「社会&芸能・つれづれ愚差」第366回(通算478回)

初体験と先祖孝行

●初体験――ハツタイケン。近頃の若いモンは「ショタイケン」と読むようだけど。
ニンゲン業いろいろ長いことやってると、好むと好まざるとにかかわらず、さまざまな初体験を強いられるよね。イヤだ。逃げたい。そんな初体験をこなし、越えて、耐えていけば……そして誰もが成長するのだけれど。

●それはそれとして、やっぱり「男としての初体験」というハナシにしぼると、各人それぞれ、格別の秘めたる思い出があるハズでしょ?
 この、「過去のささいな出来事」もご当人にとっては貴重な財産だけども、関係のない者にとっては、まるで無価値のシロモノということでね。

●それはさておき――。
 このたび、本庄慧一郎は物書き業として、ウレシイ「初体験」をしております。
 というのは、祖父の代まで「マユの仲買商」を営んでいた埼玉県本庄市(小生の筆名になった地)の出身である「全盲の国学者・塙保己一」を物語として書きまとめ、新聞小説として連載することになりました。(埼玉新聞/2014年4月30日(水)連載開始)
 これは「初体験」というカンドーを忘れかけていたワタクシのココロを、あらためて快くゆさぶるイベントになりました。

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●メディアである『埼玉新聞』さんは、本庄(!)慧一郎があえて望んだもの。
 しかもテーマの主人公は「郷土の賢人・塙保己一」――このお方については社会科などの教科書でも紹介されていましたし、また、あのヘレン・ケラーさんが来日した折に、「全盲の国学者・塙保己一」のヒストリーと、その仕事である『群書類従』1273種530巻666冊等の編集プロデューサーとして果たしたその実績に手放しで驚愕し、賞賛した――と記録にあります。

●いままでの物書き業の仕事の中では、日本文芸家クラブ(当時在籍)の紹介で、「スポーツ報知」に1ヶ月集中連載の江戸物エンターテインメントで3度ほど書いたことがありました。
 でも、今回は歴史に記録されている「賢人偉人・塙保己一」――膨大な資料をしっかり読みとり、なんとか新聞連載小説として読者の皆さんの胸にすんなり快くなじんでゆくようなフィーリングに物語を仕上げるつもりでやっています。

●このトシになって、初々しい気持でのぞむ「初体験」――。
 分不相応のカネやゼイタクなんていりません。
 こういう機会を与えてもらえるのは、ほんとうのシアワセと素直に思います。
 なにしろこのコトが同時に「先祖孝行」にもなるんですから!


【寅之助少年……のちの塙保己一】

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キャラクター創案  本庄慧一郎
イラストレーション 中 野 耕 一




【埼玉新聞・2014年4月22日(火)/1面より】

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【埼玉新聞・2014年4月22日(火)/10面より】

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— posted by 本庄慧一郎 at 04:11 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第365回(通算477回)

猿・猪・鹿・熊・鴉……そして虎と狐と……。

●近頃、人里や町に、山に棲んでいるはずのケモノが現れて、人々に危害を加え、観光地などでは店の商品をかっぱらうなど、目に余る事件(?)が多発している。

●もともと、多種多様な人間が蝟集する都会には、ケモノのような人間がまぎれこんでいて、とんでもないトラブルや事件をひき起こす。
 しかし最近では、人心おだやかなはずの地方の町でも「ゲッ!」と仰天するような残酷な事件が起きているなぁ。

●そういえば――ワタクシがずっと長いこと関わってきたテレビ、ゲーノー、マスコミという業界には「虎の威を借る狐」というイヤラシイ奴がワンサと棲息していた。つまり「有名タレント」という人種がいると、その周辺にウロウロするマネージャーなどでね。

●いや、その「有名タレント」その者が、イヤラシイ「成り上がり者」だったりする場合もあって、そのマネージャーたる人物も勘違いして、エラソーにしている場合もずいぶんあった。

●そうねぇ、テレビ局のヤツとか大手広告代理店のモノとか、とにかく、カラッポ野郎が、得意ヅラして、そっくり返っていてね。
 つまり「虎の威を借る狐」そのものみたいなヤツ。でも、もっとコッケイなのは「虎」本体のニンゲンも、これまた「まがいもの」だったりするケースも多いから、カワイソーというか、みじめというか、哀れというか!

●なーに! この種の成り上がり人間は、テレビ、ゲーノー、マスコミ界だけのことじゃないよね。最近でも、カネがらみで醜くコケた例はいくつもあったものね。徳洲会とか、イノセとか、ワタナベヨシミとか……。

●ワタクシの近辺にも、スキャンダルだけならまだしも(?)、刑事事件までひき起こして、でもヌケヌケとやってるのが、あれこれいるけど。みんな強いね。エライね。したたかだねぇ。


そんなギョーカイにも「会いたい人」はいるのです。

●2014年3月27日の東中野のポレポレ坐のイベント『今よみがえる唖蝉坊/没後70年 明治・大正の演歌師・添田唖蝉坊その世界』
 快いおつきあいをさせて頂いている木村聖哉さん(あの矢崎泰久さんの『話の特集』の編集などで活躍していた方)の出演のご案内で出かけて、その会場で「しばらくでした!」と声をかけて下さった方がいて――。

●故小沢昭一さんのマネージャーだった津島滋人さんでした。
ワタクシは、小沢昭一さんご本人とは「20代の小沢青年」の頃からのおつきあいだったので、小沢さんとはずっと個人的なやりとりをしていて、ついぞ事務所のマネージャーさんを通じてのやりとりをしないでいたのデス。

●でもずっと、津島滋人さんにはジカにお会いしたいと思っていたのデス。これまでゆっくりお話する機会もなかった。でも実際のところ津島さんのことは「直感」で「あの人にはぜひお会いしたい」と思っていたのでした――。

●小沢昭一さんが亡くなったあと、津島さんがポレホレ坐にプロデューサーとして加わった――ということで再会したのでした。
 今回の『添田唖蝉坊その世界』のイベントは、とにかくギュウ詰めの満員で、なにしろ面白かった。大成功でした!

●それはそれとして。さっそく津島さんに乞うてワタクシの仕事場にきてもらいました。
 そして「小沢昭一さんに惚れて38年余りのおつきあいでした」と心あたたまる挿話を聞かせてくれて、ワタクシもいい気持ちにさせてもらったのです。

●テレビ・ゲーノー・マスコミ界にも「会いたい人」は存在します。でも、当然のことながらご本人もそのマネージャーさんも「顔も見たくないヤツ」の方が多いのだけど。


小沢昭一さんを理解し、尊敬して38年

●津島慈人さんは、小沢昭一さんを尊敬して、マネージャーを志願した。そして38年余りを過ごしていたのです。
こういうケースは、むしろ珍しいはずです。

●なんにしても、お互いさま一度こっきりの人生。
 「この人こそ!」と思える人と出会いたいですよね。

●そういえば、かの啄木の歌にこんなのがありました。(歌としてかくべついいとは思えませんけれど、印象にのこっているのです)
  いつとなく我にあゆみ寄り
  手を握り
  またいつとなく去り行く人々!
               ――啄木

●俳優・タレント・芸人などの自称マネージャーはホーキで掃くはどに(ゴテゴテ・ワンサと)存在する。といっても「優秀なマネージャー」は極端に少ない。
 「虎の威を借る狐」は論外にしても、「なるほど」と言わせる者はなかなかお目にかかれないのが現実。

●「個の才能と可能性」を「影になり日向になり」しながら黙々と誘導し、ひたすら尽くすマネージャーの存在は、希少価値であり、同時にそのこと自身が「talent――才能」と評すべきなのだ。

●それにしても昨今のマスコミ・ゲーノー界(に限らないけどサ)――勝手に暴走するヤツが多いよねぇ!


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ケイちゃんの目 ↓

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小沢昭一さんの亡くなったあとに頂いた本とCD


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小沢昭一さん推薦文の拙著

— posted by 本庄慧一郎 at 01:33 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第364回(通算476回)

らんまんの春の【美味】

 祖先の地――武州本庄児玉の皆さまにお招きをいただきました。

 盲目の賢人「塙保己一記念館」をご案内頂き、たくさんの刺激をいただきました。

 その記念館のある城山公園(雉岡城跡)の満開の桜は、息をのむほどに美しゅうございました。
 さらにクルマでご案内頂いた小山川堤のこだま千本桜は、これまた身のひきしまるような景観でございました。

 桜花の下でいただいたふるさとの味「三之助」豆腐の滋味佳味には、すぼまった心も和みました。

 おみやげにいただいた「のらぼう菜」の野趣ある風味の良さ、かつての農民が「年貢」を逃れるために「役には立たない野草」と役人に言ったという挿話が心にしみました。

 神川町の武蔵二宮金鑚神社の「千古の神体山」といわれる荘厳さにうたれました。

 「塙保己一の生家」という旧宅をたずねました。
 現在のご当主とお会いできて光栄でした。

 広々とした畑地のかなたの山脈は、七歳で失明した寅之助少年(のちの保己一)が眺めた風景とさして変わっていないと思いました。

 午後おそく西へまわった日ざしに染まる風ののびやかなうごきとその行方に、寅之助少年を偲びました。

 日暮れては児玉町の季節料理と蕎麦の野趣あふれるお店「ろ」にお招きいただき、評判のお蕎麦をいただきました。
 「人の情け」そのものの味わいでした。

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 一泊してあくる日には旧中仙道にあったはずのわたしの祖先が営んでいたという店の場所を探しました。

 あれこれのデータと照合してその場所を見つけました。
 「森半」さんの隣り(森半さんの建物)が昔そのままの姿であり、それのようで、ついつい涙を禁じえませんでした。

 「ふるさとは遠くにありて思うもの」とは詩人のことば、こたびはその祖先の地をしっかりと「実感」しました。

 M・Aさま、T・Mさま、E・Tさま、A・Mさま、S・Sさま……皆さん方のご好意、忘れません。

 本庄児玉の光よ、風よ、人の情けよ、
 ほんとうにおいしゅうございました。
 ありがとうございました。
 心から感謝です。


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ケイちゃんの目 ↓

爛漫の春の美味


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塙保己一の生家(荻野家)

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ふるさと本庄菓子めぐり・塙保己一最中

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そのほかのお土産

— posted by 本庄慧一郎 at 03:54 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第363回(通算475回)

趣味のインデックスストーム

●ずっと電波にかかわる仕事で生活してきた。たとえばラジオ・テレビ・コマーシャルなどテス。でもアレらのものは、オンエア(放送)が終わるとアトカタもなく消えるね。

●これからは、なんとか舞台のホン(脚本)もと考えて、その気になっているけど、コレも基本的にはライブ――公演が終わればやはり消えるモノです。

●それでも、書き下ろし時代小説文庫などは、せっせとざっと50冊ほど出した。そのほとんどは「歴史的事実」が10パーセントで、あとの90パーセントはいわゆる「創作」といったアンバイでした。

●このところ「日本のベートーベン」と称された男のこととか、チャーミングなレディの小保方さんがかかわっている医学レポートのことで、偽作・偽証といったモンダイがクローズアップされている。

●文学作品というフィールドでも、盗作問題はあれこれあった。
 こちとら、物書きのハシクレとしては、盗作なんてコトはイヤだねぇ。
 「盗み」はやはり「恥」だもんね。

●このGWのアタマ(4月下旬)から新聞連載小説(関東圏の地方紙――ボクがぜひと希望してのことです)がスタートする。
 その物語の主人公が「賢人」といわれる立派な方で、同時に真摯な学者先生方や研究者の方々の実録本が何冊もあるのです。

●となると、従来の小説のように当方の勝手な(といってもデタラメではないよ)創作はちょっと控えて、その人の「記録」を再確認し、その要点を物語作りの骨組として、読者諸氏がすんなり「なるほど!」とうなずく「創作挿話」を肉付けしてゆく――という作業をすることになり申した。

●だいたい「創作」なるものは、酒づくりや味噌、醤油づくりと同じもの。その材料(データ)を「自分」という桶に仕込んで、さてさて、どう熟成させてフィックスするか――これが勝負ですもんね。

●酒はもちろん、味噌も醤油も、未熟・不熟・半熟では商品にならない。まずは原材料を吟味選別して、それをどう活かすか――を考える。
 ナンチャッテ、エラソーなことを言うつもりはないけどサ。

●でもね、偽作だの未熟だの盗作だのなんてコトにならないように、とことんやるべきことはやるのでアリマス。
 その作業の一端が「資料の読み込み」で、選んだデータを精選して本庄慧一郎の「桶」に仕込んで、発酵・醸造して――またエラソーなこと書いてる! ハンセイ(猿)になる!

●このシャシンは、今回の新聞連載小説の資料の一部のクレイジーともいえるインデックスシールのドキュメントスナップです。

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●やっぱりワタシはアナログ人間、アナクロ人種。アナゴ丼大好き。「アナ」のつくモノ大歓迎でして……あなかしこ!とかさ。

●だいたい、いくら便利でも、結局は手元においてじっくり吟味し、醸造し熟成させるコトのできないような素材は、役に立ちません。

●というわけで、現在のさばっているTVの娯楽番組なんて、つまりは消耗品。電力エネルギーのアダ花、ムダ使い。
 もう一ついえば「百害あって一利なし」の原発再稼働派の連中の、「電力不足だから」なんて屁理屈に利用されているだけなのデスな。

●この新聞連載小説、掲載の都合もあって、今後、さらに加筆して本に――と考えていましてね。あらためて100枚〜150枚(400字詰め原稿用紙)を加筆する予定です。

●ああ! アナゴ丼で辛口の冷や酒を味わいたい!

 

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ケイちゃんの目 ↓

わが家の花見


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— posted by 本庄慧一郎 at 11:46 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
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平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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