現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
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宮城まり子さんのこと。
20代の終わりからマスコミの仕事(TVCM制作――企画・制作・コピー)に関わった。
宮城まり子さんはすでにチャーミングな歌手であり、女優であった。その後、マスコミ界を退き、社会的意義のある仕事を始められた。
ぼくは、TVCM制作の仕事に関わり、博報堂のクリエイティブデイレクター沼上満雄氏とSONYのTVCMの仕事(コピー)をあれこれやった。
「小動物シリーズ」の「タコの赤ちゃん」などが、世界中の賞13あまり受賞や「ACC永久保存作品」等に選定された。
この企画の次ぎに「SONYTVCM――科学シリーズ」があった。
その中の「シャボン玉」で、宮城まりこさんの「声――ことば」を熱望した。
TVCMの「ナレーション」は、自分ですべての語り手を指定した。
人間的に軽薄ゴーマンな者に「心ある言葉」は、期待できない。
「テレビタレント」と呼ばれる者には「ハートフルな語り」はムリだ。
「科学シリーズ」の映像は「シャボン玉が、丸くふくらんで、ユラユラ動いて、パチン! と割れるだけ」でまるで素っ気ない。
宮城まり子さんには「がんばる時にはがんばるのね、シャボン玉」の1フレーズをお願いした。温かくてやさしくて、ジーンとすることばが生まれた――このTVCMに「人間のぬくもり」がプラスされて大成功だった。
それにつけても いまどきの「テレビタレント」などには、こういう「表現力」は期待できない!表現者としての努力も、初々しい感性も期待できない。
現今のTVCMは、そのほとんどが「ノイズ」だ。
宮城まり子さんの「意義ある転進とその人生」――。
あらためて、ご冥福を心からお祈り申しあげます。
追悼本『沼上満雄の世界』より。
本庄慧一郎(望田市郎/本庄一郎)
作品コレクションシリーズ
作詞:本庄慧一郎 作曲:なかの やほう
『恋の道』
ゆれてゆれて こころもとない吊り橋は
熱い熱い 想いにかける 恋の橋 恋の橋
他人目(ひとめ) しのんで 二人のひと夜
ああ せめるあなたに まかせた命
春でおぼろで 泣きぼくろ
玉簾の滝 奥湯本
さだめさだめ 恨みますまい 潮の音よ
けれどけれど 泣いてすがった 天城路よ 天城路よ
未練 ひきずり またこの宿に
ああ 乳房はおもい 痛みがつらい
つつじこぶしの 散る宵は
三日月の海 堂ヶ島
岩に岩に 無理にさかれる 水さえも
いつかいつか 流れひとつの 川になる 川になる
手酌の酒は ひと肌だけど
ああ 涙でぬらす 黒髪ひえて
乱れ心を 抱きしめる
千条の滝よ 木賀の宿
あの日の東京都庭園美術館
各書店の余美太伊堂文庫のページへとびます。

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