「社会&芸能・つれづれ愚差」第35回(通算145回)

〔麻薬〕を辞書でひく
 広辞苑――麻酔作用を持ち、常用すると習慣性になって中毒症状を起こす物質の総称。阿片・モルヒネ・コカインの類。麻酔薬として医療に使用するが、嗜好的濫用は大きな害があるので法律で規制。



 ウソも麻薬と同じである。
 のべつ、なにかの都合で(たいてい欲と虚栄にからむ)なにげなくウソをつくとそのひとつのウソから〔ねずみ算式〕にウソが増殖する。
 このウソ常習症候群に罹ると〔事実あったこと〕をやたら隠蔽する本能ばかりが旺盛になり、ついつい「記憶にない」が口をついて出るようになる。
 良心という名の人間としての〔芯〕を失った人間の顔は、例外なく空虚で醜い。

自制力と自浄力ということ
 「暴走老人」が跳りょうしているとか。ちょっと話が行き違ったりするとカッとしてキレるのだそうだ。
 思考は柔軟性がない。忍耐力にねばりがない。
 いや、もともとふだんから、ものごとを考える努力をしない。
 好き勝手なことしかせず、口を開けば不平不満ばかり。
 心をこめて「ありがとう」と頭を下げたためしがない。
 ……なーんて、これはオレのことかい?



樹皮だけの生命もある
 もう、ン十年暮らしている石神井三宝寺池の周辺の森や林はいま、晩秋の風情をまとっていて、捨て難い味わいがある。
 なにもワザワザ遠い観光地までノコノコ出かけずとも、思わず深呼吸をしてしまう風景が楽しめる。
(もともとチープ&プアな体質で、すぐシアワセになるタチだ)
 仕事場のネズミの額のような小庭の雑木の手入れも、結局プロの植木屋さんに定期的にお願いする。
 小鳥が運んできた雑木(小鳥のフンにまじっていた何かの樹の種子が芽を出して育ったのでアル)を3分の1ほど背丈を切ってもらった。切り口にフタをかぶせたりして〔防水〕しないと幹が腐ると言われた。
「でも、樹というヤツは、幹の中が腐っても、まわりの皮だけで生きているんだよ」と植木屋さんが言う。
 そういえば、氷川神社の参道に、皮だけの桜の樹があるが、春になるとちゃんと花を咲かせるのを思い出した。(あの樹はエライ!)
 そこでつい、こんなことを言ってしまった。
 「人間も中味が腐って使いものにならなくても、いっぱしの顔して理屈をこねたり『大連立!』なんてほざいている問題老人もいるものね」(この場合は民主社会に害を及ぼすのだ!)
 植木屋さんは知らん顔をして大バサミをちょきちょき鳴らしていた。
 当方も、中味がカラッポなのに口だけが達者だナ……と言われているのかいな?



  庭師来て十一月も行かむとす   北斗



— posted by 本庄慧一郎 at 11:08 am  

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