●冬の匂いのする風が吹きすぎる。二度とめぐり会うことのない風。
あの人のこと。この人のこと。風のような、人との出会いと別離。
●女を好きになることは誰にでもできる。しかし、ほんとうに愛することはたやすいことではない。さらに貴重な愛を育て、深めて、唯一の価値あるものにすることは決して誰にでもできることではない。
●見上げてごらん夜の星を〜というヒットソングがあった。
いつも忙しげな都会の人間は、星をしみじみと見やるゆとりがほとんどない。
いや、昼の透きとおる風の行方も、青い空の広がりも、きらめきをまとった白い雲の微妙なうごきにも無関心だ。
人間としての感性が錆びついていて息もたえだえなのだろう。
●秋ぐちに買い求めた黄菊の鉢。その小花に小さな精霊(しょうりょう)バッタが数匹、棲みついていた。
あたりの空気が冷え込んで、すっかり冬の気配が濃くなった今朝、そのバッタたちの姿は消えていた。いや茶褐色の一匹のバッタが枯れた花に残っていた。そのバッタは、命のないヌケガラだった。
●他人の痛みがわかる――という。けれどほんとうは、しょせんは自分以外の者の苦しみや哀しみや痛みなど、そっくり分かりはしないのではないかと思う。
そんな立派でパーフェクトな想像力をもっている人なんて、お目にかかったためしがない。
●融通無碍(ゆうずうむげ)。固定的な考えにとらわれることなく、どんな事態や局面にもとどこおりなく対応できること。
泉や岩のすき間から湧き出た水が、千変万化する川に沿って流れ下るような、柔軟な生き方ができればいいな――と思う。
●企業・大会社の不祥事――オリンパスのこと。大王製紙のことなどなど……。(1日に1億円もあるカネでバクチやってたってサ!)
いずれも〔金〕にまつわるスキャンダルが続発している。
「金は不幸を招くとよくいわれるが、それは他人の金のことをいうのだろう」――ギトリ/フランスの劇作家
●「いやしい」と「いやらしい」は一字ちがいだが、いずれも周囲の者に絶対言われたくないことだ。
悪賢い政治屋の〔裏金〕も、強欲な天下り役人の〔不当報酬〕も、高年齢者をだましての〔振り込めサギ〕も、浪費濫費で公金をムダにして、アタリマエのように増税を言い出す無能政治屋たちも――ホントにいやしい、いやらしいねぇ!
●東京都の「政治資金」の公開で、映画・歌謡ショー・土産付きクルージングなど、とても政治活動とはいえないコトに公金を使ってるということが明らかになった。
かの大震災で家族も、家も事業所も……根こぞぎ奪われた人たちがまだ意気消沈しているのに……ハレンチ人間ども……まったく!
泣けるぐらい情けないゼ。
ケイちゃんの目 ↓
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