「平和だからこそ」の意味
●そういえば――
「オリンピック憲章」第6条には、「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と定めている――という。
●そういえば――
国境を越え、国情を克服し、得意のスポーツ競技を通じてフェアなコンペにのぞむ――というのが確固たるオリンピック精神のコンセプトだ。
●そういえば――
参加国206、参加人数約11,000人以上。
新聞等の「メダル獲得表」の国名リストを見ると、その国名も、その国の位置や場所も知らないケースも多い。
●そういえば――
「メダル獲得数表」の下位の「銅1個」という表記の10カ国の国名を見て、あらためて「世界各国要覧」の頁を開いて認識を深めた。
●そういえば――
内戦などの混乱のために「祖国の代表」になり得ない選手10名の「難民選手団」の存在は気になった。
「メダル獲得争い」に躍起になる大勢の者たちのカゲで、「命がけ」で参加する者たちがいるのだ。
●そういえば――
オリンピック代表選手の壮行会で(オリンピック・パラリンピック)組織委員会会長の森喜朗氏が「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」とアナクロニズムそのもののような発言をして問題視された。
また彼はオリンピック予算の高騰問題にふれられると「私はボランティアだからね」と見当違いの発言をする。
リオ・オリンピックの閉会式の「日本のPR映像」で、アベ首相が登場したことも、この森氏が関わっているとか――。
「真の平和主義」をコンセプトにしたオリンピックに、「偏狭なナショナリズム」は害毒はなるばかりだろ。
●そういえば――
オリンピック開催中の熱にうかれたような新聞テレビなどのジャーナリズムの表現の中には――
平和だからこその。
絶対の平和のために。
こういうことばのアピールはなかった。
●それにしても――
日本の4年後のオリンピックのための予算額は当初の800億円が3倍の2400億円にハネ上がっているとか。
現在の日本は、とんでもない赤字国家(マイナス1千兆円?)である。
●そういえば――
企業に所属するオリンピック出場選手にその企業の社長が「もしキミが金メダルを獲得してくれたら、1億円の報奨金を出すよ」と言った――というハナシをテレビで紹介していた。
そして、金メダル500万円、銀メダル300万円……といった賞金が関係団体から出る――とかのニュースもあった。
●そういえば――
オリンピックのしめくくりデータでオーバーヒートする新聞に、厚生労働省が発表した「2016年度の地域別最低賃金の改定結果」という記事があった。
「最低賃金823円に/全国平均・上げ幅最大25円増」(注・時給)という見出しで活字があった。
この数字を読んで、あなたはどう思いますか?
(ボクは「オリンピック・ボケなんてごめんだぜ」と思ったネ)