「社会&芸能・つれづれ愚差」第165回(通算277回)

いまどきオノマトぺ(擬態語・擬音語)
 
●シトシトピッチャン・シトピッチャン
 これはかの「子連れ狼」の主題歌でおなじみのオノマトペのケッ作である。
 父・拝一刀とその子大五郎が数奇な運命を引き摺っての旅をする――その二人の孤影を濡らす冷たいしぐれは人恋い雨。
 コトバを頼りになんとか暮らす小生にとっては、「なるほどなぁ」である。

●シコシコ・セコセコ・ボチボチ・オロオロ
 これらのオノマトペは、小生の生業(なりわい)としての文筆業の日常にもっともふさわしい。
 なにしろ、かつての仕事だったラジオ・テレビの台本や脚本書きの作業にはこのカタカナ語が最もよくその状態を現していた。
 しょせん、ガッポリ・タンマリ・ニタニタ・グフフフ……なんてムカンケイ。
 でも、おのれの性向にピッタシ・カンカンと思い込んで飽くことなく続けている。
 このところ文庫書き下ろし時代小説をベースにあいかわらずシコシコ・コツコツ。そして、電子書籍iPad登場で出版業界はワサワサだけど、なんとなくこちとら、ウキウキ、ソワソワして……。

●グダグダ・しゃーしゃあ・ヌケヌケ・ヨボヨボ
 沖縄の基地問題でのハトヤマさんの失態について、自民党とおエライさんが鬼のクビをとったかのように得意げに糾弾してみせる。
 でもネ、考えてもごらんよ。自分たちが政権の座にいた半世紀余り、ノラリクラリ・ノホホン・ボヤボヤと放置してきたことだろうが。
 やたら物笑いのタネになるばかりのスタンドプレー(見得を切る)のことを俗に〔安物の長兵衛〕といって、ヤボの極致とするのでアル。

●キラキラ・イキイキ・ツヤツヤ
 新鮮な魚を見究めるキーワードが、目がキラキラ澄んでいるコト、姿かたちがしゃっきりツヤツヤしていること。そしてふんいき全体がイキイキしていること。
 そういえば――ソーリ大臣とか政治家たちに新鮮な魚を想起させる者って、まるで居ないねぇ!

●チンチンポンポン・チンチンポンポン
 広告制作、コピーライター時代、さんざんお世話になった作曲家桜井順さんの本「オノマトピア/ 擬音語大国にっぽん考」(電通1986年刊)は実にオモシロイ。
 チンチン電車、鉄びんの湯のフットーする音のチンチン。犬のアクションのチンチンなどの例があるが、〔オ〕をつけると男のソレのことだよネ。
 小生がとりあえず訳詞というコトになっているレコード「チンチンポンポン」(キングレコード1976年)は当時シングルヒット賞をもらった。
 最近、DJ・ピストン西沢氏によってカバーされ、巷で話題になっているというウワサをよく耳にする。
 このチンチンポンポンとはイタリアの汽車ポッポの歌だった。
 その歌をかわいいかわいい幼い兄ちゃんと妹ちゃんが一緒にお風呂に入ってる歌に、小生がトンデモナイ〔意訳〕をした。
 この歌詞の「チンチン」に〔オ〕の字はついていません。念のため。

●モソモソ・ワサワサ・セッセ
 原則として週替り――よほどの事情が発生しない限りこのルールを守っているHP「本庄慧一郎のつれづれ愚差」は、すでにこの回で通算277回。ご愛読下さっている皆さんに感謝しています。
 それもこれも、娘や息子やワイフなどの家族ぐるみの〔零細家内工場〕あってのコトでゴザイマス。
 そして今回、「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)についても、親愛なる先輩やお仲間に近況ご報告と出版物のご案内DMを発送しました。
 たちまち、お手紙、おハガキ、そして電話とたくさんのご返事がいま殺到しています。素直にドキドキ・ワクワク・ソワソワしています。
 ありがとうございます。皆様。心から――謝々です。

P.S――新刊のご案内

 「口入れ屋新八江戸暦 風の迷い道 Link 」(廣済堂文庫/2010年7月1日発行)が発売されます。
 今月、6月18日頃から書店店頭でも販売されます。

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        ケイちゃんの目 ↓

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       狭山不動尊の水子供養の地蔵さんたち

— posted by 本庄慧一郎 at 01:29 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第164回(通算276回)

本庄慧一郎2010年風待月・6月の言葉拾い

●金持ちと立派な地位にある役人で、エゴイストでない者はいない。

――ロシアの作家/トルストイ

ハトヤマさん・オザワさん……そしてただしつこくどん欲な天下りと名の付く公金ドロボーたちの跳りょう。



●煮え湯がたちまちタマゴを固くするように、余分な富はその持ち主の心をかたくなにする。

――イギリスの作家/ベルネット

絶対にあの世には持っていけない金を、恥も誇りも外聞もかなぐり捨てて掻き集めるヤカラが後を絶たない。いつも思う。そんなヤカラの家族たちは何を考えているのだとね。



●善人は二人しかいない――ひとりはすでに死んでいる人で、もうひとりはまだ生まれていない人。

――中国の諺言

こちとら、それこそ立派な善人にはなれるシロモノではないが、さりとてテッテイした悪人にもなれないありふれたハンパ者でござんす!



●天才とは、強烈なる忍耐者である。 
――ロシアの作家/トルストイ


劇作家三好十郎氏(1902年〜1958年)を師としてして仰いできた。
2010年6月22日〜7月4日に劇団民藝が三好十郎作「峯の雪」を上演する。即、チケットを求めた。
三好十郎氏は天才であると同時に努力の人であった。
「三好十郎の仕事」(學藝書林全四巻の第三巻)「峯の雪」を読む。
それにつけても当方、気が小さく忍耐力に乏しく、どうにも腰が据わらない。
でも、三好十郎氏の世田谷赤堤の仕事場で原稿執筆のお手伝いをさせてもらって(つまり、じかに三好氏の謦咳―けいがい―に接して)その効力のおかげでなんとか物書き業を続けてこられたと思っている。

この6月2日発行の拙著「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)には、その畏敬する三好十郎氏とのスナップ写真を載せてもらった。
もう一枚、箱根仙石原に旅行した際、小生が撮った三好十郎氏おひとりのスナップ写真がある。本庄慧一郎のおタカラである。



才能とは静けさの中で創造され、性格は世の激流の中で鍛えられる。

――ドイツの詩人・作家/ゲーテ


ああ……はて……さて、ウーン。   本庄慧一郎

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          ケイちゃんの目 ↓

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          まんまるの 顔のお方の まるい墓
      マンガ家 滝田ゆうさん(1932年〜1990年)

— posted by 本庄慧一郎 at 01:22 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第163回(通算275回)

しんじゅく・新宿・SHINJUKU

 考えてみたら――かつての仕事(放送作家・コピーライター・広告制作者など)の関係で、銀座・表参道・六本木・赤坂・新宿……それに高円寺などのオフィスや仕事場を通じてこれらの街と深く関わったことがある。
 東京生まれの東京育ちである。幼い時には父親に連れられて浅草・上野などの下町にもどっぷりなじんだ。



 それで現在は――文庫書き下ろしという時代小説の執筆が日常化しているので、「復元江戸情報地図」(朝日新聞社刊/アート・ディレクション中川惠司)という資料と首っ引きで、毎日、〔江戸〕の町をインナートリップしている。
 この江戸地図は「江戸・東京重ね地図」というカタチになっているから現在の東京とも比較できて、文句なしの勉強になる。



 それに雑誌「東京人」で「とうきょう・ろまんちっ句」という企画(プレゼン→フォト・五七五・ショートエッセイで構成)を担当(1987年〜1991年)させて頂いて、せっせとン百ケ所の街をカメラを持って馳けずり回った。
 もうひとつ、それでなくとも街歩きが大好き人間だから、とにかくヒマをみてはあちこちの街を歩き回った。



 そして、新宿――。
 それまで、まるで手を染めようと思っていなかった〔小説〕という表現形態に取り組んだのは1990年。
 「赤い風車劇場の人々/新宿かげろう譚」(影書房・1992年月刊)影書房の松本昌次さんの寛容なご配慮で、本になった。
 本名の望田市郎での〔処女作〕である。
 戦前、ムーランルージュ新宿座として学生やインテリ層にアピールした小劇場(小劇団)があった。
 叔父・小沢不二夫が文芸部で叔母市川(後に小沢)弥生が踊り子で女優だった。小説「赤い風車劇場の人々」はそれをモデルに書いたのだ。



 またまた新宿――。
 徳間書店の「問題小説」にせっせと時代小説の短編をかかせてもらっている時期があった。
編集の担当者は岩渕徹氏(現・徳間書店代表取締役社長)。
 氏の巧みなおだてにのせられて、いろいろ腕試しをさせて頂いた。
 やがて、長編を書いたらという助言があって、本庄慧一郎という筆名でなんとか書きまとめたのが 「内藤新宿 殺め暦」「内藤新宿 血の花暦」「内藤新宿 闇の血祭り」のシリーズ(廣済堂文庫&学研M文庫)。
 この記念すべき(!)文庫の素材も新宿だったのでアル。



 さらにまた新宿――。
 そして今回、「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)が上梓された。
 内容はフィクションではないが、それだけにスペース(B5判160頁)がゆるす限り〔新宿〕にこだわって書いた。
 スタッフの皆さんにもお手数をかけたが、原稿をお渡ししてほぼ1年を要した。
 このノンフィクション物の前作「幻のB級! 大都映画がゆく」(集英社新書2009年1月刊)同様、フィクションとは異なる著作本として、〔本庄慧一郎の道標〕としても忘れられない1冊になりそうだ。


 いま、出版業界……というより、すでに社会現象化していると言っていい電子ブックの話題が沸騰している。
 その2010年6月の本屋さんの店頭に並ぶ拙著――どうぞ皆さんぜひ手にとって頁をくって下さいますようお願い申しあげます。



 「われわれが追い出されずにすむ唯一の楽園――それは快い思い出である」

                          ドイツの作家――ジャン・パウル

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        ケイちゃんの目 ↓

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  客室571室の新宿プリンスホテル

— posted by 本庄慧一郎 at 01:21 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第162回(通算274回)

本庄慧一郎HPに訪問して下さる皆様へ

小生のこの「週替りエッセイ/社会&芸能つれづれ愚差」を愛読して下さっている親愛なる皆様、お元気のことと存じます。
当方はあいかわらず、コツコツとセコセコとつましく文筆業で生き永らえております。
ベースになっている文庫書き下ろし時代小説もこまめに書き続けており、心うれしいファンの方の声援はいまの小生のバネになっています。
そして、平行して書き進めているノンフィクション路線――2009年1月刊の「幻のB級!大都映画がゆく」(集英社新書)でも多くの皆様からのご好評をいただき、大きな励みになりました。
というわけで、今回は東京新聞出版部さんにチャンスを与えてもらい「新宿今昔ものがたり/文化芸能の三百年 Link 」(6月2日発行)を上梓するはこびになりました。

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東京新聞出版部刊 B5版/160頁 2010年6月2日発行

週刊誌と同サイズ版で160頁。写真・図版満載という体裁です。
すでに数十冊を超える小生の出版物の中では初めて――というユニークな企画であり、盛り沢山の内容です。
元禄12年(1699年)の〔内藤新宿開設〕から2008年12月の〔コマ劇場閉鎖〕までの歴史をタテ糸に、第二次大戦前と、その敗戦後の闇市や歌舞伎町誕生秘話、さらに歌声喫茶やフォークゲリラ騒乱……などなど、社会&芸能のエポックをヨコ糸にしての構成です。

かつて雑誌「東京人」の立案者で編集長の粕谷一希氏(現在、評論家)のご力添えで同誌の1987年〜1991年にわたる5年間、五七五とフォトという構成の「とうきょうヒッチはい句」の仕事をさせていただきました。(のちに冬青社「東京ろまんちっ句」として単行本化されました)
そのありがたい経験をスプリングボードに、時代小説を書き初めましたが、同時に東京のさまざまな街と大きく関わった経験から「街と社会&芸能史」への興味と関心が強力にプッシュされました。今回の「新宿今昔ものがたり/文化芸能の三百年」も本庄慧一郎にとっての貴重な産物といえそうです。

謹んで諸兄姉のご高覧をここにお願いして、ご批評・ご感想などをお寄せ下さればと願うものです。

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        ケイちゃんの目 ↓

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            歌手・尾崎 豊の墓所
墓碑のことば 生きること。それは日々を告白してゆくことだろう
                             −放熱への証ー

— posted by 本庄慧一郎 at 01:53 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第161回(通算273回)

 池袋祥雲寺「リンゴ追分」の碑

 小生の亡き母の実家〔小澤家〕の菩提寺は池袋の祥雲寺である。
 母の実弟は小澤不二夫である。
 劇作家・放送脚本家として活躍した小生の物書きの師であった。
 しかし、54歳という「これから――」の時に早逝した。
 戦前のムーランルージュ新宿の出身で多様な仕事をした。
 その一つに、美空ひばりの「リンゴ追分」の作詞がある。
 もちろん、この歌のベースになったラジオドラマ(TBS)や映画の「リンゴ園の少女」の脚本やシナリオも書いている。

 その美空ひばりについてはあれこれ書いてきたが、先年、集英社新書「幻のB級!大都映画がゆく」(2009年1月刊)を出版し、「日本映画史のブラックホールを埋めた」といったうれしい評をたくさん頂戴した。
 その中で、「戦前のこの大都映画には美空ひばりという女優がいた」という検証ルポも書いた。

 「戦前の大都映画の美空ひばり」の出演作品はそう多くはないが、その作品を監督した大伴竜三もまた、小生の叔父貴であったのだ。(具体的には小生の母の妹の主人――本名小島武夫)
 歌手美空ひばりの芸名由来については、多くの有識者(?)がマジメにルポしていたが……戦前と戦後の両美空ひばりに直接関わった縁者(叔父ふたり)が存在したことは、エピソードとしてどこかに書き記しておきたかった。

 この件に関してもさまざまな反響があったが、中にはトンチンカンな早トチリの文章もあったりして失笑した。(作家西木正明氏の著書「一場の夢〜二人の「ひばり」と三代目の昭和」などを拙著で引用したが、ある評者はもっともらしく「小澤不二夫は西木正明の叔父であった」などとトンデモナイことを活字にしていた)

 昨日(平成22年5月13日)小澤不二夫長男公平氏と長女有美さんをはじめ内輪の親族だけで小澤弥生(不二夫の妻)の三回忌法要が池袋祥雲寺であった。
 叔母小澤(旧姓市川)弥生はムーランルージュ新宿座のチャーミングな踊り子(女優)でもあった。〔同窓生〕である、あの望月優子、千石規子、そして明日待子といった日本の大衆芸能史にのこる魅力ある人たちのことをこの5月末に出版される「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年」(東京新聞出版部刊)にも書いた。そして16歳のカワイイ市川弥生の顔写真を入れた。

 このところ文庫書き下ろし時代小説を書き続けているが、「幻のB級!大都映画がゆく」とこの「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年」などは、どうしても書きたかったテーマの「社会芸能史」である。
 今後は「歌舞伎座・銀座物語」とか「日劇・有楽町物語」とかはたまた「国際劇場・浅草物語」なども具体化したいと意欲している。

 たまたま、現在執筆追い込みの文庫書き下ろしでは、主人公のはぐれ同心七之介が、江戸城大奥の理不尽(とんでもないセクハラ?)に反抗して逃亡した若い娘を守るために、この池袋祥雲寺のある辺りを通る――なんてことを書いているのでアル。乞うご期待!

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        ケイちゃんの目 ↓

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  小澤家墓地の「リンゴ追分」の碑

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   池袋祥雲寺門前の「ふくろう」

— posted by 本庄慧一郎 at 11:47 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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