「社会&芸能・つれづれ愚差」第44回(通算154回)

考えてみたら、まるで「自分のこと」を書いたことがなかった
 昨年(07年)の12月、愛読する東京新聞さんから「TOKYO発」の頁の〔わが街わが友〕を書きませんか、といううれしいオファーを頂いた。
 〔書く〕という行為そのものは、もう半世紀(!)も続けてきた。
 ラジオ・テレビの放送作家、広告のプランナー・コピーライター・作詞。
 そして現在の小説などなど、それこそ400字原稿用紙のマス目埋めで、1日に15枚、20枚というような日々を送ってきました。
 しかし――自分のことをじかに書いたことがまるでなかった。
 もちろん、著書の自己紹介文に要約した略歴(200字分ほど)をのせることはあったが。
 今回は1回分800字ほどで15回という形式で書かせて頂くことになった。
 となったら、あの街のこともこの人のことも……あれもこれもと思いばかりが先行して、指定の枚数を完全にオーバーして、整理にキリキリ舞いしてしまいました。
 放送番組も、ラジオ・テレビのコマーシャルも、オーバーランは厳禁。
 きっちり指定の枠内に収めるのが大原則だし、そんな作業はとうに慣れっこになっているはずが、今回はオタオタしたのデス。

魅力ある仕事の仲間と、畏敬できる先達の皆さんのこと
 なにしろ、自称(!)「仕事ひとすじ」であった――。
 エラソーに受け取られるかもしれないが、つまり、趣味というほどのコトをする気持とおカネのゆとりなどない、ツマラナイ男ということなのデス。
 仕事(表現作業)が好きだったということ、それはあります。
 まず、クライアント(依頼主)に、とにかく「なるほど!」と言ってもらう仕事を心がけてきたつもりだ。そして「なるほど!」とつぶやく仕事のクルーや先輩・先達との出会いで、「NEXT」へと意欲をつないだ――このパターンのくり返しだったようです。
 そのプロセスで邂逅した、それは魅力的なキャラクターと才能をお持ちの方々が、さまざま、イロイロいて、今回はその一部をご紹介させて頂いたわけです。

「人間の終値」または「人生の終値」というタイトルで……
 上記のタイトルで、いずれ腰をすえて一文をまとめる予定ですが、この際、東京新聞さんの掲載記事と併行して、当HPにその補足エッセイをのせたいと思っております。
 どうぞ皆さん、いずれもご笑覧下さいますよう、ここに謹んでお願い申しあげます。




東京新聞「TOKYO発」欄「わが街わが友」
08年2月6日〜土日を除く〜15回。(予定)




— posted by 本庄慧一郎 at 11:06 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第43回(通算153回)

「ペテン師と詐欺師」日生劇場(08.1.7所見)
 鹿賀丈史・市村正親という手堅い役者を揃えてのミュージカル・コメディということで期待して観た。
 このお二人の演技の技巧をうんぬんする以前に題名の「ペテン師と詐欺師」についてこだわった。というのも07年を象徴する漢字の「偽」が示すように、現今の日本の政治・社会はすべからくペテン師&詐欺師のオン・パレードだからだ。
 しかし、この物語りの原作は外国のその昔のこと、というわけで「その昔、ある国のあるリゾート地で、こんなドタバタがありました」という枠を出ない――といより派手な日生劇場の舞台のプロセミアムから観客席へとビンビン響いてくる「共鳴感」が希薄だった。
 「コレはこれ」「ソレはそれ」ということなんだろうな。
 そう歌舞伎の「古典」という演目を眺めているような距離があった。
 ご両所のファンらしき女性客(がほとんどで男性はチラホラ)は好意的な拍手をしていたが、とにかく「現代」と乖離した舞台には素直に同化できなかった。
 歌舞伎はともかくとして、「その昔のお話」を現代に蘇生(再演)するためには、やはりそれなりの工夫が必要ではないんですかね。

菊田一夫作「花咲く港」も観たんですけど……。
 いつだったか、国立新劇場で同じペテン師を主人公にした菊田一夫作「花咲く港」を観たが、あの場合にも「現代を撃つもの」はなかった。
 そう、素材がペテン師や詐欺師でなければ「コレはこれ」でもいいが……。あらためて言いますけど、現代の日本の政治・社会にバッコする「偽」と無関係の「ペテン師と詐欺師物語」って……妙なモノですね。

 そういうコトを現代演劇の舞台に求めるのは誤りなんでしょうかね。



 そういえば、テアトルエーの1月29日からの公演、俳優座劇場の「エリック&ノーマン――Cash on Delivery」も、ペテン師のお話だったなあ。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:08 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第42回(通算152回)

コース5万円とか6万円の料理? フン。
 いつ、どこで読んだか忘れました。
 その記事は、どこやらの国の街に「三ツ穴レストランがある」といった内容のモノでした。
 つまり、その店の街路に向いた壁に、顔を突き出す大きめの穴をまん中に、左右に両手をさし入れる穴の、都合三つの穴が造られているというのです。
 この仕掛けが3セット、ずらりと壁に並んでいるので「三ツ穴レストラン」なのだというワケ。
 では、この大小3個の「穴ぼこセット」は何に使うのか?
 タバコ好きの客のためのサービス施設なのです。
 説明するまでもなく、まん中の穴から顔を突き出し、左右の小穴から両手を出して、スパスパおやりなさいというワケ。
 「三ツ星レストラン」なんてどうでもいいけど、この「三ツ穴レストラン」というのは実にユーモラスでオモシロイ。
 「星五ツ」進呈したいじゃありませんか。

バカ食いタレントがゾロゾロのテレビはイヤだね
 食い物をないがしろにするヤツはきらいです。
 テレビ番組で、バカ食いタレントをチヤホヤしたモノは特にイヤだ。
 それと、うす汚いアンちゃんやネエちゃんが大口開けてバクバク・クチャクチャなにか食って、愚にもつかないことをホザクなんてシーンはさっさとチャンネルを替える。
 けれど、違うチャンネルでもやっぱり同じようなことをやっているんだね、コレが。
 テレビ局の、あるいは制作プロダクションのスタッフ諸君ってなんだかカワイソー。
 毎日のようにあんな番組を作っていて、ムナシクない?
 ま、けっこういいギャラもらえるから、ガマンするか。
 いや、制作プロダクションの現場のヒトのギャラってそんなにいいはずねぇんじゃねぇの?
 〔視聴率最優先〕という呪縛のイケニエになるのはダレ?




「汝は生きるために食うべし。食うために生きるべからず」
――キケロ





最強のハイブリッド麺だって?
 そうそう、「ミルクシーフードヌードル」というカップ麺がヒットしているんだってネ。商品名のとおり、シーフードヌードルのスープがミルクってことデス。
 コト新しく書きたてる記事があったけど、なんだい今更……ですよ。
 かつて、JR有楽町駅前(現在交通会館ビルのある場所)にブラック・マーケットがあった。つまり戦後の闇市の名残のゾーンでした。
 すし屋横丁なんてイキなネーミングでしたけどね。
 その一角に「鳥藤ミルクワンタン」という店がありました。(現在も別の場所にある)
 店の造りは素朴質素だったけど、当時、有楽町周辺には新聞社などが集中していたせいで、ジャーナリスト、作家たちのソーソーたる連中で連日満員でした。
 人気メニューは「ミルクワンタン」。マスターの鳥藤音吉さんが戦時中の〔シベリア体験〕を活かして創ったレシピです。
 ゆでたワンタンに塩味の牛乳をそそぎ、モツの煮込みやきざみネギをのせる。そして酒は小さなヤカンでの熱燗。これが旨い。
 気取った連中は「うえ〜、牛乳にワンタン?」などとしかめっ面をしたがバターもチーズも牛乳が原料。このスープ、どこがヘンなのだ?
 創始者、音吉さんを継いでもう三代目(?)の秀夫さんとは、彼が坊主っくりの頃からのなじみだ。
 昭和42年、有楽町駅前に交通会館ができて、店は東京駅へ向かうガード沿いに移転。でも「ミルクワンタン」は不変です。
 スペースはちんまりしているが、連日ファンで満員大盛況。
「有楽町ミルクワンタン」を知らずして、なにが「最強のハイブリッド」(ミルクシーフードヌードルの紹介記事のキャッチ)なんですかね。
 あの当時、美人だった(!)ママさん、いまも美人(!)で健在デス。
 「食い物」を大事にしている、これは心あたたまるもうひとつのヒストリー。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:46 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第41回(通算151回)

08年の新年、よろしくお願い申しあげます
 このHPも昨年末で(週替わりを目標に)通算150回を超えました。
 大ぜいの皆さんからのアクセス、心から感謝しております。
 これからもよろしくおつきあい下さいますようにあらためてお願い申しあげます。

 昨年1年のキーワードは「偽」とか。情けないですね。
 ゴルフだの高級料理だの裏金だのの〔汚職〕におぼれたあげく旦那様は年末年始は寒く淋しい拘置所暮らし、妻のオネダリおばさんは一泊4万円のホテル暮らし(週刊誌)だとか。この大ムジュン夫婦の哀れさよ……。
 とにかくまあ、事件と事故と、あいかわらず詐偽・詐取のことばかり。
 政治及び政治家の根っこが腐っていては、社会も……庶民の暮らしも絶対によくならない。その〔原理原則〕をそのままにしておけば、日本という名の樹木も朽ち果てる――と思いませんか。

ネコを恐れないネズミを作った研究者夫婦
 食欲・物欲のおネダリ夫婦がのさばるかと思えば、「ネコを恐れないネズミを作った」というご夫婦もいる。(1/3朝日新聞)
 もともとは、生物学実験用のモデルとしての研究で――ということだが、
 「このマウスは仲間同士でも争わない」という。
 この特長はいいですねぇ。なんとか研究を発展させていずれ「仲間同士でけして争わない人間」というのを開発して下さい。
 このご夫婦は小早川高・令子さんという。
 銃や爆薬や戦争の兵器が好きな連中をヘナヘナにする遺伝子組合わせとか、あるいはお互いに平和に暮らそうとするようになる、それと、戦争などの闘争本能をインポにする薬とかのアイディア商品を生み出して欲しいなあ。
 金欲・物欲・権力にかじりつく人間ドブネズミの行方は間違いなく哀れだ。
 自分で掘った穴に勝手に落ちて苦しみのたうつんだからどうしようもない。
 でもいまの世の中にはまだ「偽」がバレて、自分が掘った穴ぼこにずるずる転落する奴はワンサといるはずだ。


 醜いエゴを〔正義〕で偽装してのさばる奴らよ、くたばれ。
 争うことをしないネズミ――なんとか〔平等と平和しか眼中にない人間〕を創造して下さい! 学者先生、お願いしますよ。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:26 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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