●街かどにある個人経営のラーメン店では、主役は親父さん。そして女房や親族たちが、一致団結(?)してウラを固めるのが定番だろう。
●本庄慧一郎が折をみて実施する「自作」の「読み語りドラマ」と称するライブ公演も、そのラーメン店の日々の経営体と共通している。
●毎日、いわば「ライブ公演」をやっているような街のラーメン店の親父さんは、つくづくエライと思う。
●とにもかくにも「赤字」にしてはならない。
そして、ご来場下さったお客さんには「二度とここに来るか」とか「これじゃなぁ」などと言わせてはならない。
もう一つ、いくら「自主公演」でも、主宰者である者の「エテガッテ」は許されない。
●9月22日(日)「狛江 ご近所寄席」は、おかげさまでつつがなく――そう、好評裡に完了しました。
●初めての公演場所だったので、地元の方はそれなりにご来場下さったようですが、群馬県・長野県・千葉県・静岡県・神奈川県……等、遠路にもかかわらずご来場下さった皆さんもいて……心からの感謝……です。
●企画、そして構成・脚本・演出と、これはもうラーメン店の親父さんがお客さんに供するラーメンの「満足度」にすべて責任をもつように……あれこれ努めて今回のライブ、いいべんきょうになりました。
頂いたアンケートの中から一部抜粋でご紹介いたします。
「雪になる」の最後の科白が心にしみました。
〔おスミにとってはこのうえもなく幸せな季節が巡ってきたようだ〕の余韻が深く、猪浦さんのハーモニカも効果的でした。
最後の「ふるさと」には感極まります。この演出はいけません(笑)
読み語り、木山みづほさん、ハーモニカ演奏、猪浦教行で、オー・ヘンリーの短篇小説「最後の一葉木の葉」を江戸人情劇に置き換えたもので、本来はオペラ歌手が専門という木山さんの声に厚みがあり、ハーモニカの音とマッチしていて、素直に楽しめた。
本庄さんは放送作家としてのキャリアも凄いが、劇作家としても多くの作品をお書きになり、時代小説も50本以上お書きになっている。
これだけの方がこうした読み語りという新しいジャンルに挑戦し、江戸人情劇とブルースハープのセッションという企画を実践しているパワーには頭が下がる思いだ。