「社会&芸能・つれづれ愚差」第52回(通算162回)

08年3月に観た映画とTVドラマ

 映画「明日への遺言」監督小泉堯史。主演藤田まこと
 3月15日(土)T・ジョイ大泉にて観る。

 第二次世界大戦の敗戦後、B級戦犯として軍事裁判の法廷に立ち、死刑の判決を受けた「岡田資(たすく)中将」をモデルにした物語。
 出演交渉を受けた藤田まこと氏は半年間迷ったという。
 〔軍人としての責任〕を主題にしたこの映画の制作上の出来不出来をいうなら不満はない。
 ただし、〔軍人としての責任〕を一身に引き受けて決然と絞首台に立つ主人公が遺したという物語の〔印象〕に、「軍人賛美」を感じたのは小生だけだろうか。
 藤田まこと氏が出演をためらった最大の理由は、何だったのか。
 小泉監督にも、作品としての〔着地点〕に狂いはなかったのかとあらためて問いたい。



●テレビドラマ「3月10日。東京大空襲/語られなかった33枚の真実」。
 3月10日(月)TBS。

 おチャラケタレントのバラエティ番組とか、大食いや食いあさり番組とか、半端なゲーノー人のスキャンダルと離婚ばなしと、マンガ原作のうわっ調子のテレビドラマ……。テレビのエンターテインメントの〔悪あがき〕は醜悪だ。
 その中にあって上記の作品は久々の力作・傑作であった。拍手。

●テレビドラマ「東京大空襲」
 3月17日(月)&3月18日(火)日本テレビ。

 前出の作品とは異なる物語性を加味してのまとめだったが、好感のもてる出来栄えであり、大いに納得。

 さて、そのうえで、苦言をあえて呈したい。
 この2種の作品の質はともかく、強引に割り込んでくる大量のCM群のほとんどが、作品の、いや物語のシークエンスを分断する雑音でしかなかったということを関係者たちはどう思っているのかね。
 もちろん〔民放〕が広告及び広告主によって成立しているのは百も承知だ。
 それにしても――せっかくの作品をズタズタにしてしまうその神経にただ肚を立てたね。
 かつて小生もテレビ番組にもCM制作にもかかわっていた。
 当時は、特番でのCMは、各広告主がその作品にマッチした企画とテーマと内容でそのためのCMを制作し、放送時点での編成もテレビ局や広告代理店などによって特別に工夫がなされた。
 もちろん、現在は広告主にそのためのCMを制作するゆとりがない……などということはあるだろう。それでもしかし……だ。
 現在のCMの大部分は、その内容において、その質においても救い難いほどに劣化している。それをそのまま〔特別番組〕に流用する無神経さは許容しかねる。
 そうでなくとも、いずれ地上波デジタル時代になれば現在のテレビ視聴(CMもふくめて)のシチュエーションは大転換期を迎えるだろう。

 番組とも現実とも乖離している愚劣なCM群の電波は自滅するね。(ああ、生まれ在所――テレビメディアが壊れていく!)
 この〔自傷行為〕は異状と言わざるを得ないね、テレビ局サン。



●「放送記念日特集/新動画時代」(3月21日・朝日新聞)
 NHK夜10:00の紹介記事より抜粋。

(略)放送と通信の垣根が消えていく中、国内外の新しい動きを追い、テレビの未来を展望する。(略)企業がテレビ局を通さず、映像を直接配信する動きも加速している。(略)米ABCのネット配信向けニュース番組の売りは「テレビより早くあなたの元へ」。テレビ放送の3時間前に配信するプログラムもある(略)。

— posted by 本庄慧一郎 at 01:54 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第51回(通算161回)

08年3月第3週の類語集

●PART1
傲慢(ごうまん)/尊大(そんだい)/横柄(おうへい)/不遜(ふそん)/権高(けんだか)/威圧的(いあつてき)/小賢しい(こざかしい)/偏狭(へんきょう)/粗略(そりゃく)/猪口才(ちょこさい)/倨傲(きょごう――地位を得て自分は偉いと思い込んでおごり高ぶること=現代の東西の都・府の痴(?)事の印象)

●PART2
詐偽(さぎ)/欺瞞(ぎまん)/瞞着(まんちゃく)/嵌める(はめる)/騙る(かたる)/謀る(はかる)/掠め取る(かすめとる)/ぺてん(ペテン)/いんちき(インチキ――道路特定財源の使途)

●PART3
降臨(こうりん)/天下り族(天界から地上に降りてくること――そのまま地上を通過して地獄へ直行するであろう人々の群れ)

●PART4

浪費(ろうひ)/濫費(らんぴ)/乱費(らんぴ)/乱暴(らんぼう)/乱行(らんこう――地方(一部)行政人の慰安旅行そのもののこと)

●PART5
実社会(じっしゃかい)/俗世間(ぞくせけん)/濁世(どくせい)/穢土(えど)/餓鬼道(がきどう)/三悪道(餓鬼・畜生・地獄の三つの苦界――現世でデタラメをやっていた者が堕ちるところ)

●PART6
痴漢(ちかん)/古狸(ふるだぬき)/古狐(ふるぎつね)/狸おやじ(タヌキオヤジ)/山師(やまし――現在の政治屋)

●PART7
格差(かくさ)/差別(さべつ)/利己(りこ)/独善(どくぜん)/画策(かくさく)/愚案(ぐあん)/牽強付会(けんきょうふかい――自分に都合のいいような勝手な理屈を弄する――例・現在の政治屋及び東西の府・都知事の弁明)/後期高齢者医療制度(こうきこうれいしゃいりょうせいど――怒ることを忘れた選挙民及び当該高齢者たちを利用した悪質政策の見本)

— posted by 本庄慧一郎 at 11:22 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第50回(通算160回)

笑ったネ。とにかく笑ったネ。
 前回も書いたけど、東京新聞サンからの依頼で「わが街わが友」というエッセイ(08年2月6日(水)〜土日と特別日を除く2月28日(木)までの15回)を書いた。
 当然、物書き初期の放送作家時代のこと、並行して始めた広告の仕事(企画・コピー・制作等)のこともかいつまんで書きしるした。
 出発点になったD企画とは、銀座にあった第一企画だったが、その第一企画は旭通と合併してアサツー・デイ・ケイになった。
 その後、あれこれのプロセスを経て、コピーライターとして広告代理店電通や博報堂の仕事をずいぶん沢山請け負って働いた。
 それで――。
 3月6日(木)の新聞やテレビで、博報堂の営業局の複数の社員が「セレブ飲み会」とやらのイベントを悪用して婦女暴行事件を起こしたことを知って「フーン、なるほどねネ」と思った。
 一流ホテルを会場にして、ワインに睡眠薬を入れて別室に連れ込んで……というとことん俗悪なケースだ。
 そして本日3月7日(金)東京新聞朝刊の社会面の見出し「電通子会社の社員・逮捕/強制わいせつ・傷害容疑/肩書誇示・女性誘う」(会社名は電通テック)でアル。
 笑ったネ。ゲラゲラ笑ったネ。そして、肚を立てて、さらにホッとしたネ。(とうにそのギョーカイから脱退したから)
 「電・博」とは広告ギョーカイの2大会社だ。かつて、ボクは毎日のように両社に通って仕事をさせてもらった。
 もちろん、人間として、社会人として真底まっとうな人もいたが、同時にとんでもないヤローもうじゃうじゃいた。
 言いたいコトは山ほどあるけど、いまは極度にウンザリしているので、こまかくは書かない。

広告代理店とテレビ・メディア
 広告代理店の人的クオリティと同時に、メディアとしてのテレビ局とその番組とCM群の劣化ぶりも……ヒドイなあ。
 例によって、「一部の報道番組と良質の番組はあるが」と前置きをするが、たとえばバラエティと称する内容の俗悪さは、ありゃ何だ?
 それと、強引に割り込むCM群の騒音と悪ハシャギぶりは、手がつけられない。
 ふり返れば、ボクの〔出身母胎〕であるフィールドは、もう手のつけられないほどに内部崩壊しつつあるようだ。
 民放ばかりではなくNHKの醜聞とそのマネージメントの勘違いと脱線ぶり。
 朝日新聞3月5日(水)の声の欄に「テレビを捨てるので解約したい」とNHKに申し入れたという投書があった。でも、何で「テレビを捨てるの!」と首をひねる。
 ボクは強制されている(!)地上波デジタル化の新機種を入れる時に1chと3chを受像できないようにメカを改造してもらおうと思っている。
 民放テレビ局は〔公共性をもった情報メディア〕のコンセプトを放棄した時、電力エネルギー浪費濫費ムダ機構に堕落するね。

日本映画のことども
 ついこの間、「日本映画復調」という活字を見たが、東京新聞3月1日(土)の記事では「転機迎えたシネコン/スクリーン当りの興収減少/閉館の例も」だってサ。
 いずれ、DVD機能が普及すると、テレビの番組も映画もいったん録画しておき、後でヒマな時に「飛ばし見」をするのが常態化するだろう。
 もちろん、俗悪なCM群なんて見るワケがない。
 当然のコトですよネ。

新聞の見出しのいくつか
「天下り法人に1888億/国交省OB 1285人・役員報酬2000万円も」とか「道路を問う/巨額の税食らう官/閑古鳥駐車場に1000億円」とか、「準高速道路も甘い計画/有料10区間・8割赤字」とか……ああ胸クソ悪い!
「新銀行東京/赤字86億・追加出資400億」――イシハラさんよ、オリンピック招致でオダあげてる場合かよ。まったく!
「まことに遺憾であります」なんて頭を下げりゃあ、あとはカエルの面にションベンなんて輩に、日本国の根っこは食い荒らされているぞ。

「遺憾」というコトバの意味
 無責任野郎の常套句の「遺憾」の意味を再確認したい。
「思い通りにいかず心残りなこと。残念。気の毒」(広辞苑)
 「ごめんなさい」「私の責任です。あやまります」なんて意味はまるでない。ほら「気の毒」という〔第三者の感想〕もあるぞ。
 国税・公金の濫費、そして私利私欲で食い散らかして「遺憾でゴザイマス」かい? これはずばり公金横領とかドロボ−だよネ、皆さん。

それにしても、まったくそれにしても。
 テレビ番組の奴らって、どうして揃ってエラソーなんだろう。
 ふしぎだ、ホントに妙だ。
 どいつもこいつもテレビの毒っけに冒されているぞ。
 ごく少数の出演者たちには好意をもっているが、その人たちの精神の健康もいずれ遠からず、と思っている――。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:48 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第49回(通算159回)

08年きさらぎ2月という月
 2月は寒い。衣(きぬ)を更に着る月――「きぬさらにきる」がつづまって「きさらぎ」になった。
 地球温暖化は地球破壊と同義語。そして、政治・社会はひたすらお寒いかぎり。
 しかし、個人的にはこの08年2月は、東京新聞サンの依頼で「わが街わが友」(土日と特別日をのぞく15回)を掲載した意味のあった月になりマシタ。
 同時に、この2月は、現在の日本の質の劣悪さの見本市のような事件が続出した月でもありマシタ。


道路特定財源問題
 国費・税金の浪費・濫費を小理屈・屁理屈で強引に合理化しようとする者たちの跳りょう――。

在日アメリカ軍の存在
 婦女暴行事件の続発と基地問題。同胞の痛みや苦しみなどは一切関知しないエゴが大道を罷り通るぜ、ニッポン。

有毒ギョーザ事件
 食糧自給率40%を下回るという現状と裏表の問題。あきらかに、農業政策の失敗がそこにある。農家を苦しめる失政の責任者をチェックし、譴責しない怠惰な選挙民たち――。

イージス艦事件
 ゴーマンと怠惰と矛盾。
 自己管理・自己責任が何であるかの弁えのない者たちのエラソーな顔と愚考と、ぼう大な国費のムダ使いと――。

新銀行東京の乱脈経営問題
 別名「イシハラ銀行」の醜聞。その一方で、オリンピック誘致に執心するなど、あきらかな分裂症異状――。
 中小企業のためをうたい文句にしているが、高金利のためにかんじんの中小企業経営者はソッポを向いている(5割にも満たない)という。都税の浪費と濫費。

三浦和義氏と再逮捕
 日本の法律に〔時効〕はあってもアメリカのそれには〔時効〕がないというが、つましくまじめに生きている者にはどっちみちそんなコトは無関係だものね。
 このHPでも何度か書いたけれど、「人は一つ嘘をつくと、そのためには新しい嘘を二十考えねばならない。そしてその二十の嘘のために……」。
 人生から嘘を除いたらパンツしか残らないなんてネ。

議員たちのお手盛り報酬アップのエゴ
 西東京市の議員たちが財政ピンチを無視して報酬アップする。
 市民たちが抗議行動に出て、市長シドロモドロの醜態をさらす。
 当練馬区も同様の問題が発生している。
 区政については、以前のイワナミ区長時代からかなり問題があった。
 いま、区としてやるべきことは山積している。
 そして「区議の報酬問題が持ち上がっている練馬区で、今度は区民プール問題で“偽装落札”か?」(東京新聞2月29日付)
 冗談じゃないよ、まったく!
 「公僕」――公衆に奉仕する者。つまり公務員のことだぜ、おじさんたちよ。
 でも、そういうハレンチ漢を選んだ区民がいるということに……ああウンザリする。

追伸
 親が子を殺し、子が親を殺す。夫が妻を殺し、妻が夫を殺す。または家族内での複数殺人……と、どうしようもない惨状。人間の畜生化!
 衣を重ね着しても、寒いココロは寒いネ。

— posted by 本庄慧一郎 at 11:29 am  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第48回(通算158回)

「反省の日」という日のこと
 ちょっと以前、〔反省ザル〕という猿が人気を集めた。
 台(テーブル)に手をついて、じっとうなだれる猿の姿がいじましく可愛いかった。
 猿廻しのおニイさんのアイディアと特訓のタマモノだった。
 このHPの文章を書いている08年2月22日(金)は、なんと(!)全国米軍こぞっての〔反省の日〕だと新聞(朝日『天声人語』)にあった。
 フーン! へえ! である。「反省の日」なんていう日が、特別にあるのがまずヘンだし、おかしいんじゃない?
 凡俗たる者(自分のこと)にとって反省というココロの営みは、空気や水やメシのような必需アイテムであった……。
 つまり、1年365日、もっといえば毎日ずうっと反省とはネンゴロにつきあってきた思いがアル。
 いや、本庄慧一郎流に言うならば、なんとか、あとでどっとヒヤ汗をかくようなことや、ひたすらオロオロとして悔い悩むようなコトをしまいと、それこそウジウジと思い患ったものでアル。
 要するに、タマに「反省の日」なんぞという特定日を設けて、それらしくすることで問題は解決しないというコトだ。
 それこそ、「反省の日」なんて、〔偽装〕〔まやかし〕のサル芝居の日にほかならないネ。

「ちょうどいい」という生き方
 東京新聞サンの依頼で、この2月6日から土・日と特別日をのぞく15回「わが街わが友」を連載してもらっている。
 本日2月20日(金)で10回目である。
 連載紙をあらためて読むと、ほんとに言うか、まったくと言うか、さまざまな人に出会ってきた。文中にも書いたのだが、かく申すワタシには「姓をよび捨てにしたり、チャン付けでよぶような親しい友人はあまりいあない」のデス。
 いっとき、テレビやCFの仕事をしていた時は100枚の名刺が1ヶ月でなくなった。現在でもパーティなどでは20枚〜30枚の名刺が消える。
 マスコミの仕事を整理して〔物書き業〕に絞った時、大型の名刺入れの箱10個分ほどの名刺を廃棄させてもらった。
 ずんぶんイロイロな人と出会って、サヨナラをしたなあ。
 ずっとJust meetというコトバを忘れずにやってきた。
 最近の日本語で「いいかげん」といえば、現在の政治・社会を象徴するキイワードになるが、ほんらいは「良い加減」で「ちょうどいい」である。
 Just meet――野球でいえばホームラン。お風呂で言えば♪いい湯だなアハハン〜でしょうね。
 実人生では、「急がず、慌てず、無理をせず」なんてコトかな。

それにしても08年2月という月は……
 有毒ギョーザとイージス艦の衝突事故と道路財源問題と、天下り族にからむ公金濫費と横領などなどと、それに基地問題とアメリカ兵たちの……日本の現状はガタガタです。
 このHPでもエラソーに書いてきましたけど、あなたは、その諸悪の根源はどこにあると思いますか?
 「改革」「改革」と連呼されていながら、まじめに働き、着実に暮らそうと努める多くの人たちをとことんないがしろにして来た政治を、あなたはどう思いますか?



「もっとも嫌らしいウソは、もっとも真実に近いウソだ」
――――アンドレ・ジィド




「反省の日」なんてことをヌケヌケ口にする者は、反省などすることはない」
――――毎日反省している本庄慧一郎




「人の痛みや苦しみ、哀しみといったことをまったく理解も想像も出来ない者たちが政治を牛耳っている」
――――日本がどんどん劣化するのでオロオロしている本庄慧一郎




「テレビというメディアを利用して出て来た者は、丸ごと信用しない」
――――テレビOBの本庄慧一郎




「この国はずる賢いゼーキン泥棒役人の天国だ」
――――心ある役人たちよ声をあげよと望む本庄慧一郎


— posted by 本庄慧一郎 at 11:33 am  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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