●初体験――ハツタイケン。近頃の若いモンは「ショタイケン」と読むようだけど。
ニンゲン業いろいろ長いことやってると、好むと好まざるとにかかわらず、さまざまな初体験を強いられるよね。イヤだ。逃げたい。そんな初体験をこなし、越えて、耐えていけば……そして誰もが成長するのだけれど。
●それはそれとして、やっぱり「男としての初体験」というハナシにしぼると、各人それぞれ、格別の秘めたる思い出があるハズでしょ?
この、「過去のささいな出来事」もご当人にとっては貴重な財産だけども、関係のない者にとっては、まるで無価値のシロモノということでね。
●それはさておき――。
このたび、本庄慧一郎は物書き業として、ウレシイ「初体験」をしております。
というのは、祖父の代まで「マユの仲買商」を営んでいた埼玉県本庄市(小生の筆名になった地)の出身である「全盲の国学者・塙保己一」を物語として書きまとめ、新聞小説として連載することになりました。(埼玉新聞/2014年4月30日(水)連載開始)
これは「初体験」というカンドーを忘れかけていたワタクシのココロを、あらためて快くゆさぶるイベントになりました。
●メディアである『埼玉新聞』さんは、本庄(!)慧一郎があえて望んだもの。
しかもテーマの主人公は「郷土の賢人・塙保己一」――このお方については社会科などの教科書でも紹介されていましたし、また、あのヘレン・ケラーさんが来日した折に、「全盲の国学者・塙保己一」のヒストリーと、その仕事である『群書類従』1273種530巻666冊等の編集プロデューサーとして果たしたその実績に手放しで驚愕し、賞賛した――と記録にあります。
●いままでの物書き業の仕事の中では、日本文芸家クラブ(当時在籍)の紹介で、「スポーツ報知」に1ヶ月集中連載の江戸物エンターテインメントで3度ほど書いたことがありました。
でも、今回は歴史に記録されている「賢人偉人・塙保己一」――膨大な資料をしっかり読みとり、なんとか新聞連載小説として読者の皆さんの胸にすんなり快くなじんでゆくようなフィーリングに物語を仕上げるつもりでやっています。
●このトシになって、初々しい気持でのぞむ「初体験」――。
分不相応のカネやゼイタクなんていりません。
こういう機会を与えてもらえるのは、ほんとうのシアワセと素直に思います。
なにしろこのコトが同時に「先祖孝行」にもなるんですから!
【寅之助少年……のちの塙保己一】
キャラクター創案 本庄慧一郎
イラストレーション 中 野 耕 一
イラストレーション 中 野 耕 一
【埼玉新聞・2014年4月22日(火)/1面より】
【埼玉新聞・2014年4月22日(火)/10面より】