植えのユズの実を食べにくるヒヨドリ君
カメラでキャッチしにくい野生味の強い鳥です

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— posted by 本庄慧一郎 at 03:42 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第303回(通算415回)

類語新辞典(角川)から「体罰」を引く

 学校とか、その学校のクラブ活動という場で、「体罰」という言葉が当然のように使われている。
 このこと自体が、まず異常ではないか。
 「体罰」という言葉? あくまでも「犯罪者――罪人」に関わるもので、学校教育の場や健全なスポーツに関わる場には一切関係ない。
 新聞、テレビなどのマスコミもこの「体罰」という2文字を当然のように使用しているが、その非常識ぶりはただア然とする!

***

 「体罰」の類語を並べる。
【刑罰】――法律で犯人(犯罪者:筆者注)に加える制裁を意味する用語である。

 罰する/罰/罪する/罪/科する/処する/刑する/刑/刑罰/処罰/罪科/仕置/制裁/成敗/両成敗/処分/仮処分/量刑/実刑/重刑/重罰/酷刑/厳刑/極刑/処刑/服罪/服役/受刑/下獄/刑余/前科/減刑

(刑罰のいろいろ)
 体刑=体の自由を束縛する刑罰。体に苦痛や損傷を与える刑罰。
 体罰=体に苦痛を与える刑罰。
 禁固=一室内に閉じ込めておくこと。
 懲役=刑務所で労役に服させること。
 苦役=懲役または徒刑。
 徒刑=旧刑法で島などに送って労役させた刑。
 流刑=罪人を離島や遠方に追いやった昔の刑罰。
 流罪=罪人を離島や遠方に追いやった昔の刑。
 島流し=罪人を島や遠隔地に送った昔の刑罰。
 配流=島流し。
 遠島=江戸時代、罪人を遠く離れた島へ追いやった刑。
 所払い=江戸時代、居住地から一定期間追放された刑。
 追放=政府が不適格者を公職・教職などから退けること。
 パージ=(公職)追放。《parge》
 死刑=命を絶つ重い刑罰。
 死罪=死刑。書簡や上表文の末尾に用いる語で死に相当する重い罪の意。
 磔=柱などに張り付けて突き刺す刑罰。
 磔刑=はりつけの刑。
 火炙り=罪人を焼き殺す刑罰。
 火刑=火あぶりの刑罰。
 手討ち=武家時代に武士が家来や町人などを切り殺したこと。
 銃刑=銃で射殺する刑罰。銃殺刑。
 絞首刑=首を締めて死なせる死刑の一つ。
 縛り首=武家時代、手を縛り、首を差し出させて切った刑罰。
 首切り=首を切り落とすこと。
 打ち首=斬罪。
 斬罪=罪人の首を切り落とす刑罰。
 斬=打ち首にすること。
 引き廻し=江戸時代罪人を馬に乗せて引き回し、公衆に示した刑。
 晒し首=江戸時代、罪人の首を獄門にさらし民衆に見せた刑罰。
 獄門=昔の刑罰の一つで、断罪になった首を獄舎の門の近くの木などに懸けてさらしたこと。
 私刑=法律によらずに仲間うちで勝手に制裁を加えること。
 リンチ=私的制裁。
 火責め=火を使ってする拷問。
 水責め=顔面に水を浴びせたり無理に水を飲ませたりする拷問。
 拷問=自白などを強要して苦痛を与えること。
(「角川類語新辞典」1981年 大野 晋・著+浜西 正人・著 角川書店刊 pp614-615より)
 



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ケイちゃんの目 ↓

春を待つ

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— posted by 本庄慧一郎 at 11:59 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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