「社会&芸能・つれづれ愚差」第311回(通算423回)

いい新年度にしたい――アトランダム・メモランダム

 週刊朝日(2013.4・5号)の「石原ファミリーの落日」読んだ。
 父・慎太郎と長男・伸晃、そして三男・宏高のファミリーの近況――。
 本日(3月28日)の「週刊新潮」の広告――「石原慎太郎/脳梗塞説を漏らした『管直人』」につられて、買いに行くかね。

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 「旅の楽しみ」は認める。
 しかし、コチトラ、「豪華客船世界旅行」なんてコトにテンから無関係。
 カッコつけて言えば、「セコセコ物書きン十年」なんてヤカラは、つまりは、結局は、世界の国々はもちろん、 月の世界も星の居場所にも……いやいや日本国中すみずみまで、のべつイメージ・トリップしているもンね。
 いやいや、好き勝手に時代を遡行(そこう)して、江戸時代でも神代の時代にも「遊び」に出かけるもンね。
 それで(以前にも書いたけど)小説や脚本の企画段階でのシナリオ・ハンティング(かつてはTVCF撮影ではあちこち出かけたが)以外には、ほとんど出かけない。その必要もない。

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 お1人様百ン十万円のツアーとやらのエジプトでの熱気球遊覧事故。痛ましかった。
 カンボジアの遊園地のジェットコースターから放り出されて事故死した事件もあった。
 かと思えば、ご夫婦の専用大型キャンピングカーが高速道での衝突事故で――という惨劇もあった。
 それでなくても、「世界の涯(はて)に旅する」といった旅行先での事故は枚挙にいとまがない。
 いや、国内のピクニックや登山での遭難事故も多発していて――「出不精」をあえてモットーとする当方は、ただタメ息つくばかりだよ。

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 本庄慧一郎なる者の仕事のフィールドは、たしかにマスコミだった。でも、アノ世界は、トコトンのところでキライだった。
 いや、すんなり「どっぷり」になれなかったからこそ、現在もそこそこの健康を保っていられると思っている。
 あのギョーカイには、ヘンな奴がずいぶんウヨウヨしてるもんねぇ。
 とにかく人間、己にふさわしく、「つましく――ソコソコ・カツカツ・なんとか……それでいてシンから機嫌よく過ごす」のがなによりですって!

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 『一票の格差――「合憲」ゼロ』という各紙の大活字。
 国会や議員たちの怠慢は正されるべきだが、さて、選挙民たちの質は従来のままかね?
 「脱原発」の世の良識ある多くの意思とは明らかに「逆行」する政府とその一党が「支持」されているというが――その実体はどうかね?

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 「福島第一周辺沿岸30キロ――消えた巻き貝、イボニシ」の記事(東京新聞3月27日)。
 また「江戸川区排水溝の水から、六価クロム基準3000倍」(朝日新聞3月27日)の詳報などなど、発ガン有毒物質の汚染が顕著だ。
 さらに「東京都液状化23区で恐れ」という予想詳報――!
 これで、しきりに注意報が出ている大地震や津波が発生したら――それこそ忌まわしい戦争が勃発する以前に日本国は全滅だね。

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 それにしても、目前のこうした切実な危機にそっぽを向いて、いまの世の中、なんとも浮かれている(ように見える)なあ!

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初蝶はひらひらひらとひらひらと   一露


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ケイちゃんの目 ↓

いま、ふたたびのさくら花
2013年/石神井

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— posted by 本庄慧一郎 at 01:00 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第310回(通算422回)

我流勝手流アトランダム・メモランダム

 桜の季節のワルハシャギする連中がきらいです。
 ずっと以前の……吉祥寺や井の頭池も、そして桜も好きだったが、バカ騒ぎの連中が集まる花見どきは、絶対に近づかないね。(殺人事件もあって、街も変わったネ)
 こよなく愛する石神井の三宝寺池近辺の桜にも、近頃ワンサと人が集まる。
 こちとら、「曲げるようなヘソ」はあいにく持っていないが、結局はヘソ曲がりダ。

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 「南海トラフ」の「被害想定」が大々的に報じられた。
 「原発事故は盛り込まず」ということだが、理由は「影響甚大/想定難しく」だとのこと。(東京新聞 2013年3月19日)

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 前日の3月18日に、福島第一原発で「停電」。
 その原因は「ネズミ」らしい。
 ムセキニン政治屋たちの「収束宣言」とはウラハラに、「深刻な原発問題」はフタをして、またぞろ「原発再稼動」を謀むバカネズミたちが活動している。

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 富士五湖の1つ、河口湖の水位が3.5メートル(3月21日現在)も下がり船で渡っていた「六角堂」は歩いて行ける「異常事態」になっていると。
 名物でもあるワカサギ漁では、湖水に仕掛けたアミに、ビッシリと緑のアオコがこびりついて不漁だという。
 それでなくとも箱根の群発地震(大涌谷の震度5とか)が、不気味だ。
 こうした自然現象に「我れ関せず」と頬かむりして、原発再稼動を推し進めるアベ内閣と、それを支持する者どものコンタンに狂いを感じるぞ。

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 福島のあの悲劇は、万が一の「南海トラフ」の場合にはどうなるか?
 悲劇や破綻や不幸は、つねに「想定外」という「異常事態」として発生する。
 「責任を取る」とシレーッと大見得を切るヤツがいる。だが、ただその場を去るだけの「無責任野郎」が何を吐かすか!

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 福島原発の停電の原因はネズミ?
 かと思えば、ワルハシャギする花見客が注意しなければならないのは、地べたや雑草に棲みついている「マダニ」とか。
 そういえば、アベノミクスとやらのまやかしの景気対策では、またもや公共事業へのテコ入れ……だ。となれば、××公団や△△機構とやらに巣食っている天下り役人――公金食いのシロアリ族が、またぞろうごめき出す。

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 そういえば、前都知事イシハラ氏のムスコ宏高クンが、公選法違反容疑で――という報道。
 彼が関わった企業は、フィリピンあたりにカジノ(賭博場)建設に入れ込んでいる大手遊戯機器メーカーだと。
 この企業はカジノ建設に躍起になっているから、イシハラ親父ともども、いいカモなのだろう。
 そうそう、そのシンタロー氏も「東京湾にカジノを作れ」とか「三宅島にオートレース場」とか口走ってたなあ。
 この男はたしか「原発事故なんか些細なこと」とも、ほざいた。
 現在の日本の選挙民というのは……自分だけは常に「安全圏」にいると思い込んでいる「想像力欠落人種」が多い。
 「まさか!」という不幸は、誰かれの区別なく襲ってくるものだぞ。
 いずれにしても、「カジノより防潮堤」だろうが!

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 アメリカ主導のイラク戦争――「イラクに大量破壊兵器がある」を前提に始まったこの「惨劇」は、10年経ていまだに平和とはほど遠い状況にある。
 しかも、当時の小泉内閣はこの「開戦」を支持して、陸上自衛隊を派遣。
 膨大な費用を投入しての戦いで、多くの一般市民が死んだ。
 10年経った現在も、「真の平和」にはほど遠い現況が続いている。
 いまの日本の人々は「ひとの痛みがわかる」と軽く言う。?????……。

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手におえない不幸せをどうする花吹雪  一露

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ケイちゃんの目 ↓

花活けも五七五も得手勝手流

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ぜいたくを しない言わない 花見月

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見てごらん つばきニ輪に メロンパン

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紅いろの木瓜(ぼけ)にヒヨドリ 日脚延ぶ

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ちょっとさあ こんなアイデアを 見ておくれ

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山鳩よ 一本桜よ 風の道

— posted by 本庄慧一郎 at 02:06 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第309回(通算421回)

「おお!春よ春」の季節のアトランダム・メモランダム

 黄砂とPM2.5とスギ花粉と、おまけにセシウムの春ですよ。
 みんなでっかいマスクして、あんまりイライラしていない。アタリマエのような顔をしている。(ように見える)
 セシウムが沈澱する海の底に棲む魚(深海魚)に「異状が発生」しているとか。
 そして、昆虫や野草にも、「変形・異形」が見られるという。
 どんな精巧なマスクでも防げない「有毒」が環境そのものを、日本を冒しているぞ。

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 音楽家の坂本龍一氏が『Keeping silent after Fukushima is barbaric. 福島のあとに沈黙をしていることは野蛮だというのが私の心情です』と明言している。(2013年3月13日 テレビ朝日「ワイドスクランブル/山本晋也の人間一滴」のコーナーで放映された、昨年7月16日「さよなら原発10万人集会」での坂本氏のコトバ)
 「野蛮」の同義語の一部を列記する。
 粗野/粗暴/凶暴/狂暴/獰猛/暴虐。そして更に、原始的/未開/未墾……。

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 現在の福島一帯の惨状と大地震や火山噴火の予測・警告を無視して「原発再稼動」だ? 政府の「エネルギー基本計画会議」のメンバーから脱原発派をはずして、推進派が大勢を占めるという。相当のイシハラ環境相? 父親の「アヤツリ人形」かい?
 こんど「万が一」があれば、どういうことになるか、想像力ゼロの者たちは――。
 やっぱり「自分たちだけ安全無事」だと思い込んでる愚者だ。
 北朝鮮の「若旦那」と同質同種のサルだ。手におえないエゴイストだ。

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 テレビの座談会で浜矩子先生(同志社大学教授)は、「アベノミクスについてどう思われますか?」の質問に「アホノミクスね」と即答。いいねぇ。

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 3・11。いや、それと3・10(あの東京大空襲のあった1945年の)も忘れない。そして、4・13は北区の自宅が爆撃で全焼し、命からがら狂乱する炎に巻かれながら逃げた日だ。そして同年の8・6はヒロシマ。さらに8・9がナガサキ。
 もうひとつ、8・15――それこそ、「ニワトリは3歩あるくとそれまでのコトを忘れる」というが。ニワトリのような人間が多すぎるぜ、まったく。

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 「チグハグ・ズレ」の一部の新聞は別として、3・10&3・11に関しておおかたの各紙は「戦争と災害とその後」のフクシマを特集した。
 アホな政治家の中には、すべてそっくり「他人ごと」しているのがいる。
 「日本異心の会」……じゃねぇ。「日本維新の会」とやらの西田譲とかいう衆議院議員が衆院予算委員会のアベ総理への質問で「低線量セシウムは人体に無害。医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を前面解除すべき」(3月14日朝日新聞)とノタマッタとか。
 「セシウムは微量とし、被爆の影響は問題ない」という論旨ですと!
 現在の福島とそこに住んでいた人々のことを、この男はどう認識しているのか。そして、処理作業している人たちの体調のことなど……。
 俗に「馬の耳に念仏」というコトバがあるが、あの馬っこはかなり賢いぜ。
 この西田とかいう男の場合は「ブタの頭にヤブっ蚊」というんだろうな。

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 企業努力や経営戦略もあってか、賃上げ・ベースアップの報道が目につく。
 しかし、現在の社会の「大衆」という人々の中には、働きたくとも働けない者。すでに日々の暮らしが「危険水域」に入っている人々などが大勢、存在する。「社会の格差」を、テレビなどでまことしやかに説くコメンテーターなるヤカラも口先ばかりのカラ念仏で、何の説得力も、現実変革のためにはクソの役にも立たない。
 現在の日本国は「民主」という美名を「ウソの皮」で覆った「格差社会」そのものだろ。この種のハナシはキリがないから、このへんでやめる。

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 3月5日、俳優の納谷悟朗氏が逝去した。83歳。
 劇団テアトル・エコーで同輩だった山田康雄氏とはヒット作「ルパン三世」で名コンビだった。
 このお二人の所属していたテアトル・エコーには芸達者がそろっていた。
 「御大クマちゃん」こと熊倉一雄氏ともども、小生とエコーのつきあいは長い。
 (そう!あの2012年9月の小生の脚本、睦組公演「炎と愛のフィナーレ/あるレビュー劇場の1945」にも、御大熊倉一雄ご夫妻が観に来てくださった!)
 劇団の創立時は、故牟田悌三氏が在籍していたし、現在も活躍しておられる矢島正明氏もメンバーだった。劇団とのおつきあいは創立早々からだが、劇団公演の脚本を書いたのは2005年。(「大都映画撮影所物語」2006年12月公演)。
 かつてTV・ラジオのCM作りに取り組んでいた頃、スコッチウイスキー・カティサークのキャンペーンをそっくり引き受けたことがある。
 スタンダードものは真野響子サン。12年ものスペシャルは先代幸四郎丈。(人間国宝/のちの白鸚)。そしてラジオCMは納谷悟朗氏だ。
 「え? あのカティサークを、ボクでいいの?」ごきげんで引き受けてくれた。
 キリッとしたハードボイルド風の「カッコイイCM」を作ったなあ。

納谷悟朗氏のことにちなんで。

 スコッチウィスキー「黄色いラベル(帆船)のカティサーク」のキャンペーン電波のメディア(CF・ラジオCM)では、前記のCF・ラジオCMと共に、CMソングの企画・制作も担当した。

その1.『名前で呼んで』
 作詞 望田市郎(本庄慧一郎)/作曲 八木正生/歌 北原ミレイ

その2.『燃える想い』
 作詞 望田市郎(本庄慧一郎/作曲 三木たかし/歌 小林幸子

その3.
 A:『燃える想い』/歌 原あつこ(レコード化)
  大阪ABC歌謡グランプリ新人賞('79)
  新宿音楽祭銅賞('79)
  11PM有線大賞新人賞('79)
  全国有線放送大賞新人賞('79)

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 B:『燃える想い』/歌 横山みゆき(レコード化)

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 ジャズピアノの名手で秀れた作曲家の八木正生氏も歌謡曲のヒットメーカー三木たかし氏も……とうに亡くなったなぁ。
 テレビ・ラジオコマーシャルのエンディングにつけるサウンドロゴ(商品名のサウンド化)『カティサーク』は、当時「文句なしのインパクトがある」と好評だった。

 『カティサーク・サウンドロゴ』(5秒弱)は
 作曲 星子忍/声・歌 三井章夫(トランペッター)
 北村英治(クラリネット)のメンバーとしても大いに活躍した三井(バンちゃん)章夫氏をボーカルで起用したアイデアは大成功だった。

***

 納谷さんがアテレコで活躍したのはご存じおとおり。しかし、「声優」とよばれるのをイヤがった。それもそうだろう。御大熊倉一雄氏をはじめ、故山田康雄氏そして納谷悟朗氏の「役者」たちは、きちんと「演技」を謙虚に真摯に学んだプロだもの。
 納谷さんはしきりに「声優やるなら、ちゃんと舞台をやれよ」と言っていた。

***

 最近の「アテレコ」専門の者たちの「声の演技」はヒドイ。
 とりわけ、若い女性のキンキラ声、奇妙なフシをつけたイージーな(アニメだから?)セリフには耳をふさぐね。
 しかも、テレビ局の制作者たちが「その声」を、ニュースワイドなどでも好んで起用するから、朝っぱらからのアニメ声が不快指数を急上昇させる。
 もう1つ、局の女性アナウンサーが「そっくり病」にかかていてキンキラ声を発する。

***

 「明るく楽しげに」と「ガキっぽいワルハシャギ」の区別もつかない演者と制作者たち――。
 それでなくてもAKBばやりの昨今、甘ったれの舌足らずカマトト娘(中にはとうていムスメとはいえない出来損ないおとなもいるらしい)がバッコする。
 口から出まかせ、コトバをぶん投げるようにしゃべる番組やTVCFは、放送というメディアをいずれ腐らせるぜ! 「イイ大人たちが、いいかげんにしてくれよ、まったく!」

***

 「心」「根っこ」のない「音」だけのコトバがハンランしている。
 ソーリ大臣の施政方針演説をはじめ、テレビメディアに飛び交うコトバなどのメインはそっくり「音」だけのものだ。
 それは駅のガイドのアナウンス――コンピューターボイスと同質の「無機物」めいたシロモノだ。

***

 要するにいまの社会は――あっちにもこっちにも「いいかげんな素人」がのさばっているということだな。

***

 得手勝手うそまみれの世も春は春

 哀惜ということばにとらわれ春昏るる
                ―― 一露


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ケイちゃんの目 ↓

石神井三宝寺池畔の紅梅・白梅
「いつもの春」を迎えることの出来ない人の胸の内を想う



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寒荒れの枝のつぼみの銀のいろ   一露 

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— posted by 本庄慧一郎 at 03:18 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第308回(通算420回)

イメージしりとり風メモランダム

 不粋な男である。趣味といえるような趣味がない。ゴルフ?マージャン?まるでキライ。旅行?書くための取材は別として、ワザワザ出かけることは少ない。
 からだのための「1万歩ウォーク」は努めて実行するが。

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 寒気を理由にその「1万歩ウォーク」をサボっている自分がイヤになる。それで、ソレを兼ねて、久々の荻窪のささま古書店に出かけた。
 リュックサックにめいっぱいの10余冊を買い込んで、その重量(部厚い本もあって)に突っ転ばないように、しっかり歩いた。

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 あの3・11以後(早くも2年の歳月が過ぎた)物書き業としての己の思いにブレが生じて、出版関係者(と大仰に言うほどでもない)やワイフの許諾を得て、「方向チェンジ」の準備をしてきた。
 それは二又道でヒョイと角を曲がればOKといった簡単なコトではない。

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 趣味でモノを書いているワケではないので、書くモノは、書いたモノは、カタチ(出版とか上演とか)にしなければ意味がない。
 したがって、定年退職した人たちの「蕎麦打ち」作業のようにノホホンとしてはいられない。

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 ささま書店で買い集めた本は、現在、挑戦している戯曲の資料本である。
 たとえば「昭和特攻弾圧史」(全6冊のうちの1冊/大平出版)とか「ある昭和史」(色川大吉 中央公論社)といった昭和史を主題にしたモノばかりだ。

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 なにしろ、「自宅はすべて本だらけ」である。「本たちは夜中に勝手によからぬことをしているかのように増殖する」は、親しくして頂いている文芸評論家の縄田一男氏のコトバだが。ウンウンだ。
 書斎はもちろん、階段のワキも本ダナにしているし、階下の部屋二つも本だらけでアル。

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 3・11のあと、ボランティア団体の要請もあって、数百点余の小説本(エンターテインメント類)を福島に運んでもらった。
 古書店さんに来てもらって、演劇雑誌や明治・大正・昭和の(ン万円も出して買った!)パンフレットなど引き取ってもらえる本はワンサと処分した。

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 さらに、コツコツ買い集めた小説や評論集は、ほとんどタダで古書店さんに引き取ってもらって、なんとか本のスペースを作った。
 それらの本たちには、「ワイフに内緒にしてきたかつての恋人の手紙」を捨てるような未練があった――。

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 必要な資料本は小生のエンピツ書きの原稿をすべてPC処理してくれている娘に、インターネットで検索し、即購入してもらう。北海道から九州までの遠隔地の書店から送り届けられて、とにかく便利。この冊数も多い。しかし、お気に入りの古書店に出かけて、ウンザリするような書物のカバーを眺めて、アレコレ時を過ごし、結局またン10冊を買い求めたりするのでアル。

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 目下、昭和史について再勉強中である。昨年9月に上演したテアトルアカデミー睦組公演「炎と愛のフィナーレ/あるレビュー劇場の1945」も、2006年12月にテアトル・エコーで上演した「大都映画撮影所物語」も、芸能エピソードをからめているが、レッキとした昭和史ものだ。

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 今回、ささま古書店で買い込んだ本の中にある「昭和特高弾圧史」は、資料本としてはきわめて確実であり有効だ。
 あらためて舞台のホンを書くという思いを「井上ひさしさんの100分の8くらいのことは出来る」とヌケヌケと宣言している。(注・100分の8です!)
 この「昭和特高弾圧史」に関連しての資料として、広辞苑のように部厚い「続・現代史資料6/軍事警察」「日本憲兵昭和史/憲兵司令部編」を図書館から借用した。とことんおカタイ資料本である。

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 そういえば先々週には、「鋳物の街・川口」の図書館に出かけた。
 必要とする本は「貸し出し不可」でワイフのフォローで大量のコピーをした。
 現在の川口市は「どこにでもあるキレイなモダンな街」でまるで興味はない。
 あの戦時下の「軍需景気にわく工場街」のデータを掴むのは至難のコトか?(作業続行)

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 ささま古書店コレクションの中に「ある昭和史/色川大吉」に「東慶寺花だより/井上ひさし」がある。井上氏の時代小説も珍しいし、この本が彼の逝去後に出たモノであることに、小生にも格別の思いがある。(「俳句で綴る変哲 半世紀」(小沢昭一 岩波書店)も訃報の後に「ご恵贈本」を手にしたなあ。

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 その井上氏の「東慶寺花だより」も、色川氏の「ある昭和史」も参考資料列記の頁を眺めて、あらためて大ビックリした。
 井上作品では、シリーズや巻ものもあって、ざっと100点以上もある。
 色川作品も、ほとんど同数というか、それ以上だ。
 物書きとしてはお二人と同業(同期)の小生だが、この先達たちの「入れ込み」の度合いに、いまさらのように脱帽した!

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 そういえば、広告や電波メディアの仕事をしている者で、まるでそれらしきモノ(刊行物・出版物)がない者が、しきりに「作家」を自称・連呼している場に出くわすことがある。(エラソーに言いたかねぇけどサ)アレって、哀れでサギっぽいね。
 どこの世界にも、いつの時代にも「口先ばっかり野郎」がのさばる。イヤだなあ。

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 先日、インターネットで購入してもらった、「女たちの太平洋戦争 朝日文庫」「華北戦記/中国にあったほんとうの戦争 朝日文庫」。もう1冊「一銭五厘の旗 暮らしの手帖」が届いた。
 やっと確保した空スペースが、さっそく「新しい創作のカテ」でどんどん埋まってゆく。

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 山積する蔵書のうち、師である劇作家三好十郎氏の著作本(多数の評論集、もちろん全4巻の作品集やずっしりと分厚い三好十郎氏に関する評伝など、約100点ほどになるか)を筆頭に、井上ひさし氏関係の本があれこれあって、第2位をしめるか。
 「余命3ヶ月」の医師のがん宣告を受けて、肝臓がん3回手術の余後のベッドで、猛然と小説を書きはじめての小説「ダックコール」(早川書房)で、第4回山本周五郎賞を受賞した稲見一良氏。その後10年延命しての10冊の作品と雑誌、新聞等の多数のエッセイは大切に保存している。

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 この他、山本周五郎、藤沢周平、池波正太郎、さらに親しくさせて頂いた峰隆一郎氏の作品集はいずれもずらりと並べてある。  戯曲は真山青果全集や世界戯曲集などもある。

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 3月6日付の朝日新聞の広告を見て、買うつもりの本がある。「いま日本はタカ派ばかり」(佐高信/毎日新聞社)。 惹句に「老害醜悪・石原慎太郎/ちゃっかり便乗タカ・猪瀬直樹/口先三寸タカ・橋下徹/中退不安タカ・安倍晋三/お笑い無責任タカ・ビートたけし」とある。オモシロソー!
 佐高信氏の評論集も好んで買い求める。小生の嫌いな人物たちを、彼もまた小気味よくバッサリとやってくれるからだ。

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 井上ひさし氏のエッセイ集「ふふふふ」(講談社文庫)は、彼の意志が明快に読めてGOOD。前回の芥川賞の「共喰い」(田中慎弥/集英社)は、途中で……飽きた。作者のお人柄やメッセージはオモシロソーなのに。

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 とにかくいま、時代は「反動」「逆流」の気配が強い。それであえて戦時下、当時の国会で「反戦演説」をした斎藤隆夫とその関係資料も読み込みたい。

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寒月やさて行く末の丁と半
            ―― 変哲(小沢昭一)


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ケイちゃんの目 ↓

本庄の憧れの人

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好評配信中 着うたフル・着うた「鳥になれたらいいね」楽曲配信の詳細は
こちら Link をご覧ください。

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好評配信中 ドラマチック・リーディング「小童夜叉・捨」
配信詳細はこちらを Link ご覧ください。

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— posted by 本庄慧一郎 at 01:24 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第307回(通算419回)

2013年3月――本格の春を待ちわびながらのメモランダム

 2月24日東京新聞コラム『言いたい放談』/映画監督小栗康平氏の「人の声」を読む。
 2月4日東京新聞TOKYO発欄コラム『うらかた有情』 の「最後の音職人・玉井和雄氏」について書かれている。それを読んで、小生もまたあらためての感慨を抱いた。

***

 玉井和雄氏は文化放送の効果マンのベテランで、現在80歳になられるとか。
 「効果マン」とは、ラジオドラマなどの「効果音」を作るスタッフのことをいう。
 小生も若い時(放送作家として、また演劇のスタッフとして)効果音なるものに深く関わったことがあるので、玉井氏の記事を読み、その頁をキープしていた。

***

 記事の中の玉井氏の言葉「テレビは嫌い。音が映像の奴隷だから」に、小栗氏もふれていたが、「音」に対する現在のテレビスタッフ及び出演者たちの無神経さにはウンザリするばかりだったから。

***

 「効果音→SE→サウンドエフェクト」は、演劇のフィールドでは「擬音」と称していた。波の音も、そして雨音なども、現実音を録音したモノを再生して使うことはなかった。すべて、さまざまな工夫と道具で人工的に作成して、ドラマの物語や内容等にぴったりした「音」を創作して使用した。つまり、あらためての「作り物」の音だ。

***

 演劇青年の小生に「ドラマの音響」をコーチしてくれた人がいた。  かつてのニッポン放送に在籍していた加納米一氏だった。そしてこの加納氏とも親交のあった辻享二氏(お二人とも、新国劇、新派をはじめかずかずの商業演劇の舞台の効果音をも担当した)とも親しかった。

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 彼らの「創る」さまざまな「音」は、現実のそれ、(波、風、雨音などなど)とは異なり、そのときどきの舞台の物語や登場人物の「心情」や「所作」にシンクロして  いきいきと鮮やかな現実音とは異なる個性的な魅力を発揮した。

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 小栗氏もふれられているように、玉井氏の言う「テレビは嫌い。音が映像の奴隷だから」は、現在のテレビのクオリティの全体に対しての評でもあると思っている。
 いや、テレビのみならず、かつてはていねいに制作されていたあれこれのテレビ番組も、いまや無神経で大ざっぱなタレントたちの「フリートーク」「その場かぎり」の出まかせパフォーマンスでひたすら「ダベリのごみため」になった。(一部を除いては……と申し添えるかネ)

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 エンターテインメント番組の主流であるバラエティとかクイズ番組なんて、どれもこれもバカ騒ぎとワルハシャギばかりで、とてもコチトラ、つき合っていられない。
 たとえば、ずっと親しく仕事をご一緒してきたナレーターの城達也さん(あのTOKYO FMの「ジェットストリーム」)のような、品性と快い「語り」の楽しさを玩味させてくれるタレントなんて、いまやゼロだもんねぇ。

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 なにしろ、ナレーターとか、TV局のアナウンサーの「語り」のディテールがひどい。
 キンキンのアニメ声(女性の声優?)がハヤリらしくて、TVCM、番組などにもやたら起用されているが、あのかん高い、奇妙なフシをつけた喋りはいまや、「音害―公害」だね。
 その他、ハナ声(甘ったれた作り声)の女性タレントの声そのもの。また不快でしかない男性タレントの「ツクリの喋り」など、まったくいいかげんにしてほしい!

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 たとえば、「語りことば」だが、あらかじめ用意された原稿などを「語る―音声化する」場合にも、句読点や行カエのニュアンスも読めない。表現できない。さらにことばの一語一語に、肝心かなめの「意味」や「ハート」が託されていることも(ほとんど)ない。もうひとつ、本来のイントネーションを無視して勝手に「ナマって」いる!

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 ついでに言うが最近のNHKがせっせと「民放化」につとめているのが、これまた不快でアル。どうして、そんな「アホな努力」をするのかね?
 週刊誌によれば、NHKの職員(スタッフ)らの年俸は1千ン百万円……とか。視聴料を徴収しているNHKは「それなりの質」を保って、劣化とダラクの一方の民放の番組を押しのける上質のモノを作りなさいよ!
 NHKがそんなテイタラクだから、粗製乱造の民放の「音声化する言葉」はそれはもう……です。
 そこへもってきて、ハートレスで無作法で勝手にワルハシャギする芸人たちやCM群の跳梁で、うんざりさせられるゼ。
 TV番組の視聴率獲得にナリフリ構わずの制作スタッフの皆さん、ホントにこのままで……いいの?
 そのうち小栗氏(ごぶさたしてます!)と玉井氏と3人でお話をしたいですね。

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○追記

 原発再稼動問題は、もちろん未解決だが、あれほど声高に喧伝された「電力不足」はとりわけ寒さのきついこの冬(暖房需要のアップする)なのに、何故か鎮静してしまった。
 そういえば、繁華街の過剰ネオンもさらに冬の樹木いじめの無意味イルミネーションの自粛もないままである。
 あちこちのタワーの派手なライティングも、そして愚にもつかないテレビ番組のオンパレードも……使用電力の「ムダ使い」は放置されたままだ。
 ヘンというより、「インチキ」の臭気フンプンだねぇ。

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 「誰でもいい」と口走って、刃物を振りまわし、銃をぶっ放す物騒な「害獣・害虫」みたいなのが右往左往している。
 そして「マダニ」とやらに噛まれて一命を落とす人が続く。
 そういえばアベ政権復活で「天下りダニ」も再び活発に動き出したとか。
 ああ、イヤだ、イヤだ、イヤだねぇ!

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 東北青森地方のドカ雪、積雪なんと5.5メートル以上とか。83歳になる老婆がひとり除雪作業につとめる――。
 その状況を伝えるニュース映像。朝のワイドショーのスタジオで、その映像について「感想」をのべる女性タレントの、盛夏のような半袖ブラウス姿が異様に目に立つ。
 それでなくとも福島の被災者たちの避難先や仮設住宅での耐乏・耐寒生活が思いやられるいま、心なき「マスコミ人種たち」の跳梁に無性にハラを立てる。
 同時にこういう番組を「アタリマエ」とするテレビ局及び制作スタッフたちの怠慢に、手のほどこしようのない「堕落」を思い知らされる。


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ケイちゃんの目 ↓

本格の春を待つ
石神井・三宝寺池



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— posted by 本庄慧一郎 at 03:45 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
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平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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