「社会&芸能・つれづれ愚差」第315回(通算427回)

三國連太郎さんのこと

 三國連太郎さんとは、昭和41(1966)年頃にお目にかかっている。
 それまでの放送作家の仕事だけではなんとなく不安で、新しく台頭しはじめた広告ビジネスに強い興味をもった。
 そして、銀座7丁目にあった広告代理店D企画にコピーライターとして入社した。
 内田健太郎というコマーシャルフィルムのディレクターがいた。この内田氏とは、コンビを組んでCF制作に没頭して、仕事量も「受賞作」も量産した。
その当初に、映画デビューしてたちまちスターダムに立った(若き日の)三國連太郎氏に出会った。
内田氏とカメラのペンタックスのCFの企画を考えていて、「007ジェームス・ボンドふうなのを三國さんで――」となり、さっそくご本人を口説いた。三國さん個人と会った。
このことは、東京新聞の連載(2008年2月6〜28日)、『本庄慧一郎/わが街わが友 Link 』の「その11 銀座編」(2月22日付)にも書いた。

【11.銀座】
 銀座にD企画という広告代理店があった。放送作家もやりながら昭和四十年、コピーライターとして入社する。
 内田健太郎さんというディレクターと組んだ。Aカメラ、Bタイヤ、M自動車などメジャャー広告主のCFを手当たり次第手掛ける。カメラのCFで、007 ジェームス・ボンド風の企画として昭和四十一年ころ、三国連太郎さんに出演してもらった。その二枚目ぶりにとことんシビレた。
 直系のCFプロダクションNの社長は砂山利宗さん。黒沢明の「七人の侍」の大迫力の砦(とりで)のシーンのカメラを担当した人で、ずばりと言えば“モダン侠客(きょうかく)”。迫力の人。(略) 
  
(東京新聞 2008年2月22日 TOKYO発『わが街わが友』より)

 最初のミィーテイングの時、彼は「親鸞を主題にした映画を自主制作したいので、協力してくれるスポンサーを探してほしい」と言った。
 そのために、2、3の企業に相談した。(たとえば大手タイヤメーカーのBに話を持ち込んだが、宗教関係はちょっと……ということで三國氏の要望には応じられなかった。)しかし、彼はその後もねばって「親鸞――白い道」を完成させた。
 あの頃の三國連太郎氏は、とにかくカッコよかった。その男ぶりには「凄み」さえあった。
 「アサヒペンタックス/三國連太郎の007」なるCF映像は、手元のフィルムやビデオの中には残っていないのがくやしい。

***

 「戒名もいらない。散骨して誰にも知らせるな。三國連太郎のままいく」と周囲の人に言い残していたとか。

***

 この三國氏とは正反対に、かの渥美清(本名田所康雄)氏は、死に臨んで、「死んでいくのは田所であって渥美清でも、“寅”でもない。絶対に“寅”の墓は作るな」と遺言している。
 新宿区の源慶寺にある墓石は、素っけないくらいにシンプルに徹している。
 「右と左」ほどに、このお二人の意志は異なる――。

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 三國連太郎氏 享年90歳 2013年4月14日逝去。 ご冥福をお祈りします。


島森路子氏(広告ジャーナリスト)のこと

 2013年4月23日、島森路子氏が亡くなられた。
 島森さんは天野祐吉さんとコンビで「広告批評」などをベースに広告ジャーナリストとして活躍なさった。
 三國連太郎氏の項でも書いたが、放送作家としての仕事に飽き足らず、草創期の広告業界(というよりTVCFはまだ手さぐり状態で関係者はみんなまじめで真摯だったね)に参入した。
 いわば、放送作家兼業だった。  前記の広告代理店D企画の内田健太郎ディレクターと「手当たり次第」に仕事をしたが、やがて、広告代理店Hの沼上満雄氏と、これまたアレコレと仕事をした。(SONYカラーテレビ「タコの赤ちゃんシリーズなど)
 エラソーに言うつもりはサラサラないが、その後あれこれ――ラジオCM、コマーシャルソング、TVCF全体の企画・作詞・制作に関わり、延べ150作品以上で、国の内外の賞を受賞した。
 そのなかで、ムキになって、クリエイティブ作業に入れ込んだ作品がある。
 このブログ第287回 Link でも書いたのだが、沼上満雄ディレクターとの「ヤマギワ」のブランドイメージCFだ。
 映像は商品の照明器具のみ。音楽はよくコンビを組んだ作曲家(すばらしいジャズピアニストでもあった)八木正生氏(1933年〜1991年)。
 そして、小生が(強引に)ナレーターとして推挙したのは、劇団民藝のというより、日本の演劇界の重鎮 宇野重吉先輩だった。
 このCFの「批評」を、島森路子さんは「TVのブラウン管から、はじめて『人の声』が聞こえてきた――それは『ヤマギワ』のCFである」と書いて下さった。
 正直、うれしかった。

***

前記の「ヤマギワ」でのナレーションのコピーは――

ヤマギワ 照明器具
『日本のあかり』1974年制作
語り:宇野重吉 音楽:八木正生 コピー:望田市郎(本庄慧一郎) 制作:東京秀映(当時) 代理店:博報堂

夕暮れに
あかりがともる
人々が あかりをともす
さまざまな時をすごした
さまざまな思いが
自分のあかりをめざして 帰りをいそぐ

ほんものの 木や 和紙や 竹になじんだ
あかりのやさしさ
手づくりの あかりは しみじみといい

こころがほぐれ なごむ
笑いさざめいて やすらぐ
夕暮れに あかりがともる

日本のあかり
ヤマギワのあかり

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『沼上満雄の世界』pp32―33より



 宇野重吉さんは島森路子さんとは別にこんなことばを下さった。
 「(略)……『埴生の宿』の歌にありそうな。〔灯ともし頃〕のイメージを、あの詩がまずもっていたんですね。(略)あれを引きうける気持になったのも、詩をまずよませてもらって、これなら気持ちのいい具合にいくんじゃないか、と思ったんですね。(略)」(「戦後CM100選」1997年マドラ出版より)
 もともと、演劇をやりたかった小生としては(やっと演劇回帰への作業を再開した昨今だが)跳びあがるほどうれしいホメことばだった。

***

 音声化される文字・活字・演劇――舞台はもちろん、テレビドラマのせりふもナレーションも、もちろんTVCFのコトバも、いいかげんでは困る。いけない!
 最近のテレビから聞こえてくる声は、どれもこれもラフ(粗雑)で、ノイズにしか聞こえない。とりわけ女性の上ずったアニメ声(妙チキリンなフシをつけて喋る!)の乱用にはひたすら不快感を募らせているがネ。
 演じている者もだけど、制作ディレクターたちの幼稚なセンスにもハラを立てている。

 島森路子氏 享年66歳 2013年4月23日逝去。 ご冥福をお祈りします。



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ケイちゃんの目 ↓

国分寺1万歩ウォーク(その2)

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— posted by 本庄慧一郎 at 02:07 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第314回(通算426回)

肌寒きままの4月後半のメモランダム

●「ミサイル即時発射」をくり返し、挑発と威嚇にこだわる一国のリーダー。
 その世界観・社会観・人生観……どうしようもない精神構造と質の歪みよ。

●「だから憲法改正を」「だから軍隊を」「だからわが国も核武装を」と声を大にして呼応するヤカラがいる。
 核を駆使する戦争に「勝者」は存在しない。世界が地球そのものが死滅するぞ。

●4月13日の「淡路島地震」は震度6弱。マグニチュード6.0。
 さらに17日の三宅島では震度5強。マグニチュード6.2.
 続いて同日午後9時の宮城沖地震は震度5弱。マグニチュード5.8。
 それでなくても南海トラフや富士山や箱根周辺の状況の変化と異状――。

●福島の原発施設の事故の修復もほど遠い現在、アベ内閣は経済活性という「美名」のもとに、大企業や財界や一部投資家たちとの「危ないアワおどり」に腐心している。

●「つながろうフクシマ! さよなら原発」の集団意志行動をリードする作家大江健三郎氏。「――なかったことにはさせない」とアピールしている。
 心ある者たちのアピールを無視する「反動人種」たちの跳りょうを許してはならない。

●折しも、ボストンマラソン開催地における爆弾テロ事件。
 そして、イラン南東部に発生したM7.8の地震。
 人災も天災も、まったく関係がない――でいられるわけがない。

●「3・11」とともに、この季節、やはり「1945・3・10」の「東京大空襲の悲劇」を忘れない。
 B29大型爆撃機334機が約2000トンの爆撃・焼夷弾を搭載してきて、「無差別爆撃」を敢行した。東京の下町といわれた一帯は全焼破壊。死者推定10万人――。

●一夜にして「10万人」の人間が爆死・焼死」、あるいは、炎に追われて運河などに追いやられ水死したのだ。(参考:「昭和二万日の記録」講談社刊 全19巻のうちその7)

●東京新聞4月3日夕刊文化欄の「一首ものがたり」(担当加古陽治氏)を読む。この回で2回目だ。(月1回の掲載予定)歌人岡野弘彦の1945年4月13日。東京城北部部空襲の日の体験がレポートされている。
 その詳述は――
 『サイパンとグアムをた(発)ったB29・352機が東京の北部を中心に1万6000発近い爆弾を投下した。一晩で約十七万戸が焼け、約二千五百人が犠牲になった』とある。

●この4月13日の「東京城北大空襲」の記録は……小生、決してわすれない!

 その記事中の岡野弘彦氏の短歌。

 枕木をかさねし上に
 友のむくろつみあげて
 火を放たんとする

 焼くること
 もっともおそき腹部より
 ふつふつと脂したたりやまず

 すさまじくひと木の桜ふぶくゆえ
 身はひえびえと
 なりて立ちをり

●67年も前の消しようのない「悪夢の余燼」は、いままた野蛮な人間たちの無思慮と蛮行によって再燃しようとしている。

●JR上中里駅近くに戦時中の不発弾1個が土中に埋まっていることが判明した。
 その場所が鉄道線路に近いこともあり、その処理に手こずったという。
 たった1個の不発弾処理でもこのありさまだ。
 「戦争」という「狂気の場」での爆撃がいかに残酷で非人間的なヤバン行為か、「戦争」の実体験のない者には、とうてい理解できないか!?

●尖閣諸島問題では、中国の航空機や船舶などの行動がエスカレートしていて――刻々伝えられる報道に目が離せない。
 にもかかわらず「即時性」をアピールするテレビメディアの……なんともユルイこと。タルイこと。
 たとえば、ニュースワイド番組での「世界平和の危機」と「芸能スポーツ」などのふやけた情報をまぜこぜにしての無神経な構成と、現実から乖離(かいり)したアホなCMで重要テーマを分断する雑ぱくさには、ただ呆れ返るばかりだぜ。


 戦争をやって、いがみ合っている国のリーダーをリングの上にみな引っ張ってくるんだ。
 そしてトランクス1枚の裸で徹底的に(戦いを)やらせるというわけにはいかんかね?
――チャールズ・チャップリン


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ケイちゃんの目 ↓

ココロのザラザラを治す1万歩ウォーク
今回は国分寺「お鷹の道」の疎水を楽しんだ


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**わが家のこでまり**

— posted by 本庄慧一郎 at 11:30 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第313回(通算425回)

こころ寒い2013年の春

 「平和」とは、まっとうで堅固な多くの人々の意思によって構築されている。
 ひるがえって「戦争」とは、しょせん「破壊殺戮ゲーム」にほかならない。

***

 根っから、ゴーマンでキナ臭いヤカラたちの軽挙妄動――暴言・暴走・暴挙によって「戦争」は惹き起こされる。

***

 しかも、過去の戦争における状況と決定的に異なる点は、今度、のっぴきならない非常事態に立ち至れば、必ず「核弾頭ミサイル」が使用されるということだ。
 結果――その応酬によって、地球そのものの命脈が絶たれる。

***

 太平洋戦争が終結して68年。かの朝鮮戦争から60年。
 なんとしても「戦禍」という地獄の濁流に人類を巻き込むような愚挙を許してはならない。巻き込まれてはならない。


最近の新聞切り抜き帳から

『主張が変わる日』 斎藤美奈子
 東日本大震災から二年の十一日、全国紙の社説を読み比べてみた。
 (中略)
 憲法や安全保障問題でも必ず意見が割れる朝日毎日VS読売産経。だけど私は忘れない。3・11前は四紙(日経新聞も入れれば五紙)すべてが原発推進派ないし容認派だった。その伝でいくと、朝日毎日は状況によって意見を変える「付和雷同型」、読売産経は何が起きても主張を変えぬ「頑迷型」ともいえる。
 現在四紙(五紙)が歩調を揃えるのはアベノミクスとTPPだ。朝日毎日はいつか論調を変えるかもしれない。が、それは厄災が生じた後だろう。原発もそうだった。小泉構造改革もそうじゃなかった? (文芸評論家)
【東京新聞2013年3月13日「こちら特報部/本音のコラム」欄より】


『狂気の時代』 山口二郎
 ひどい時代である。東京や大阪の在日コリアンが集住する地区で、排外主義団体が「死ね」などというスローガンを叫んでデモを繰り返している。東京の町田市では、小学校の全新入生に配布している防犯ブザーを、朝鮮学校の児童だけには配らないことを決定した。
 学校のいじめが社会問題だというのに、教育委員会が率先していじめを行うことは、言葉もない。
(中略)
 極め付きは、五日の朝日新聞朝刊に掲載された石原慎太郎氏のインタビューである。この人の最大の不幸は、「軍事国家樹立」を唱える自分が、自身の忌み嫌う北朝鮮の瓜二つであることに気付かない点である。
 石原氏は、いまの憲法のせいで日本は世界から孤立していると言うが、それは自分が世界について無知であることを吐露したようなものである。文明世界では、差別や人種主義を断固として否定しなければ、一人前に扱ってもらえない。憲法を軽蔑し、排外主義をあおっている連中こそが、日本を孤立させる張本人である。(後略) (北海道大教授)
【東京新聞2013年4月7日「こちら特報部/本音のコラム」欄より】


『近隣諸国と軍事衝突する気か』 会社員 野村 衛(千葉県石川市 48)
 石原慎太郎日本維新の会共同代表のインタビュー(5日朝刊)を読んだ。今さら驚くことでもないが、あまりの迷言にいささか辟易した。憲法改正、防衛産業の発展、軍事力を強化する、あろうことか核武装を議論することにまで言及している。
 安倍政権が目指す「国防軍の創設」もまたしかりだが、ではどの国と軍事衝突すると想定しているのだろうか。
(中略)
 周辺諸国との諸問題を戦争では解決できないことは68年前に答えがでている。「今度こそ大丈夫。勝てる」と夢想し、強弁するのは、負け続けているギャンブラーの心理となんら変わらない。平和の陰に戦没者の犠牲と遺族の労苦などがあることを思えば、軍事力しかないと考えるのは、冷静な心を失った誇大妄想でしかないと思う。「暴走老人」と揶揄された石原氏だが、「妄想老人」にも認定したい。社会の公器である新聞を使っての妄言、このあたりでご遠慮いただけないだろうか。
【朝日新聞2013年4月10日「オピニオン/voice声」欄より】


『平和を願うのは非現実的か』 無職 神戸道子(三重県松阪市 83)
 (略)
 戦争を知る者として、日本維新の会が3月末に採択した綱領は見過ごせない。現行憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶」と決めつけているからだ。私は、日本が孤立し、軽蔑されているとは思わない。だが、もしそうだとすれば、その元凶は、侵略戦争を否定し、従軍慰安婦も南京虐殺も否定してきた右派の政治家たちではないか。
 日中関係のこじれも、石原慎太郎氏の尖閣諸島購入計画が端緒だった。国民の多くは国際的な対立をあおる改憲勢力には同調せず、平和憲法の維持を求めている、と私は信ずる。
【朝日新聞2013年4月11日「オピニオン/voice声」欄より】



 以上4人の方の、社会や政治動向を透視する冷徹にして正確な「予知と判断」をぜひ掲載紙でご確認ください。

 それにしても、自国の命運を大きく左右するという正念場での、責任ある為政者たちの浅慮と軽率さは……噫々!

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ケイちゃんの目 ↓

平和だからこそのスナップ写真

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「花びらと道」

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「花びらと鯉」

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「花びらと水鳥」

— posted by 本庄慧一郎 at 02:31 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第312回(通算424回)

アレコレやってきたけど、これからもイロイロやるぞ!という新年度

 いまからざっとン10年ほど前――「ニッポン放送声優教室」の面倒を見ていたことがある。
 そのグループのOB連中で作った劇団の公演で「時代物ミュージカル/馬鹿だね」という作品を公演した。
 そのテーマ曲(の資料)と再会した。
 フィナーレで出演者全員で披露するラップである。
 作詞は本庄慧一郎。作曲は石田勝範氏。(その後、石田さんは映画やテレビドラマの音楽で大活躍する売れっ子作曲家になって、現在、大活躍中!)

***

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時代物ミューミカル「馬鹿だね」主題歌
『ウソとホントはよく似てる』


ホントはこの世のタテ糸だけど
ウソがからんで乱れるばかり

けれどもウソはホントに似てる
ホントもウソになぜだか似てる

ウソつくつもりでホントを言って
ホントを信じてウソを言う

口から口へとウソ花と咲き
ホントは日かげで枯れはてる

ウソでもうけるヤツがいて
ホントを信じて泣く人がいる

信じたウソの涙はにがい
見えないホントはただ冷たくて

身のほど知らず  夢もとめ
一生一度の 旅だから

恋して愛して 迷い道
アテもはずれて ベソかいて

行こうかもどろか わかれ道
星をたよりに 風つれて

それでも何とかがんばって
幸せさがして ひとすじに

色は匂えど 散りぬるを
わが世たれぞ  つねならむ
Uh−
ういのおくやま きょうこえて
あさき夢みし よひもせず
Ah−

ホントはこの世のタテ糸だけど
ウソがからんで乱れるばかり

けれどもウソはホントに似てる
ホントもウソになぜだか似てる

ウソつくつもりでホントを言って
ホントを信じてウソを言う

口から口へとウソ花と咲き
ホントは日かげで枯れはてる

きのうのホントは忘れられ
あしたのウソはチヤホヤされる

ウソにもまれてホントをさがし
ホントをさがして人つかれはて

ホントはこの世のタテ糸だけど
ウソがからんで乱れるばかり

それでも負けないくじけない
それでも負けない生きていく
 ああ やってやろ
 ああ やってやろ
 ああ やってやろ
 ああ 「やってやろ!」

作詞 本庄慧一郎 作曲 石田勝範


***

 まことしやかな「ホント」で巧みに偽装した「ウソ」が跳梁する。
 政治社会などのさまざまな局面で卑怯きわまる「騙し討ち」が横行している。
 しかもその主犯格の者たちにはほとんど「ウソをついている」という自覚さえもない、「人間失格者」が堂々と(?)のさばっているのダ。

***

 「原発の安全神話」も事故後の「収束宣言」も「みんなウソっぱち」だった。
 沖縄の基地問題も、社会福祉の問題も……となると憲法改定のことも、景気対策も、とことん芯から信用できない!

***

 いちばん悪質でイヤらしい嘘は、真実に近い虚言だ。
                        ――アンドレ・ジッド/フランスの作家


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ケイちゃんの目 ↓

50年以上の年月を越えて再会したM・Kさんとの親交
その彼の好意で実現した妙正寺川のしだれ桜見物で

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— posted by 本庄慧一郎 at 11:59 am  

映画『ムーランルージュの青春』上映会とトークゲストのお知らせ。

ムーランルージュ新宿座と本庄慧一郎

たとえば――

 リンゴの花びらが風に散ったよな
 月夜に月夜に〜(略)
せりふ
「お岩木山のてっぺんを 
 綿みてえな白い雲が ポッカリポッカリながれてゆき 
 桃の花が咲き 桜が咲き そっから早咲のリンゴの花ッコが咲く頃が……(略)」

 といえばどなたもご存じの美空ひばりさんの大ヒット曲ですね。昭和27(1952)年/ひばり15歳。
 この歌の作詞家が、本庄慧一郎の叔父の劇作家小沢不二夫でした。
 その小沢は、戦前のムーランルージュ新宿座で活躍した人でした。

***

 ムーランルージュ新宿座は、現在の新宿三越ウラ――甲州街道寄りにあった。開場は昭和6(1931)年12月。
 当時の世の中は不況と戦争という危険なコースを突き進む「不安と苛立ちの時代」――そんな時代のさなかにあって、この劇場(劇団)は多くの人たちに絶大な支持と人気を集めました。
 昭和20(1945)年5月の爆撃で炎上壊滅しましたが、戦後は心ある者たちがなんとか復活させようと努めますが、結局昭和年26(1951年)5月、惜しまれつつも解散します。
 戦前戦後を通じて、明日待子、小柳ナナ子、望月優子、千石規子、三崎千恵子、そして左卜全、有島一郎、由利徹に、さらに日本の映画演劇界の代表的スターだった森繁久弥など、個性ある人たちが巣立ちました。
 
***

 そのムーランルージュ新宿座創立80周年記念として制作された記録映画「ムーランルージュの青春」(公式HP Link )は、時代を超えての「万人の思い出のスーベニール」といえましょう。
 どうぞ、来る4月21日の泉の森会館ホールの上映会をお楽しみに!

 当日は、わたくし本庄慧一郎もトークゲストとして出席して、お話を致します。
 

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詳細は「ムーランルージュの青春」公式HP Link をご覧ください。


昭和13年頃のムーランルージュの舞台

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『能面』 作/小沢不二夫 中央/明日待子 右端/左卜全

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『笛吹川流域』 作/小沢不二夫 右端/明日待子

— posted by 本庄慧一郎 at 03:05 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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