たとえば――
♪
リンゴの花びらが風に散ったよな
月夜に月夜に〜(略)
せりふ
「お岩木山のてっぺんを
綿みてえな白い雲が ポッカリポッカリながれてゆき
桃の花が咲き 桜が咲き そっから早咲のリンゴの花ッコが咲く頃が……(略)」
といえばどなたもご存じの美空ひばりさんの大ヒット曲ですね。昭和27(1952)年/ひばり15歳。
この歌の作詞家が、本庄慧一郎の叔父の劇作家小沢不二夫でした。
その小沢は、戦前のムーランルージュ新宿座で活躍した人でした。
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ムーランルージュ新宿座は、現在の新宿三越ウラ――甲州街道寄りにあった。開場は昭和6(1931)年12月。
当時の世の中は不況と戦争という危険なコースを突き進む「不安と苛立ちの時代」――そんな時代のさなかにあって、この劇場(劇団)は多くの人たちに絶大な支持と人気を集めました。
昭和20(1945)年5月の爆撃で炎上壊滅しましたが、戦後は心ある者たちがなんとか復活させようと努めますが、結局昭和年26(1951年)5月、惜しまれつつも解散します。
戦前戦後を通じて、明日待子、小柳ナナ子、望月優子、千石規子、三崎千恵子、そして左卜全、有島一郎、由利徹に、さらに日本の映画演劇界の代表的スターだった森繁久弥など、個性ある人たちが巣立ちました。
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そのムーランルージュ新宿座創立80周年記念として制作された記録映画「ムーランルージュの青春」(公式HP

どうぞ、来る4月21日の泉の森会館ホールの上映会をお楽しみに!
当日は、わたくし本庄慧一郎もトークゲストとして出席して、お話を致します。
詳細は「ムーランルージュの青春」公式HP
をご覧ください。

昭和13年頃のムーランルージュの舞台
『能面』 作/小沢不二夫 中央/明日待子 右端/左卜全
『笛吹川流域』 作/小沢不二夫 右端/明日待子