●そういえば――
10月14日は『鉄道の日』なんですってね。
となると、こちとら、やっぱり汽車ポッポです。
●「リニア中央新幹線」だって?
そんなの関係ないね。
なにしろ、日本はもとより、世界中にせっせと旅したもんね。
●と言っても、カネやヒマがあり余ってのコトじゃないのさ。
放送作家業のラジオ番組で、JAL提供の『世界の町へ』(だったか?)とか、JR(当時は国鉄)提供の『旅そしてふるさとの歌』というタイトルのオビ番組の仕事で「行きたいところ」は……思いのままにインナートリップした――ということですワ。
●赤坂のTBSでは、さまざまな仕事をさせてもらったなぁ。
ずいぶん時も経ったけど、いまでもおつきあいさせて頂いているディレクターだった岡本安正さん……。それに加藤茂樹さん。
●ご両人とも、ポピュラー、ジャズ、シャンソンなどなど、音楽全般に造詣が深い。
その種の番組もあれこれ、やらせてもらいました。
●最近の岡本さんはフォトではプロ級のモノを撮っておられる。本年3月に写真集『CHANCE MEETINGS』を出版。(以前、この写真集について書いた記事はこちらです→第359回

タレント、ミュージシャン、俳優、作家、映画監督……など、個性的な人たちをモノクロ写真で撮っていて、その1枚1枚の「顔」から、それぞれのユニークな「物語」が感じられる――という趣向です。
●たとえば――
マラソンの瀬古利彦、シャンソン歌手石井好子、映画監督実相寺昭雄、かっぽれの家元櫻川ぴん助、ギタリスト沢田駿吾、タレント毒蝮三太夫、フォークシンガー小室等、歌手加藤登紀子、かまやつひろし、俳優斉藤晴彦、声優・パーソナリテイ若山弦蔵、人形作家四谷シモン、ソプラノ歌手木山みづほ……他、多士済々。(敬称略)
かく申す本庄慧一郎も……加えて下さいマシタ。
●そして加藤さん――この方は、SL(蒸気機関車)についてもオーソリティでした。
というワケで、小生も加藤さんのリードで「汽車ポッポ」のファンになりました。
加藤茂樹さんがメインスタッフとして制作されたSL・LPセット(東芝音楽工業株式会社)
●たとえば――
北海道の雪原のかなたから、SLが近づいてくる(らしい)。
それとわかるのは、遠くに汽笛が鳴るからだ。
じっと待っている間があって――やがて鉄路の重い音が、そして間断なく続く蒸気を吐く音がグングン迫ってくる。
あっという間にONになり、大迫力の驀進音と車輪の音が目前を通過してゆく。
そして、汽笛を響かせた列車はまた、荒涼とした雪原の彼方へと去っていく――。
●わが書斎のコーナーには4個のスピーカーがあり、もちろんレコードプレーヤーもある。
ときおり、この「SLの音のポエジー」に耳を傾けるのデス。
そして、なぜか!なぜだか、この雪原をひた走るSLのライブ音を聴いていて、じんわり涙ぐんだりするのでアリマス。
●この加藤茂樹さんの仕事で『箱根路の四季/箱根登山鉄道の想い出』の制作にスタッフとして参加(本名望田市郎で構成担当。でも<持田>というミスプリがあったりして)しました。
箱根登山電車の走行音と音楽松山祐士、ナレーション(ポエム)森ミドリ、さらに効果音等で構成したLPです。
望田市郎(小生の本名)構成の記念すべきLP(東芝EMI)
●かつて親父の仕事の関係で、箱根湯本に住んだことがある。
物見遊山ではなく、止むを得ずの生活のためだったが、湯本をはじめ、箱根登山電車や箱根全体にジーンとくる思いがある。
***
●それにしても――
「リニア中央新幹線」とかねぇ。
東京〜名古屋〜大阪間を約1時間で走る――だってね。
しかも、地下部分が多いとかでさ。
さらに、やたら電力を必要とするとか……天候異常とか火山活動と地震多発の昨今……まったく大丈夫かね!
●絶対安全?
「絶対」という熟語をヘッチャラで口にする人間がウヨウヨしてる。
そして、それらの人間は、すべからく無責任なんですよね。
***
書斎のあちこあちからかき集めた汽車ポッポ関係のホンたち