「社会&芸能・つれづれ愚差」第27回(通算137回)

派閥領袖の登用でバランス?
 福田対麻生というカラ騒ぎは、アレは何なのだ?
 ぼくにとってはまるで関係のないヤカラたちの勝手なお祭りのはしゃぎぶりは、ただひたすら腹立たしいだけだった。
 しかも粗製乱造の内閣づくりのプロセスと質には、国民不在、民意無関係の裏取引だけが横行して、不愉快きわまる。
 当然のように「◯◯派」とか「××会」といった用語が飛び交う。
 それは、表立った「切った張った」はないものの、権力ポストや裏金を思わせるヤクザの勢力争いを文句なしに想起させて、これも不快・不明朗に極まる。
 だいたい派閥争いなどというものは、ヤクザの勢力抗争とその手法と目的は同じようなものだ。
 そう、「領袖――りょうしゅう」という言葉の意味は、ほんらい「集団を率いる良い手本になる人」だが、これはまったくアテにならないね。
 政務調査費などという公金(税金)をせっせと私物化する卑劣な行為に明け暮れているようなどうしようもないのがあいかわらずしれっとした顔でまじっているはずだ。

ホンモノの任侠の男のど迫力! 河合徳三郎
 いま、時代小説執筆の合い間に、「実録物」を書くことになっている。
 昨年末、テアトルエコーで上演して好評を頂いた「大都映画」――その創始者の河合徳三郎を芯に据えて、ユニークで刮目・驚嘆する彼の個性ある人生と事業を書く。
 エコーの舞台の河合徳三郎(熊倉一雄が演じた)は、なにしろユーモラスで、人情味あふれる人物だったが――。

 この夏の残暑は、愚かしい政治屋たちの不行跡をさらに煽るように不快だったが、その間、河合徳三郎についての取材に専心した。
 まず、河合徳三郎氏のお孫さんにあたる高橋理恵さん(つまり、大都映画のスター女優だった三城輝子さんの娘さん)のインタビューをはじめ、国会図書館・大宅壮一文庫・早稲田演劇博物館、さらに忠臣蔵四十七士の泉岳寺などを駆けずり回った。
 たとえば「ヤクザ血の抗争史」などの実録物の記述に堂々と登場する本格派(!)河合徳三郎だが、その全体像やディティールはそれほど詳しく書かれていない。
 時の政治家集団の「院外団」を組織したり、みずから東京府会議員を勤めるとか、かと思えば貧しい人たちのための慈善病院を建てたり、労使協調をテーマとした社会労働大学を設立する。
 さらに民権新聞を発行し、毎日三百人分の炊き出しを実施したり……と、その活動範囲と実行力は凄いの一言に尽きる。
 いや、泉岳寺の取材では、寺の境内に見上げるような「大石良雄像」が建立されていたが、これも河合徳三郎が「私財を投じて」のうえでの「建立発頭人」としての名を石碑に残している。

河合徳三郎はヤクザの頭目であったが任侠の人だった
 小生はいま文庫書き下ろしの時代小説を書いているが、すでに文筆業も半世紀――。
 このHPにも何度か書いたが、ラジオ・テレビの放送作家からスタート、TVコマーシャルの企画・制作・コピーを経て(イヤになって)いまは小説と、そして舞台脚本をめざす毎日。
 考えてみれば、この物書き体質は叔父たちが4人も在籍していたかの「大都映画」に原点があるのだ。
 現在執筆中の「実録大都映画」は本庄慧一郎の物書きとしての「ふるさと確認」にもなるだろう。
 ――幼い頃、さんざん遊びにいった大都映画撮影所だったが、劇作・演出の才人でスターだった松山祟三郎(小崎政房)とはじかに接しているし、奥さんの久野あかねにも会っている。
 売れっこ監督の大伴竜三は叔父で可愛がってもらっていたので、辣腕石山稔監督にもお年玉をもらったり「子役になれ」などとも言われた。
 加えて、大都映画から新宿ムーランルージュを経て活躍した叔父で師匠の小沢不二夫は、美空ひばりの「リンゴ追分」の作詞をしていて……。
 たぶん――いま考えれば、あの河合徳三郎ともリアルタイムで邂逅しているはずなのだ!

任侠のココロのないヤカラたちの跳りょう
 さんざん公金を食い荒らしておいて、カネが足らないとほざく政治家どもよ。
 来年08年4月から(いつのまにか実施することになっていた!)「後期高齢者医療制度」では75歳以上の者の医療費の実質負担が全国平均で約7万5千円。
 東京広域試算とやらによると年間15万の負担増になるとも。それも年金天引きだと。
 昨年、アベ内閣の「横暴多数決」で決定されたのですよ、皆さん。
 福田新内閣の舛添厚労相は、今回この「悪法」をとりあえず「凍結する」と発表したが――。
 それにしても、日本国の選挙民って、ほんとうにお人好しばかりだねぇ。
 自分のクビを自分で締めるようなコトを平気でやるヤカラが多い。まったく困ったもんだ。
 ちなみに「任侠」とは「弱きを助け、強気をくじく気性に富むこと。またそういう性格の人」です。
 「キャラが立って居る」なんて言葉を並べて得意になっている人をチヤホヤする若者もとにかくヘンチクリンである。



追伸
 うつろな言葉でうそぶいてきて、ひょいと辞任したソーリ大臣。
 公金横領の嫌疑にだんまりで通した閣僚。
 たんなる暴力でしかない行為を正当化する「国技」の実態。
 また、兇悪な殺人犯としか思えない男を「集団弁護」する男たちの一人が、記者会見でなにはともあれベロベロと泣くというテイタラク!
 カンマ以下の人間たちの跳りょう!

— posted by 本庄慧一郎 at 01:10 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第26回(通算136回)

昭和初期の日本映画の猛者・河合徳三郎!
 このところ十年ほど、「文庫書き下ろし」と名付けられた時代小説を書いている。
 その合い間に念願の舞台のオリジナル脚本(「大都映画撮影所物語」――テアトルエコー公演)を書き、好評をいただいた。
 その大都映画のことを「実録」として書いたらという注文があり、社長であった河合徳三郎氏のことをずっと調べてきた。
 河合徳三郎氏についての資料は少ない。
 子孫の方々にもお会いしてあれこれお話を聞いている。
 この河合徳三郎氏は、大正から昭和初期にかけて、……つまり、独自の個性と驚異的な制作パワーで、サイレント映画からトーキーへの日本映画の発展期に一時代を画した大都映画を精力的に牽引するのだ。なにしろこの男の人物像がとにかくおもしろい。

土建業を生業とし、博徒として名を馳せ、任侠道を貫いた男!
 まず、右翼の大物の頭山満をすえて大日本国粋会という結社創立に尽力するが、その後、脱退して大和民労会という団体を組織する。
 その最盛期の構成員は三十万と号した――というデータがある。
 任侠――強きをくじき、弱きを助けるという彼のコンセプトは、大正10(1921)年代には労働社会大学を、無産階級の医療のための慈善病院などでしっかりと具現化されている。
 さらに東京府会議員をつとめ、民権新聞社主としての活動もしているというデータ(「ヤクザ・流血の抗争史」洋泉社)もある。
 さらに「義侠ヤクザ伝/藤田卯一郎」(山本重樹)や「ヤクザの死に様/伝説に残る43人」(同――いずれも幻冬社アウトロー文庫)にも河合徳三郎は登場するが、ただのヤクザ者ではないようだ。
 河合徳三郎の子孫の方に聞いた話では、当時の自宅に近い鴬谷(現在のJR鴬谷駅)では、ほとんど毎日のように食うや食わずの貧しい者たちに炊き出しをていたとか――。
 加えて、現在のJR鴬谷駅前の線路を渡る陸橋の建造に尽力をし、また四十七士の泉岳寺の山門わきの堂々たる大石良雄像建立の発起人代表としてその名を残している――。
 しかも、その後の河合徳三郎は、最盛期の昭和10年代のはじめには年間100〜110作品を制作する大都映画を率いて(つまり制作プロデューサーとして)大活躍するのである。
 エネルギッシュで多様な河合徳三郎の人物像はきわめて魅力的で興趣はつきない。
 この「河合徳三郎の大都映画」に、なんと小生の叔父たちが4人もかかわっていた。
 この秋はこの「実録大都映画」の執筆に集中する。
 乞う、ご期待!である。



 前出の「ヤクザの死に様」の一節に、著者山平重樹氏はこう記している。
「政治家と浪人と任侠の道に生きる者は、死後財産が残っているようでは本物ではないと言われたものです。こんな話は今の政治家には通用しませんが、小生は、いわゆる浪人と任侠の道に生きる人々だけはそうあって欲しいと思っているのです」

 強きをくじき、弱きを助けるココロを忘れて、ただ暴力と利権に狂奔する連中と、「格差はあたりまえ」などとうそぶきつつ、○○派、××派と、公然と勢力争いに血まなこの政治屋(!)のうろつく昨今に、あらためてうんざりしますなあ。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:23 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第25回(通算135回)

まるで関係のない者たちのカンカン踊り
 小生のこのHPのタイトルの「つれづれ愚差」はあらためて申しあげるまでもなく、吉田兼好なるお方の「徒然草」の下手なモジリである。
 もともと「つれづれ」とは、「手持ちぶさたで空虚な感じ」とか、「ひとり物思いに沈み、しんみりとするさま」などの意味だが、小生のモジリは「草――愚差」としている。
 この「愚差」は、おのれの勝手な「もの思いのこと」と言っているつもりだ。
 マスコミの仕事(ラジオ・テレビ番組・テレビCM、その他モロモロ)を生業としていた時代の数少ない(当時の多くの者たちとは絶縁した)友人が「よくまあ元気に怒っていますねぇ」と感心をし、なかば呆れていた。
 まったく、指摘されたとおりだと思っていますが……。
 それにしても、アベ・ソーリ大臣の言動と身の処し方……なんだコリャ……ですよね。
 もともと、あのヒトも、その前のコイズミ氏とやらも、小生にとっては「選んでいない。納得していない。認めていない」というお方だった。
 もちろん、今回のアベさんにも「さもありなん!」という感想である。
 勝手きわまる思い込みの考えや政策の強引な押しつけと、それらの国会審議段階での「強行採決」など、就任当時から「狂い」は歴然としていた。
 小生は「このヒト違う!」とソッポを向いてきた。その「愚差」について、このHPにもウダウダ書いてきた。(シツコイのだ)
 彼の「美しい国」にかかわるメッセージなど、ナンセンスな空念仏には初手(はな)からウンザリしてましたよ。

後継者選びドタバタ劇(9月14日現在)
 「国民不在」の四文字は当然のような政治劣化は、アベの後継者選びにも表徴化されている。
 つねに添付されているのは、自民党内の派閥とやらの人数表である。
 このところ、ガラにもなく、いや、執筆する仕事の資料として、「義侠ヤクザ伝・藤田卯一郎」(山本重樹)や「ヤクザ・流血の抗争史」(洋泉社)「盛り場の顔役たち」(宝島社)。それに「日本侠客百選」やら「游侠奇談」(子母沢寛)などなど新旧の関係書を渉漁している。
 というのも、昨年、テアトルエコーに書いた「大都映画撮影所物語」の主人公の河合徳三郎氏(大都映画の社長であり、その世界(!)でも屈指の有名人だった)についての「実録もの」の執筆依頼があるからだ。
 彼、河合徳三郎氏の映画製作者としての力量は凄いの一語につきるが、同時に彼はさまざまな活動をしている。
 さらにあの「忠臣蔵」の泉岳寺に見上げるような「大石良雄の像」を寄進建設する会の発起人に名を連ねていてしかも……しかもである「労資協調を主張する」大和民労会を組織し(最盛期に30万人という組織のリーダーでもあった)、なおかつ、労働社会大学や無産階級の医療のための慈善病院を作っている――。
 つまり、現今のヤクザさんたちとはその内実において、天と地ほどの差があるということだ。
 さてさてひるがえって、現在の国民の年金を横領するなど、役人たちの底なしの醜悪な犯罪を看過してきた自民党政府の罪科は許し難いし、その責任を絶対追求すべきであるが、その後継責任者選びと、その詳報を告げる新聞記事の大見出し活字に「大派閥が麻生包囲網」などとある。
 派閥だ、組織力だ、勢力だといった用語もヤクザ社会そのままである。
 しかも「スジを通す」とか「メンツを無視した」とか、「地盤をウンヌン」とか「反旗をひるがえす」とか、そうそう、かの小泉チルドレンとかいう集団も「刺客」と称されていた。
 紳士淑女づらしたチンピラ以下の連中が、まことしやかに「改革」を口走るのはとにかくお笑い草である。

バカのひとつ覚えのように「改革」というが……
 現在の政治と国の劣化と混乱の元兇はすべて、長期に居座った自民党政権にある。
 その同族と後継責任者らが、バカのひとつ覚えのように「改革」と連呼するのは大ムジュンだ。しかも、「改悪」はあっても「改革」などの事績は認め難い。
 まず、民主主義の基本理念である「平等」をないがしろにして、どんな理由にしろ「格差――不平等」を是認する政治は「イビツと狂いの政治」であることは間違いない。



新聞のもう一つの大活字
「75歳以上はみな保険料負担」(9月14日東京新聞)
「後期高齢者医療――来年4月から導入」
「年金生活者はこたえそう」

 デタラメ・ムチャクチャの厚生労働省の年金横領問題続発の折に、いつのまにか法改正(悪)しての実施である。
 これが、代々の自民党中心政府の実態だ。
 やっぱり、騙す奴らが悪いのか、騙される選挙民が阿呆なのか!だよねぇ。



「徒然草」追記
 さて吉田兼好は、「徒然草」の中で、「命長ければ辱(はじ)多し。長くとも、四十にたらぬほどに死なんこそ、めやすかるべけれ」と記している。
 それにしてもいまの政治家、例外なく(?)いずれも「叩けばホコリの出るからだ」らしい。こちとらエラソーに言えるガラではないけれど、もうすこし、マジメだぜ。
 兼好は、こんなことも書いている。
「人の身に、止むことを得ずして営むところ、第一に食う物、第二に着る物、第三に居るところなり。人間の大事、この三つに過ぎず。ただし、人間皆病あり。(略)医療を忘れるべからず。薬を加えて四の事」とある。
 でもね、人間いちばん大事なのは精神――ものの考え方の質ではありませんかね。
 ということで、愚生の「つれづれ愚差」としては、「恥多き人生」なれど、名誉欲・金欲・物欲は極力抑え、ウソつかぬよう、(戦争などで)無為に争わぬよう、イヤなものはイヤというエネルギーを失わず、コツコツまじめに仕事をし、家族やワイフと仲良く暮らしたい――なんて、書き記してみるのデスよ。
 は? エエカッコすんな? まさかそんな。これ、フツーですよ。いえ、むしろサイテーのラインでしょ。他がひどすぎるんですね。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:31 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第24回(通算134回)

偽物オンパレードの
 中国・韓国・北朝鮮……でのさまざまな偽物が量産されている。
 いわゆる「一流ブランド」といわれるグッズ類、貴金属類から、家電製品やらキャラクターグッズさらに偽札などなど、枚挙にいとまがない。
 せっせと偽物を大量生産する関係者たちは悪びれることなくこうメッセージしている。
「本物と見分けがつかないほど完ぺきに出来ていなければ(偽物の)価値がないのさ」だって。
 なんとも絶妙な表現ですよね。
 何度もこのメッセージを声に出して言ってみた。

日本の政治家・役人たちのこと
 たとえば「公金にかかわる政治家や役人の不正受給問題」には、ホトホトというのかウンザリというのか、ただただ呆れ返るばかり。「公僕」たる者の劣悪化はいまや泥沼化、底なし状態である。
 まやかし用語の「不正受給」とは横領・詐欺・窃盗に他ならない。
 地方の市会議員が視察と称するお遊び旅行で買春やワイセツなお座敷などの遊びをしていた例もいくつもあったが、このところ、公金から現金をかすめ盗るハレンチ政治家や役人が続出しているのは、また怒りを新たにする。

「二足のワラジ」という時代小説用語
 かつて新国劇という劇団の十八番(オハコ)演目に「国定忠治」があった。(かの辰巳柳太郎の忠治は絶品だった)。
 その芝居に「山形屋藤造」という悪党が登場する。
 配役では石山健二郎が「二足のワラジをはいた」この役を見事に演じた。
 二足のワラジ――とは、この場合では、バクチやバクチ打ちを取り締まる十手持ちのこの男が、裏ではとんでもないバクチ打ちのボスで、若い娘を売買する輩という設定であった。
 貧しさゆえにわが娘を山形屋藤造に売った百姓が、帰り道にその代金を山形屋藤造の手下たちに奪われる。
 そこへ、捕り手に追われる百姓姿の忠治が現れて、山形屋藤造に会いこってり絞り上げ、娘と金を返させ、おまけに自分の路銀まで出させるという愉快なハナシである。
 それにしても、この山形屋藤造のようなワルが、このところやたら跳りょうしているなあ。
 現職警官のストーカー行為と拳銃での射殺事件。そして(9月7日付東京新聞の記事だけでも)高校生への暴行事件(神奈川の県警)。警官のひったくり事件(昭島署)……これまたキリがない。
 現職警官=犯罪者なんて、かの山形屋藤造に負けないね。
 時代劇の定番のせりふ――。
  「越後屋、おぬしもなかなかワルよのう」
「なにをおっしゃいます。お代官様ほどでもございませんよ」
(二人、カラカラと笑う)



 政治屋・役人・悪徳商人……チョンマゲ時代とまるで変わらない俗人のクオリティよ。



「贅沢と貪欲――これらの疫病は、あらゆる国家を破滅させる」(カトー/ローマの政治家)

— posted by 本庄慧一郎 at 01:33 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
<< 2007.9 >>
SMTWTFS
      1
234567 8
91011121314 15
161718192021 22
232425262728 29
30      
 
※ ご注意 ※このウェブサイトに掲載されている、すべてのコンテンツの著作権は(有)望田企画室ににあります。
著作権者の許可無く、本サイト内の全てのコンテンツ・著作物について、無断での使用・転載・加工は一切お断りしております。