「社会&芸能・つれづれ愚差」第53回(通算163回)

石神井公園の池をめぐる花の色たち
 桜のどっしりとした古木に、らんまんの花の群れ。
 3月27日現在は八分咲きか。
 ウィークデイの池のたそがれどきは人の姿も少ない。
 いま池の周辺は、ずばりさくら色が主役。
 こころ、ゆっくり、大きく深呼吸。ワイフとのそぞろ歩き。

 来し方を つつみて花の さかりかな  万太郎

 白い花は、こぶしと雪やなぎ。

 蒼白く 夕かげりたる 辛夷かな  花蓑

 雪柳 うすずみの夜を まといけり  真琴

 いきいきと鮮やかな緑は、しだれ柳。

 卒然と 風湧き出でし 柳かな  たかし

 連翹(れんぎょう)と山吹の黄色

 行き過ぎて なお連翹の 花明かり  汀女

 山吹や 暮れゆく水の とどまらず  水巴




3月28日(金)新聞の見出し活字から思い起こす先人たちの言葉

「愚者のもっとも確かな証は、自説を固守して、いたずらに興奮すること」――モンテーニュ

「物知りの馬鹿は、無学の馬鹿よりもお馬鹿さんです」――モリエール

「愚かな鳥は、せっせと自分の巣を汚す」――ヘイウッド

「飢餓と無知は、近代犯罪の両親である」――ワイルド

「都市は人類の掃きだめである」――ルソー

「卑怯者は、安全な時だけ威丈高になる」――ゲーテ

「利欲は飽くことを知らず」――ピタゴラス

「愚鈍な人間は、つねに鉄面皮の暴力をふるう」――エマーソン

「舌(口)のほうは誓うが、心は誓わず」――エウリビデス

「議事堂は虚言のスーパーマーケットである」――本庄慧一郎


 それにしても――  言語道断な殺人狂と、醜悪な我利の妄者たちの乱舞、ここに極まる!


「愛国心」と「道徳」を法で押しつけるとは――誰が?

— posted by 本庄慧一郎 at 11:33 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第52回(通算162回)

08年3月に観た映画とTVドラマ

 映画「明日への遺言」監督小泉堯史。主演藤田まこと
 3月15日(土)T・ジョイ大泉にて観る。

 第二次世界大戦の敗戦後、B級戦犯として軍事裁判の法廷に立ち、死刑の判決を受けた「岡田資(たすく)中将」をモデルにした物語。
 出演交渉を受けた藤田まこと氏は半年間迷ったという。
 〔軍人としての責任〕を主題にしたこの映画の制作上の出来不出来をいうなら不満はない。
 ただし、〔軍人としての責任〕を一身に引き受けて決然と絞首台に立つ主人公が遺したという物語の〔印象〕に、「軍人賛美」を感じたのは小生だけだろうか。
 藤田まこと氏が出演をためらった最大の理由は、何だったのか。
 小泉監督にも、作品としての〔着地点〕に狂いはなかったのかとあらためて問いたい。



●テレビドラマ「3月10日。東京大空襲/語られなかった33枚の真実」。
 3月10日(月)TBS。

 おチャラケタレントのバラエティ番組とか、大食いや食いあさり番組とか、半端なゲーノー人のスキャンダルと離婚ばなしと、マンガ原作のうわっ調子のテレビドラマ……。テレビのエンターテインメントの〔悪あがき〕は醜悪だ。
 その中にあって上記の作品は久々の力作・傑作であった。拍手。

●テレビドラマ「東京大空襲」
 3月17日(月)&3月18日(火)日本テレビ。

 前出の作品とは異なる物語性を加味してのまとめだったが、好感のもてる出来栄えであり、大いに納得。

 さて、そのうえで、苦言をあえて呈したい。
 この2種の作品の質はともかく、強引に割り込んでくる大量のCM群のほとんどが、作品の、いや物語のシークエンスを分断する雑音でしかなかったということを関係者たちはどう思っているのかね。
 もちろん〔民放〕が広告及び広告主によって成立しているのは百も承知だ。
 それにしても――せっかくの作品をズタズタにしてしまうその神経にただ肚を立てたね。
 かつて小生もテレビ番組にもCM制作にもかかわっていた。
 当時は、特番でのCMは、各広告主がその作品にマッチした企画とテーマと内容でそのためのCMを制作し、放送時点での編成もテレビ局や広告代理店などによって特別に工夫がなされた。
 もちろん、現在は広告主にそのためのCMを制作するゆとりがない……などということはあるだろう。それでもしかし……だ。
 現在のCMの大部分は、その内容において、その質においても救い難いほどに劣化している。それをそのまま〔特別番組〕に流用する無神経さは許容しかねる。
 そうでなくとも、いずれ地上波デジタル時代になれば現在のテレビ視聴(CMもふくめて)のシチュエーションは大転換期を迎えるだろう。

 番組とも現実とも乖離している愚劣なCM群の電波は自滅するね。(ああ、生まれ在所――テレビメディアが壊れていく!)
 この〔自傷行為〕は異状と言わざるを得ないね、テレビ局サン。



●「放送記念日特集/新動画時代」(3月21日・朝日新聞)
 NHK夜10:00の紹介記事より抜粋。

(略)放送と通信の垣根が消えていく中、国内外の新しい動きを追い、テレビの未来を展望する。(略)企業がテレビ局を通さず、映像を直接配信する動きも加速している。(略)米ABCのネット配信向けニュース番組の売りは「テレビより早くあなたの元へ」。テレビ放送の3時間前に配信するプログラムもある(略)。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:54 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第51回(通算161回)

08年3月第3週の類語集

●PART1
傲慢(ごうまん)/尊大(そんだい)/横柄(おうへい)/不遜(ふそん)/権高(けんだか)/威圧的(いあつてき)/小賢しい(こざかしい)/偏狭(へんきょう)/粗略(そりゃく)/猪口才(ちょこさい)/倨傲(きょごう――地位を得て自分は偉いと思い込んでおごり高ぶること=現代の東西の都・府の痴(?)事の印象)

●PART2
詐偽(さぎ)/欺瞞(ぎまん)/瞞着(まんちゃく)/嵌める(はめる)/騙る(かたる)/謀る(はかる)/掠め取る(かすめとる)/ぺてん(ペテン)/いんちき(インチキ――道路特定財源の使途)

●PART3
降臨(こうりん)/天下り族(天界から地上に降りてくること――そのまま地上を通過して地獄へ直行するであろう人々の群れ)

●PART4

浪費(ろうひ)/濫費(らんぴ)/乱費(らんぴ)/乱暴(らんぼう)/乱行(らんこう――地方(一部)行政人の慰安旅行そのもののこと)

●PART5
実社会(じっしゃかい)/俗世間(ぞくせけん)/濁世(どくせい)/穢土(えど)/餓鬼道(がきどう)/三悪道(餓鬼・畜生・地獄の三つの苦界――現世でデタラメをやっていた者が堕ちるところ)

●PART6
痴漢(ちかん)/古狸(ふるだぬき)/古狐(ふるぎつね)/狸おやじ(タヌキオヤジ)/山師(やまし――現在の政治屋)

●PART7
格差(かくさ)/差別(さべつ)/利己(りこ)/独善(どくぜん)/画策(かくさく)/愚案(ぐあん)/牽強付会(けんきょうふかい――自分に都合のいいような勝手な理屈を弄する――例・現在の政治屋及び東西の府・都知事の弁明)/後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど――怒ることを忘れた選挙民及び当該高齢者たちを利用した悪質政策の見本)

— posted by 本庄慧一郎 at 11:22 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第50回(通算160回)

笑ったネ。とにかく笑ったネ。
 前回も書いたけど、東京新聞サンからの依頼で「わが街わが友」というエッセイ(08年2月6日(水)〜土日と特別日を除く2月28日(木)までの15回)を書いた。
 当然、物書き初期の放送作家時代のこと、並行して始めた広告の仕事(企画・コピー・制作等)のこともかいつまんで書きしるした。
 出発点になったD企画とは、銀座にあった第一企画だったが、その第一企画は旭通と合併してアサツー・デイ・ケイになった。
 その後、あれこれのプロセスを経て、コピーライターとして広告代理店電通や博報堂の仕事をずいぶん沢山請け負って働いた。
 それで――。
 3月6日(木)の新聞やテレビで、博報堂の営業局の複数の社員が「セレブ飲み会」とやらのイベントを悪用して婦女暴行事件を起こしたことを知って「フーン、なるほどねネ」と思った。
 一流ホテルを会場にして、ワインに睡眠薬を入れて別室に連れ込んで……というとことん俗悪なケースだ。
 そして本日3月7日(金)東京新聞朝刊の社会面の見出し「電通子会社の社員・逮捕/強制わいせつ・傷害容疑/肩書誇示・女性誘う」(会社名は電通テック)でアル。
 笑ったネ。ゲラゲラ笑ったネ。そして、肚を立てて、さらにホッとしたネ。(とうにそのギョーカイから脱退したから)
 「電・博」とは広告ギョーカイの2大会社だ。かつて、ボクは毎日のように両社に通って仕事をさせてもらった。
 もちろん、人間として、社会人として真底まっとうな人もいたが、同時にとんでもないヤローもうじゃうじゃいた。
 言いたいコトは山ほどあるけど、いまは極度にウンザリしているので、こまかくは書かない。

広告代理店とテレビ・メディア
 広告代理店の人的クオリティと同時に、メディアとしてのテレビ局とその番組とCM群の劣化ぶりも……ヒドイなあ。
 例によって、「一部の報道番組と良質の番組はあるが」と前置きをするが、たとえばバラエティと称する内容の俗悪さは、ありゃ何だ?
 それと、強引に割り込むCM群の騒音と悪ハシャギぶりは、手がつけられない。
 ふり返れば、ボクの〔出身母胎〕であるフィールドは、もう手のつけられないほどに内部崩壊しつつあるようだ。
 民放ばかりではなくNHKの醜聞とそのマネージメントの勘違いと脱線ぶり。
 朝日新聞3月5日(水)の声の欄に「テレビを捨てるので解約したい」とNHKに申し入れたという投書があった。でも、何で「テレビを捨てるの!」と首をひねる。
 ボクは強制されている(!)地上波デジタル化の新機種を入れる時に1chと3chを受像できないようにメカを改造してもらおうと思っている。
 民放テレビ局は〔公共性をもった情報メディア〕のコンセプトを放棄した時、電力エネルギー浪費濫費ムダ機構に堕落するね。

日本映画のことども
 ついこの間、「日本映画復調」という活字を見たが、東京新聞3月1日(土)の記事では「転機迎えたシネコン/スクリーン当りの興収減少/閉館の例も」だってサ。
 いずれ、DVD機能が普及すると、テレビの番組も映画もいったん録画しておき、後でヒマな時に「飛ばし見」をするのが常態化するだろう。
 もちろん、俗悪なCM群なんて見るワケがない。
 当然のコトですよネ。

新聞の見出しのいくつか
「天下り法人に1888億/国交省OB 1285人・役員報酬2000万円も」とか「道路を問う/巨額の税食らう官/閑古鳥駐車場に1000億円」とか、「準高速道路も甘い計画/有料10区間・8割赤字」とか……ああ胸クソ悪い!
「新銀行東京/赤字86億・追加出資400億」――イシハラさんよ、オリンピック招致でオダあげてる場合かよ。まったく!
「まことに遺憾であります」なんて頭を下げりゃあ、あとはカエルの面にションベンなんて輩に、日本国の根っこは食い荒らされているぞ。

「遺憾」というコトバの意味
 無責任野郎の常套句の「遺憾」の意味を再確認したい。
「思い通りにいかず心残りなこと。残念。気の毒」(広辞苑)
 「ごめんなさい」「私の責任です。あやまります」なんて意味はまるでない。ほら「気の毒」という〔第三者の感想〕もあるぞ。
 国税・公金の濫費、そして私利私欲で食い散らかして「遺憾でゴザイマス」かい? これはずばり公金横領とかドロボ−だよネ、皆さん。

それにしても、まったくそれにしても。
 テレビ番組の奴らって、どうして揃ってエラソーなんだろう。
 ふしぎだ、ホントに妙だ。
 どいつもこいつもテレビの毒っけに冒されているぞ。
 ごく少数の出演者たちには好意をもっているが、その人たちの精神の健康もいずれ遠からず、と思っている――。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:48 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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