社会芸能史的な意味で、ずっとこだわり続けている「ムーランルージュ新宿座」の戦後に大きく関わった女優三崎千恵子さんが2月13日に90歳で逝去された。
ご存じ「寅さん」映画のおばちゃん役で皆さんに親しまれた。
昨年、製作された(幻野プロダクション製作・田中じゅうこう監督)「ムーランルージュの青春

旦那さまは同じムーラン出身の俳優・宮阪将嘉さん。
夫婦お二人で、戦後のムーラン復活に頑張られた。その夫婦を資金援助等したのが、現ヒューマックス・グループの先代のリーダー林以文さん。
その後、同グループのリーダーでご子息の林瑞祥さんとは、それ以前の社名(恵通ジョイパックグループ)変更キャンペーンのための大規模なイベントのプロデュースなどをやらせて頂いて親しくおつきあいした。
そして、そのムーランルージュを素材に「生まれて初めての小説」を書いた。
「赤い風車劇場の人々/新宿かげろう譚

すでにピープルシアター森井睦氏の脚色・演出で2度公演(1995年9月・1998年10月)があるが、今回、旧友M・G氏の依頼で、自分の手で舞台化のホンをまとめた。(池袋演劇祭参加作品として具体化される――詳細はいずれ)
三崎千恵子さんの、あのぬくもりのある下町的なおおらかさと快活さは、最近の女優さんにはない、貴重なキャラクターだった――と、つくづく思う。
淡島千景さん
宝塚から東宝へ。時代物から現代物まで、そして、ムーランルージュ出身の森繁久彌さんの相手役としてはコメディ映画でも活躍した。
晩年は舞台での朗読劇(有吉佐和子の「華岡青洲の妻」など)でも、その達者さをアピールしていた。
かつて、現在のTBSがまだ民放ラジオ局だった「ラジオ東京」の頃、「淡島千景ドラマアワー」(だったか?――その他「鶴田浩二アワー」などもあった)で、師匠の小沢不二夫のカゲで「唐人お吉」などを書かせてもらって、淡島さんの「お吉」の声のみの演技にうっとりした記憶が鮮明にある。
「華岡青洲の妻」の公演の楽屋をひょいと訪ねて、(昔なじみの芝居の仲間が出演していたこともあった)その「お吉」のことを話したら、「へぇ! なつかしい!」と目をキラキラさせてよろこばれた。
芸能生活の長い方だが、まるで汚れのない素敵なレディだった。(2月16日逝去)
尾崎紀世彦さん
広告制作の企画・コピー・プロデュース時代には、CMソングの作詞・制作もずいぶんやった。
尾崎紀世彦さんが若くして逝かれた。(5月31日)
尾崎紀世彦さんには「グリコ牛乳」(電通制作だったか?)のテーマソングの作詞をした。(どこかにその音源テープがあるはずだが)
「息子よ、おまえに手渡そう。強いからだとやさしい心を――(略)おおグリコ グリコ牛乳〜」といった歌詞で、熱くハートフルに歌う尾崎紀世彦さんの表情もその姿もくっきり覚えている。(青山にあった音楽スタジオだった)
そして、もう1曲、富士重工のクルマ「レオーネ・ハードトップ」イメージソング「いま、ここに」を作詞した。(代理店は読売広告だったかな?)
作曲は、ベースの荒川康男さん。小生の親友だったピアニストで作曲家の八木正生さんとのトリオで、「カッコイイ!」ベースを弾いていた。
いつかテレビの画面でベーシスト荒川康男のお姿を見かけたけど。お元気ですか?
それで、尾崎紀世彦さん――あんな、おとなの魅力的なキャラのシンガーは、もういないなぁ。いまの歌い手たちには、スケールがない。パッションがない。魅力的なキャラがない。
そういえば、尾崎紀世彦さんの「グリコ牛乳の歌」の作曲は練達の川口真さん。川口真さんには、アニメーション「おじゃまんが山田くん」の主題歌2曲でお世話になりました。歌は御大・三橋美智也さんで、楽しい作品になりました。
その他、あの王貞治さんをイメージキャラクターにした「日立キドカラー」のイメージソングなどでもご一緒させて頂いたなぁ。
ありがとうございました。この場をかりて――。
この作品は、本庄一郎の筆名で書きました。
この作詞は本名の望田市郎で書きました。
追伸――話はかわりまして。
●その1
現在の日本国は「危急存亡の時」と言えると思う。
ノダという一国の総理大臣は、やたら「乾坤一擲」(けんこんいってき――運命を賭して)とか「政治生命を賭けて」とか、はたまた「責任をもって」などと口走る。
が? この重要課題山積みの折に、「万が一」の時の失敗の責任をどう取るというのかね。
ただ、辞職すればいい――などと考えているだけにしか思えない。
いまのノダさんは、どっちへ向いて、何を喋っているのか?
まったく、自覚のない男の自覚のないコトバにしか思えないぜ。
●その2
AKB48とやらの娘たち(?)のグループのこと。
6月6日の「総選挙」とやらのことを、朝日新聞以下、スポーツ芸能紙などが大々的に紹介記事にしていた。
いや、NHKのニュース番組でもレイレイしく報じた。なんのことはない、彼女たちのCD「販売促進」のための仕掛けに、良識あるハズのマスコミが揃いも揃ってバカ乗りしているのだ。ファンの若い男の中には、40万だか50万の貯金を取りくずして「総選挙」に対応したという話もあった。
つい先日、問題になった「コンプガチャ商法」もそうだが、とにかく困った商売がまかり通るもんだ。
そのうち「メンバーの女の子のホッペにキス」とか、「ヒップにタッチ」なんてイベントも現れるかも。ああ、ヤダねェ〜。