●ひょいと見たテレビ番組で、有名芸能人の自宅が紹介されているのに、何度か出くわした。
ご主人であるその人のスキャンダルや事件のために「私邸公開」という結果になった――ケースもあるが、「これ見よがし」のケースも多い。
●かく申すワタシは、芸能マスコミ界の仕事が長かったので、そのテレビ公開された「豪邸」のあるじの「その昔」を知っている場合が多い。
「へえ! あの人のウチって、こんなにスゴイの? へぇ!」と呟く。
●たとえば――
現在のようにテレビメディアが悪はしゃぎをする以前のことだが、(つまり、テレビタレントなどとよばれる者が存在しなかった時代)演劇出身の俳優たちはすべからく、生活するのにも苦労していた。現在のテレビドラマのワキを固める老練な俳優たちのことだが、その例外はないといえる。
●たとえば――
女性の場合はクラブやバーのホステスなどでも生活費を稼いだ。
男性アルバイトは、工事現場の力仕事なども当然だった。
となると、やはり女性の稼ぎのほうが多く、俳優(志望者)同士の夫婦の場合では、「夫がワイフに食わせてもらっている」というケースが常態化していた――。
●そういえば――
ある男性俳優の場合だが、ずっと同業である奥さんの稼ぎに頼って暮らしていたが、やがてテレビ番組などのおかげで、「有名タレンタト」になった。が、トタンにその世話になった奥さんと離婚――そして、ある女性テレビタレントと再婚した。
●その女性タレントがあるふやけたテレビ番組で、「自宅公開」をした。
こまかいことは忘れたが、彼女のベットルームが紹介されたのだが、まるで趣味の悪いラブホテルのような(!)ゴテゴテとハデに飾った情景にヘキエキしたことだけを記憶している。
否も応もなく、「成り上がり」というコトバを思い出したネ。
●話はいきなり変わるけど――
仏教語に「五欲」というコトバがある。
広辞苑によれば、
「㋐五官(眼・耳・鼻・舌・身)の五境(色・声・香・味・触)に対する欲望。感覚的欲望」
「㋑財・色・飲食・名(誉)・睡眠を求める欲望」とある。
●「㋑」の項を補足すると――
「財産欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲」となるかね。
この中の「色欲・飲食欲・睡眠欲」はまあ、ごくごくプライベートなことだから、ワキにおいておいて――と。
あとの二つ、「財産欲」「名誉欲」だね。
●現在の政治や社会の表層をメタンガスのあぶくのように醜く覆っているのは、この「財産欲」と「名誉欲」に冒された者たちの跳りょうだ。
●現在の政治というフィールドにウヨウヨする者たちの「国費――公金――国民が納めた税金」のデタラメな使い方は目に余る。
1ヶ月に1人60万円とかいう東京都の議員の(全国の都道府県での最高とか)政務活動費の使途をはじめ、デタラメ・ウソッパチの支出内容の放置は、今回の小渕優子なる議員のケースでも暴露された。
●そういえば――
「うちわ」で問題視されて大臣を辞任した松島みどりとやらの女性が「こんなことで責任をとらされるなら議員全員が……」といきまいていた。
「語るに落ちる」の典型のようなモノだね。
●つくづく思うのデス。
「成り上がりたくない」そして「成り下がりたくない」。
なんとか、おのれにもっともふさわしい場所に、できるだけ素直な気持でくらしていたい――なんて、悟りを求めるエライ坊さんのようなコトを言ったりして。
わたしは、愚劣をふくらませる黄金の風が大嫌いだ。
――ミュッセ/フランスの作家
●追記
金まみれ・欲まみれ・嘘まみれ・泥まみれ?
辞任に追い込まれた女性大臣をリリーフした新任の宮沢洋一氏の資金管理団体「宮沢会」が政治活動費から「SMバー」のカネを支出していたと――さっそく(またしても!)スキャンダルが暴かれた。
「うちわ」やベビー用品、ワインも違法だけど……情けないねぇ。