脚本家松木ひろし氏逝去
●松木ひろしさんが亡くなられた。
物書き業の先輩である。
本庄慧一郎としては、演劇、そしてラジオ・テレビ、さらにTVCM制作などのギョーカイとのつきあいは古い。
●しかし、各業界のお仲間たちとは、あまりこまめにおつきあいしなかった。
したがって、ゴルフとかマージャンとか、競馬などのギャンブルは一切やらない。
●松木ひろしさんとは1959年に開局したフジテレビでお会いした。
記事の冒頭に紹介されているフジテレビの番組『ぼうふら紳士』で「本庄一郎」という筆名でホンを書いた。
●社会風俗コメディといったつくりで、メインは三井弘次さん、桂小金治さん、新人の市川和子さん。そして、毎回ゲストを迎えての物語だ。
三井弘次さんは、松竹出身で、黒澤明作品でもおなじみの個性派俳優。
そして、俳優としても売れっこだった桂小金治さん。
この二人が怪しげな「何でも出張サービス業」として、「甘い汁」を求めて出かけるが、結局は「世のため人のため」に働いてしまう――という仕掛けで評判はよかった。
●その番組の担当ディレクターだった松木さんが局を退職して、脚本家専業に転じた。記事でも紹介されているが、とにかく「練達の士」だった。
●フジテレビを退職してからの松木さんには、お目にかかる機会はなかったが、たしか3年ばかり以前、ご自宅にお電話してあれこれお喋りをした。
●本庄慧一郎としては、その後、TVCMの仕事にどっぷりになったこと。さらに、文庫書き下ろし時代小説など、活字業に転進した時期もあって、ごぶさたしてしまった。
●このところ、「同期のサクラ」と思っていたお仲間(たとえば、永六輔さん、大橋巨泉さんなどなど)も他界されて……気づけば、「風の音ばかり」の感がある。
●とりわけ、濃い関わりのあった脚本家松木ひろしさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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●物書き業なんてただただシンドイことばかり――なんていいながら、こちとらまだ飽きずにやっている。
「初志」として抱いていた「演劇――舞台脚本」にいま、あらためてカリカリしながら挑んでいる。
●勝負や秒を争うスポーツ競技などと異なり、創作エネルギーがあれば(それも体力か!)とにかく、「営み」は持続できるのダ!
●それこそ、社会に対して鈍感になったり、めんどう臭がり屋になったら、創作なんてゼロになる。
昨今、「若年性痴呆症」が話題になっているが、もちろん、「ボケこそ天敵!」
●そう! すべてのことに「まっとうなスケベ精神」で挑む作業を続行するゾ。
ケイちゃんの目 ↓
「五丁目の夕日」と雲と水