猿・猪・鹿・熊・鴉……そして虎と狐と……。
●近頃、人里や町に、山に棲んでいるはずのケモノが現れて、人々に危害を加え、観光地などでは店の商品をかっぱらうなど、目に余る事件(?)が多発している。
●もともと、多種多様な人間が蝟集する都会には、ケモノのような人間がまぎれこんでいて、とんでもないトラブルや事件をひき起こす。
しかし最近では、人心おだやかなはずの地方の町でも「ゲッ!」と仰天するような残酷な事件が起きているなぁ。
●そういえば――ワタクシがずっと長いこと関わってきたテレビ、ゲーノー、マスコミという業界には「虎の威を借る狐」というイヤラシイ奴がワンサと棲息していた。つまり「有名タレント」という人種がいると、その周辺にウロウロするマネージャーなどでね。
●いや、その「有名タレント」その者が、イヤラシイ「成り上がり者」だったりする場合もあって、そのマネージャーたる人物も勘違いして、エラソーにしている場合もずいぶんあった。
●そうねぇ、テレビ局のヤツとか大手広告代理店のモノとか、とにかく、カラッポ野郎が、得意ヅラして、そっくり返っていてね。
つまり「虎の威を借る狐」そのものみたいなヤツ。でも、もっとコッケイなのは「虎」本体のニンゲンも、これまた「まがいもの」だったりするケースも多いから、カワイソーというか、みじめというか、哀れというか!
●なーに! この種の成り上がり人間は、テレビ、ゲーノー、マスコミ界だけのことじゃないよね。最近でも、カネがらみで醜くコケた例はいくつもあったものね。徳洲会とか、イノセとか、ワタナベヨシミとか……。
●ワタクシの近辺にも、スキャンダルだけならまだしも(?)、刑事事件までひき起こして、でもヌケヌケとやってるのが、あれこれいるけど。みんな強いね。エライね。したたかだねぇ。
そんなギョーカイにも「会いたい人」はいるのです。
●2014年3月27日の東中野のポレポレ坐のイベント『今よみがえる唖蝉坊/没後70年 明治・大正の演歌師・添田唖蝉坊その世界』
快いおつきあいをさせて頂いている木村聖哉さん(あの矢崎泰久さんの『話の特集』の編集などで活躍していた方)の出演のご案内で出かけて、その会場で「しばらくでした!」と声をかけて下さった方がいて――。
●故小沢昭一さんのマネージャーだった津島滋人さんでした。
ワタクシは、小沢昭一さんご本人とは「20代の小沢青年」の頃からのおつきあいだったので、小沢さんとはずっと個人的なやりとりをしていて、ついぞ事務所のマネージャーさんを通じてのやりとりをしないでいたのデス。
●でもずっと、津島滋人さんにはジカにお会いしたいと思っていたのデス。これまでゆっくりお話する機会もなかった。でも実際のところ津島さんのことは「直感」で「あの人にはぜひお会いしたい」と思っていたのでした――。
●小沢昭一さんが亡くなったあと、津島さんがポレホレ坐にプロデューサーとして加わった――ということで再会したのでした。
今回の『添田唖蝉坊その世界』のイベントは、とにかくギュウ詰めの満員で、なにしろ面白かった。大成功でした!
●それはそれとして。さっそく津島さんに乞うてワタクシの仕事場にきてもらいました。
そして「小沢昭一さんに惚れて38年余りのおつきあいでした」と心あたたまる挿話を聞かせてくれて、ワタクシもいい気持ちにさせてもらったのです。
●テレビ・ゲーノー・マスコミ界にも「会いたい人」は存在します。でも、当然のことながらご本人もそのマネージャーさんも「顔も見たくないヤツ」の方が多いのだけど。
小沢昭一さんを理解し、尊敬して38年
●津島慈人さんは、小沢昭一さんを尊敬して、マネージャーを志願した。そして38年余りを過ごしていたのです。
こういうケースは、むしろ珍しいはずです。
●なんにしても、お互いさま一度こっきりの人生。
「この人こそ!」と思える人と出会いたいですよね。
●そういえば、かの啄木の歌にこんなのがありました。(歌としてかくべついいとは思えませんけれど、印象にのこっているのです)
いつとなく我にあゆみ寄り
手を握り
またいつとなく去り行く人々!
――啄木
●俳優・タレント・芸人などの自称マネージャーはホーキで掃くはどに(ゴテゴテ・ワンサと)存在する。といっても「優秀なマネージャー」は極端に少ない。
「虎の威を借る狐」は論外にしても、「なるほど」と言わせる者はなかなかお目にかかれないのが現実。
●「個の才能と可能性」を「影になり日向になり」しながら黙々と誘導し、ひたすら尽くすマネージャーの存在は、希少価値であり、同時にそのこと自身が「talent――才能」と評すべきなのだ。
●それにしても昨今のマスコミ・ゲーノー界(に限らないけどサ)――勝手に暴走するヤツが多いよねぇ!
ケイちゃんの目 ↓
小沢昭一さんの亡くなったあとに頂いた本とCD
小沢昭一さん推薦文の拙著