「永遠の処女――原節子」
●そういえば――
去る9月5日、映画女優原節子さんが、95歳で亡くなられたが。
数多くの名作といわれる映画に出演した文字通りの大スターだった。
●そういえば――
その死を悼むさまざまな記事の中に「原節子というと当然のように『永遠の処女』というフレーズが付くが、これは封建時代の半分腐った概念を頭にこびりつかせたジジイの時代錯誤のフレーズだ」という文章があった。なぜかしっかり記憶にきざまれている。
●そういえば――
たしかに、ひとくちに「映画女優」といっても、近頃では「え?」とか「これが?」なんてシラケるのがいっぱいいるもんね。
ちっとばかし顔やプロポーションがマシだからって、どうやら「中味」が……というのがねぇ。
●そういえば――
この際やっぱり「永遠の処女」なんてフレーズはカットして、「芸能界に希有な人間的・女性的クオリティのおひとだった」にしようか。(え? それじゃツマラネェ?)――そうかもね。
●そういえば――
「映画女優原節子」の魅力を培っていた自主性・プライド・神秘性といったものは、近頃の「女優」には、ほとんど皆無に等しいようだ。
●そういえば――
テレビというメディアのせいかどうか知らないけど、映画女優(とはいわず、最近はただ俳優と称するらしいけど)は、たちまち「出がらしのお茶っぱ」みたいになってしまうお方が多いからねぇ。
●そういえば――
「永遠」という二文字のつくタイトルのモノ(小説や映画のタイトルなど)どうもあまり、頭から信用できないのが多いと思っている!
●それにしても――
テレビのブラウン管に「顔」をさらすゲーノー人って、例外なく「羞恥心」というモノをないがしろにしてるように思えるネ。
有名人のプライバシーを暴くテレビという「現代のハイエナ」というべきケモノにまんまんと餌食にされて、自分の、また家族などにかかわるような醜聞をペラペラと喋る。それは手におえない無神経さ……というしかないねェ。
そう、人間の生活の基本になっている「衣・食・住」などを当たり前のように公開する。
たとえば(以前にも書いたが)ある女性タレントが、自分の寝室のベッドまで公開している。(まるでそれは趣味のわるいラブホテルのソレのようだった)
●それにしても――
例外といえる人たちもいることはいる。
たとえば、山口百恵・ちあきなおみ・西田佐知子……佐良直美……とかの女性たち。
ゲーノー世界にかじり付いていた者が、やがて人気凋落して見向きもされなくなにると「スキャンダル暴露番組」でもホイホイと出演するのだね。
●それにしても――
1989年10月〜1990年9月までの1年間、ナマ放送のラジオ番組『好奇心の大統領』(TBSラジオ)という、大学を卒業して実社会に出る若者たちと、求人企業側スタッフの討論番組で制作を担当した。その番組の司会をキャスターとコンビでつとめたTBSアナウンサー福島(当時)弓子さんは、その後、野球選手のイチロー君と結婚した。
弓子さんは、以来、顔も姿もマスコミにさらすことは少ない。
弓子さんは、明るくて品性があり、ほんとうに素敵なレディでした。(テレビ界には、アナウンサー出身の方も多いけど、どうもねぇ――という方ばかりでねぇ)
●それにしても――
悲しいねぇ。哀れだねぇ。
仕方なくとか、やむを得ずなんてことに関係なく、自ら「恥を晒して、なおかつ得意になっている」というものが、ワサワサ存在している。それがまた「テレビのエンターテインメント番組」ということになっている。ナサケないなぁ。
ケイちゃんの目 ↓
実益と趣味の古書店めぐり