愛読している東京新聞に〔サンデー版〕がある。
その保存していた08年11月2日の「集落が消えてゆく」を再読した。
「限界集落」というコトバがある。つまり、人々が古くから暮らしてきた自然豊かな村落や里山がいま、急速に荒廃し、消滅しているというデータが詳報されている。
たとえば「過去7年間で191ケ所が消滅した」とあり、「今後2643ヶ所の集落が消える?」とも書かれている。
この哀しく腹立たしい現象は、議論の余地なく政治の責任である。
人口・世帯数が急減する。若者らが出てゆき、残された者たちの高齢化がすすむ。
田も畑も、そして海浜なども荒れるままに放置されて……。この特集記事にはさまざまな問題点が報告されていて、暗然とせざるを得ない。
自然豊かな里山が日々に荒廃してゆく。
庶民の暮らしも不安と苛立ちに揺れている。
若者や老人たちも、いや、多くの市民が不満を募らせている。
〔限界〕なのは里山だけではない!
原稿書きに疲れると、アテのないぶらり歩きに出かける。
本屋、とりわけ古書店のある街が好きだから、あまり銀座とか青山・六本木などには出ない。
もちろん、芝居などを観る時は例外だが。
それと、気まぐれでバスや電車に乗る。アテも目的もなしにだ。
たとえば西武線にひょいと乗り、西武秩父や川越などに行く。
つい先日もワイフと「行きあたりバッタリ」でなぜか西武池袋線秋津でJR武蔵野線に乗り換え南浦和まで出かけた。
あえていえば「川が見たくて」である。
西武秩父(乗車賃650円)の場合は、わざと各駅停車を利用する。
飯能から先は、窓に寄り、畑や雑木の丘や山や、いくつもの谷川を眺める。
昨年、晩秋の頃だった。農家の庭先のびっくりするような大量の実をつけた柿の木の美しさに「へえ!」とつい声をあげた。
紅葉する森や林の微妙な色のバラエティもすばらしい。
ときおり、輝くように鮮やかな黄色の銀杏の木があって、その自然色の美しさに熱いため息が出る。
それと、きらめき流れるいく筋もの谷川の景観。
文句のないこころ和む時がそこにある。(安いモンだ!)
オバハンたちの群れを敬遠する
ところで、こんなコースにもとんでもない〔騒音〕に悩まされる。
というのは3、4人のグループのオバハンたちとニア・ミスすると、あたりはばからずの彼女たちのお喋りにヘキエキさせられるのダ。
あの切れ目なしのお喋りのスゴイこと。
里山ののどかな景観も、谷川のせせらぎも、自然のなごやかなたたずまいもまったく眼中にない。
シャベル、しゃべる、喋る。誰かさんのうわさ。家族にかかわる不満や文句たらたら。そしてからだや病気のこと。食べ物のあれこれ、そして、モモヒキや パンティのことなどなど……トーク・マシンだね。
たぶん、日常の生活の中では、誰にも相手にされないカワイソーな女なんだろう、とあきらめる。
いや、さっさと座席を変えてホッとするのもつかの間、新たなオバハン・グループがどかどかと乗り込んできて……まったくもう!
トークのプロであるはずの女性たち
ぼんやり、テレビを眺めていたら、元アナウンサーとかの木佐ナントカか柴田ナントカ、タレントの松井ナントカといった三人の女性がお喋りしていた。スーパー文字では、三人が三人ともプロ野球選手と結婚しているらしい。
とりとめもない日常のあれこれを語っているのだが、その話しぶりのだらしないこと……。がっくりしたねぇ。
そういえば、イチロー選手の奥さんになった元TBSのアナウンサー福島弓子さんとラジオの生放送を1年間ご一緒したけれど、あのヒトはあまりしゃしゃり出てペラペラ喋ったりしないね。
やっぱり、いい奥さんやってるんですよね。
それにしても、いまのラジオ・テレビの女性アナウンサー、どれもこれもヒドイ。彼女たちもオバハンになると、ぶっこわれたトーク・マシンのようになるんだろうね。
〔限界集落〕のことも気になるが、ケイタイ電話に1日3時間もかじりついている人種がいるなんて……世に〔限界人種〕がはびこる昨今です!
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