「社会&芸能・つれづれ愚差」第297回(通算409回)

小沢昭一さん逝く。(平成24年12月10日/享年83歳)

●小沢昭一さんとの出会いは「サザエさん」
 マンガ「サザエさん」(長谷川町子著)は周知のケッ作です。
 この原作は、テレビ、映画、アニメ、舞台と、そして多様なスタッフ・キャストで多くの人々にアピールしてきました。
 しかし、もうひとつ、ラジオドラマ化されたこともありました。
 ニッポン放送をキィ局(スポンサーはたしか「森永製菓・森永乳業」)に全国ネット放送で、月〜土の朝8時から15分間のオビ番組でした。
 なんと10年間余りのロングラン(1955年1月4日〜1965年4月)でした。

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 原作長谷川町子/脚色小沢不二夫。お父さん・東野英次郎、お母さん・三戸部スエ、サザエさん・市川寿美礼――そして若き日の岸田今日子、小山田宗徳、さらに野中マリ、楠侑子、etc。なにしろ1週6本の1話完結のハナシですから、登場人物は多様で、出演者も多彩、それはそれはニギヤカでした。

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 なにしろ、磯野家のあるじ波平役が俳優座の御大東野英治郎ですから、マンガのラジオドラマ化とはいえ、録音現場(有楽町ニッポン放送第1スタジオ)は、毎回、ちゃんとマジメでした。

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**ラジオドラマ「サザエさん」の時代/出演者スタッフの親睦旅行での
東野英治郎氏と小沢昭一青年(中央の2人)**
(「小沢昭一の「この道」思えばいとしや〔出たとこ勝負〕」 2011年 東京新聞刊 p137より)

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 脚本担当の劇作家小沢不二夫が叔父でしたので、小生は「内弟子」として助手になり、多忙をきわめる小沢不二夫の代作(ニッポン放送スタッタも認知)を命じられました。
 初めは、週6本のうちの1本、「まぁ、いいだろう」となって、週2本、週3本……と書かせてもらうことになりました。(これが実習訓練でした)

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 サザエさん一家のレギュラーの他に、当然さまざまな人物(例――町のチンピラ、押し売りの男、ヘンなおばあさんなど)が入れ替わり登場しますが、そのイレギュラー役をあれこれ実に巧みに演じていたのが、青年小沢昭一さんでした。

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 俳優座養成所第2期生――手元の資料によれば同期には高橋昌也、滝田裕介、宮崎恭子(後に仲代達矢夫人)、井上昭文。中退組には佐藤英夫、菅原謙次など。3期生には、小山田宗徳、安井昌二、愛川欽也、穂積隆信、小松原庸子(スペイン舞踊)の名がある。
 何にしてもこの養成所は、後の演劇、映画、テレビなどで活躍する人材が揃っていた。

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●チョイ役専門の小沢昭一さんにレギュラー役を。
 ラジオドラマ「サザエさん」の録音スタジオで、毎回「チョイ役」の小沢昭一さんは、東野御大から「ショーイチ!」「ショーイチ!」と呼ばれて、実に小マメに身の回りの雑事を引き受けていたのです。

***

 ある日、師である小沢不二夫に「あの小沢昭一に、毎日出られる役を作ってやっておくれ」と小生は命じられます。それで、小沢不二夫宅(当時)のあった西武池袋線石神井公園駅スグの踏み切り際に新規開店した「喜久屋酒店」がありました。その若いご主人が小沢家に来るのをヒントに、「ちわァ! きくやです。サザエさん、ご用はありませんかァ〜」と、小沢昭一さんに「酒屋きくや」役を設定。毎日のように「チョロっとでも」出演するホンを書いたのです。

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 この小沢昭一さんの「酒屋のきくやさん」が好評で、本庄一郎名で放送作家デビューした小生は「昭ちゃんの、ちわァ〜毎度ありィ」という番組を別に持たしてもらいました。
 同時に穂積隆信さん、城所英夫さん、北里深雪さん他、俳優座養成所出身の多くの皆さんとあれこれ仕事をしましたねぇ。

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●その頃から小沢昭一さんは売れっこになった。
 当時のことを小沢さんはこのように書いています。
『(略)当時は私も、養成所出たての新進気鋭ですし、ギャラは安いですから引く手あまたで、何冊もの連続放送劇の台本をかかえては、毎晩のように放送局で徹夜録音をしていたものです。
そのなかでも「サザエさん」とか「パパ行ってらっしゃい」とか、長寿番組にも出さしてもらって、生活は早くから長期安定いたしました。
ですから幸いなことに、私には、いわゆる下積み時代というものはありません。養成所を出てからは、スターさんのようにどっと大売れということもありませんが、チョロチョロ絶え間なくラジオで稼がせてもらっているわけです。まさにラジオ大明神、柏手(かしわで)パンパンでありますョ。(略)』
(「小沢昭一背中でしゃべったモノローグ」 小沢昭一著 1985年 学習研究社刊より)


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 ところで、小生は現在もその石神井にこだわって住み着いているのですが、モデルになった「喜久屋酒店」は西武線を越えて商店街に移転。現在はボート池への通りに面して在り、健在であります。小生の「1万歩ウオーク」の道すがら、その店の前を通ると必ず「小沢昭一さんのきくやさん」を思い出すのです。

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 その後、小沢昭一さんには、新刊のご著書(さらにン10枚ものCDなども)をご恵贈頂いてきました。

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 そして、拙著をお送りすると、そのつどていねいなお礼のお手紙やおハガキを頂きました。

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 劇団テアトル・エコー公演「大都映画撮影所物語」(2006年11月〜12月)にもご来場くださって「うれしいおハガキ」をもらいました。

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 さらに、拙著のオビに推薦のことばを頂いたりしました。(本庄慧一郎著の「幻のB級!大都映画がゆく Link 」2009年 集英社新書刊)

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 そういえば、「したまちコメディ映画祭in台東」第1回「コメディ栄誉賞」受賞の際、小沢昭一主演の日活映画「"エロ事師たち"より 人類学入門 」「大当り百発百中」の上映と小沢さんの講演があったのですが、その楽屋を訪問してご一緒に写真を撮らせて頂きました。

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●TBSラジオ「小沢昭一の小沢昭一的こころ」との縁。
 放送作家、そして併行しての広告業(プロデュース、コピーライティング)時代には、民間放送連盟の年間作品コンテストの審査員をたびたび承りました。そして「小沢昭一的こころ10周年記念スペシャル/元祖蒲田行進曲」を1983年度「民間放送連盟賞娯楽部門最優秀賞」に推挙したのでした。
 審査員5名。なかにし礼さんもご一緒で「昭ちゃん、おもしろいねぇ」と話したものです。
以前から、東芝EMIの楽曲PRもせっせとやっていて、水原弘、黛ジュンとかザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」とか、はたまた「ビートルズの日本上陸キャンペーン」とかに関わっていて、「なかにし礼作詞」の楽曲も「ただいまヒット中!」のCM作りを通じて大いに販促に貢献していたのです。

***

 「元祖蒲田行進曲」(構成神津友好)の受賞パーティが、TBSのパーラーで開催されて、小生もラジオ局のディレクター諸氏とその会場に立ち寄りました。するとあのパワフルな小沢昭一節が会場に聞こえていました。
 「本日は、この会場に私のイノチノオンジンというべきお方がおいでです」の昭ちゃんの声があり、同時にスポットライトがパーティ会場を右往左往しました。
 「その方には、同じラジオ局でも有楽町にあるラジオ局で、なんとかアパート代が払えるような生活費を稼がせてもらったコトがありました」とさらにメリハリが強化されて、何とライトが小生を捉えたのでした。
 それにしても「命の恩人なんて……」とオロオロしながら「おめでとう!」と言った記憶があります。

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 拙著「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(2010年 東京新聞出版部刊)にも、小沢昭一さんの本のこと、新宿末広亭出演のことなどを書かしてもらいました。

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 昭和60(1985)年頃、諸般の事情があって、新宿厚生年金会館の近くで貸スタジオを経営していたことがあります。
 当時、小沢昭一さんは、あのロングランを記録した「唐来参和」(井上ひさし作)に入れ込んでいて、(再演に備えての稽古で)スタジオに仮セットを持ち込んで詰めっきりで研さんに努めていた。
 折をみて、そのスタジオを訪問してあれこれの話をしたのだが、まるで修行僧のような真摯で一途な小沢さんの「もうひとつの時」は、印象に鮮やかに刻まれています。

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 あれはいつだったか? 港区のあるホテルで「小沢昭一のトークショー」が開催されました。たしか、TBSラジオの「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の番組スタッフともどもご招待されて出かけたハズ。
 ステージには、テーブルと卓上マイクがあり、小沢さんが登場して語り始めた。
 寄席の高座の噺家さんは、イントロの「まくら」の語り出しを大切にするが、その日の小沢さんも、あえて声をおさえて喋り始めた――と、いきなりホテルの女性スタッフがステージを足早に横切ってきれ、テーブルの上の卓上マイクをズ、ズ、ズと小沢さんの顔前に押しやったのだ。
 つまり、気を利かしてマイクONにした――ということ。
 「まったく、余計なことをしやがって!」公演後、小沢さんは、シブイ顔をしていました。
 昭ちゃんの「出たとこ勝負」とか、「行きあたりバッタリ」とかの常套句は、すべて綿密でこまやかな配慮に裏打ちされているというコトなのですね。

***

 新劇――俳優座養成所に学び、ブレヒトなども演じながら、どっぷり庶民・大衆のフィールドで大活躍した小沢昭一さんという人の才能……というよりお人柄そのものに、半世紀あまり親しくさせてもらってきました。
 このところ大滝秀治さん、森光子さん、中村勘三郎さん。そして小沢昭一さんの訃報が続いた。思いはいっぱいあれこれありますし、書きたいことも山ほどありますが、また時をあらためて――。

***

 浅草好きだった小沢昭一さんの著書「ぼくの浅草案内」には、
『隅田川をはさんだ対岸、向島の川っぺりの寺が気に入って、私はそこに自分の墓を立て、永遠の栖(すみか)ときめた。私の墓から私のヒトダマがピョンとはねれば、浅草の灯が見えるようにである。私は、だから永久に浅草のそばにいる。川ひとつへだてたところが、ミソなのかもしれない。』
(「ぼくの浅草案内」 小沢昭一著 2001年 ちくま文庫刊より)
 とあります。

 そういえば、中村勘三郎さんの中村家のお墓も浅草――三ノ輪寄りにあります。
 年明け早々にお二方の墓参をと考えています。
 とりわけ親しみを感じていた4人の皆さんのご冥福をあらためてお祈りしております。





 おい下駄を出しておくれよ春の風  変哲
(「句集 変哲」 小沢昭一著 1992年 三月書房刊より)


 2013年の新しい春の風を待たずに永い旅に出た変哲(小沢昭一)さんへ――心をこめて。
 Rest In Peace. See you again.
                   本庄慧一郎





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 最近の東京新聞には、小沢昭一著の「小沢昭一のこの道 思えばいとしや出たとこ勝負」と小生の「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年」(いずれも東京新聞出版部刊)の広告が前後して掲載されている。これも得難いご縁だと思っています。

— posted by 本庄慧一郎 at 04:22 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第296回(通算408回)

危険な「道」に迷い込むな
 
 北朝鮮の人工衛星の打ち上げが成功したという。
 来年には核実験を実行するとか。
 折しも、中国の航空機が日本の領空を侵犯した。
 それに対応して自衛隊の航空機が複数機が飛んだ。

***

 尖閣諸島問題をきっかけに、いきなり危険ムードが高まっている。
 そして、現在進行形の選挙の結果が、すぐ明らかになる。

***

 アベ・イシハラといった人物の動行の「右傾化」は顕著だ。
 もし、平和憲法が改訂されて――「国防軍」を目玉とする、ラジカルな政策が独走すると、日本国の今後の状況はたちまち危機・危険に晒されることになる。

***

 それでなくても、老朽化した原発施設と巨大地震。そしてトンネルや高速道路の劣化にともなう大事故の予兆。
 これらの問題は、先延ばしのきかない緊急課題としてわれわれの目前にある。

***

 「フクシマの悲劇」は1年9ヶ月過ぎた現在も、ほとんど放置されたままである。
 いまこの時――日本が方向を誤れば、一挙に「日本国壊滅」なんてことにも――なりかねない!

***

 心ある人たちが全力をあげ、力を合わせて、絶対に「危険な道」に踏み込まないようにしなかればならない。



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ケイちゃんの目 ↓


こんな平和な風景が失われてはならない



**石神井・氷川神社の骨とう市**

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**関のボロ市**

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— posted by 本庄慧一郎 at 02:41 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第295回(通算407回)

若者たちへ。賢い若者たちへ。

 71年前の12月8日、日本は自ら悲惨きわまる「戦争」へ突入した。

 今回の選挙は、あなたたち自身にとってきわめて重要・重大選挙です。
 とにかく、棄権しないで、投票所に行って下さい。賢い投票をして下さい。
 まず――

��「原発」という施設は、日本の将来に間違いなく禍根を残す手に負えない負(ふ)の産物であることを理解して下さい。

��「原発再稼動」は、電力会社、一部政治家、関係企業その関係者の「エゴの行為」です。

�8業�から排出される「核のゴミ」は引き受け手のない「危険物」で、そのマイナスの悪作用は半永久的に残留し、地球を、人類の生命を破滅させます。

�じ什漾�大問題になっている「トンネルの大事故」同様、すでに「経年劣化」した「危険な原発」は各地に点在しています。

�イ垢任乏莢仍海粒萋阿斑漏綿册阿硲唯隠哀�ラスの大地震が発生することがしきりに喧伝されています。「フクシマ」で現実になった「大地震と津波と劣化・老朽化した原発」との恐怖の関係をしっかり考えるべきです。

�Δ気蕕法�憲法改正変更によって、「国防軍」の具体化と、それによって「徴兵制の義務化」などが実施されることになれば、若者たちはすべからく「有無のない集団生活」に取り込まれて――「生死をかけた戦場」へ駆り出されることになるかもしれないということを、あらためて確認して賢く判断して下さい。

 どんな理由があるにしろ、徹底した平和主義と、平和的手段を手放さず、「戦争」を誘発するような行為行動を絶対に拒否して下さい。
 きみの将来と、愛する者たちの未来のために是が非でも「賢い判断」を!
 今回の選挙はそう言った「意味」をふまえた重要イベントです。
 若者よ! 棄権するな。


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ケイちゃんの目 ↓

今回の1万歩ウォーク

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**狭山湖の岸辺で仲良くなった「はぐれ雀君」**

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— posted by 本庄慧一郎 at 03:17 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第294回(通算406回)

2012年12月のあて字誤字コレクション

●暴走老人――その異種・異形。


 暴走陋人 (陋――いやしいこと。みにくいこと)
 暴走牢人 (牢――キケン人物を止めておくところ)
 暴騒老人 (騒――ただひたすらうるさいこと)
 暴燥老人 (燥――カラカラに乾いていること)
 暴瘡老人 (瘡――できもの。はれもの)
 暴躁老人 (躁――やたらはしゃいでいること)


***

●脱原発・卒原発――その異種・異形。

 反原発
 不原発
 無原発
 嫌原発
 非原発
 拒原発
 禁原発
 絶原発
 否原発
 蹴原発
 ………………etc。

***

 原発施設の老朽化と施設の地層に縦横に走る危険極まる「地震巣」――にもかかわらず、素っとぼけたことを口走るヤカラが、ワンサといるんだから!
 皆さん! とりわけ若者諸君! きみ自身の未来のために、今回の重大選挙、しっかり厳しく「選択」をお願いします。


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ケイちゃんの目 ↓

本庄慧一郎のチープツアー
ご近所 秋のコレクション

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— posted by 本庄慧一郎 at 01:30 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第293回(通算405回)

遅ればせながら「暴走老人」を読んでいる

 藤原智美著「暴走老人」(2007年/文藝春秋刊)。
 とにもかくにも「分別あるはずのオトナ」たちがいま、やたら目に立つ。
 いや、藤原智美のいう「暴走老人」がウヨウヨしている。

***

 その代表のような者が、イシハラとアベだ。
 この「師走の選挙戦」は「多党乱立」ということだが、なんのことはない頑固と偏狭な自己満足を「アナクロっぽい愛国心」で糊塗して喚いている。そして、その周辺にうろつくのは、これまたセコイ保身と我利の毒素に浸蝕されたうさん臭い政治屋たちだ。

***

 イシハラやアベが口にする「愛国」の質は、戦後67年間、なんとか保ってきた「価値ある平和」を根こそぎくつがえす危険が内包されている。
 原発事故を「ささいなこと」と言い放つイシハラや「強い日本」をがなり立てるアベ――その周囲をウロチョロする者たちに、われわれは何を期待できるというのか。

***

 今回の衆院選・都知事選のキーポイントは「浮動票」にあるという。
 その浮動票の基底にあるのは「政治に無関心な若者たち」とか。
 若者たちよ! 今こそまじめにしっかりと考えてくれよ! 君たち自身の明日のことだよ。君たちの未来のことだよ。

***

 たとえば、東京新聞「タカ派色前面/安倍首相当時頓挫の公約再登場」の記事――「自民党政権公約のポイント」の7項目のうちの「改憲」の項を読んだだろうか。
 以下、引用。
改憲→新憲法草案を制定し、�‥傾弔聾擬鶚�国防軍を保持�6杁淹�態条項を新設―などを明記
  →憲法改正発議要件を衆参それぞれ3分の2以上から過半数に緩和する
(東京新聞 2012年11月22日 朝刊より)

***

 その�△�「国防軍を保持」が法制化されたら、それはきっと「徴兵義務」へと積極化されるだろう。
 ここで、三國一朗著「戦中用語集」から引用しておく。
 以下、引用。
徴兵検査
 国家が国民に兵役義務を課し、強制的に徴集して兵役に服させる「国民皆兵」の徴兵制が日本で採用されたのは、明治維新後のことである。明治政府によって、軍備の整備が近代国家建設の基礎であり重要政策でもあるとされ、大村益次郎、山県有朋、西郷従道によって、「国民皆兵」の基礎がつくられた。
 明治六(一八七三)年の一月、「徴兵令」が発布され、満二〇歳の男子を「徴兵検査」で選抜して常備軍に三年間服務させることにした。(略)
 「兵役法」によると、兵役は常備兵役・後備兵役・補充兵役・国民兵役にわけ、その「常備兵役」を〈現役〉と〈予備役〉にわけた。日常用語の「現役」は、ここから生まれたものである。  「補充兵役」には、第一補充兵役、第二補充兵役があったが、太平洋戦争中には第三補充兵役も設けられ、〔兵隊にとられる〕範囲は着々と拡げられた。つまり、身長・体重がまずまず十人並みで、「不具(身体障害)疾病(不治の病気)にあらざる」限り、一応「合格」とされ、戦場に立つ有資格者とされたわけである。
 私は大学在学中に「徴兵検査」を受け、性器・肛門までも調べられた上、「甲種合格」の判定をもらった。(略)
(「戦中用語集」三國一朗著 1985年 岩波新書刊 pp.160-161より)



まじめにきちんと自分の未来を考える若者たちへ

 「情熱の歌人」と称された与謝野晶子(1878年〜1942年)が実弟に贈った詩をぜひ読んで下さい。

『君死にたまふことなかれ』 (旅順の攻囲軍にある弟宗七を歎きて)

 ああ、弟よ、君を泣く、
 君死にたまふことなかれ。
 末に生まれし君にれば
 親のなさけは勝(まさ)りしも、
 親は刃(やいば)をにぎらせて
 人を殺せと教へしや、
 人を殺して死ねよとて
 二十四までを育てしや。

 堺(さかひ)の街(まち)のあきびとの
 老舗(しにせ)を誇るあるじにて、
 親の名を継ぐ君なれば、
 君死にたまふことなかれ。
 旅順の城はほろぶとも、
 ほろびずとても、何事ぞ、
 君は知らじな、あきびとの
 家の習ひに無きことを。

 君死にたまふことなかれ。
 すめらみことは、戦ひに
 おほみづからは出(い)でまさね、
 互(かたみ)に人の血を流し、
 獣(けもの)の道に死ねよとは、
 死ぬるを人の誉れとは、
 おほみこころの深ければ
 もとより如何(いか)で思(おぼ)されん。

 ああ、弟よ、戦ひに
 君死にたまふことなかれ。
 過ぎにし秋を父君に
 おくれたまへる母君は、
 歎きのなかに、いたましく、
 我子を召され、家を守(も)り、
 安しと聞ける大御代も
 母の白髪(しらが)は増(ま)さりゆく。

 暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
 あえかに若き新妻(にひづま)を
 君忘るるや、思へるや。
 十月(とつき)も添はで別れたる
 少女(をとめ)ごころを思ひみよ。
 この世ひとりの君ならで
 ああまた誰を頼むべき。
 君死にたまふことなかれ。
(「現代名詩選(上)」 伊藤信吉編 1969年 新潮社刊 pp.42-43より)




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ケイちゃんの目 ↓

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**わが家のおもと(万年青)の赤い実**

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**マイシルエット(本庄慧一郎のカゲと落葉)**

— posted by 本庄慧一郎 at 11:29 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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