もともと、クリスマスとやらの年末の騒々しさが大キライだ。
それと、4月末から5月初旬にかけてのゴールデン・ウィークとやらもイヤだネ。
ふだん、せっせと働いて、からだも心も酷使している人たちが、これまた、ワサワサと動き回る風景に、こちとらもイライラするもんネ。
とりわけ、この09年のG・W……。いや、それ以前からずっとキレ目なしの喧騒が続いていて、もうキリがない!
というワケで、朝5時に起きて、小庭(ちんまりと狭い庭)の〔はこねうつぎ〕のひと枝を折ってきて、小さな花びんに挿す。書斎のデスクの上におく。
ずっと昔、ひょんなことから、箱根湯本の旧街道の近くに暮らしたことがある。それで〔はこね〕ということばがワケもなく好きなのだ。
いや、〔はこねうつぎ〕の花も文句なしに清楚でかわいい。赤とうすももいろと白の小花の風情に心がなごむ。
さいわい、書斎には不要な騒音は一切ない。
「シーン」という〔音が聞こえる〕。
なんとなく手近にある本を手にとる。
ピアスの「悪魔の事典」だ。
「退屈な連中」――こちらの話を聞いてもらいたいと思っているのに、ひとり勝手にしゃべり立てる連中。
「大砲」――国境を修正するのに用いる道具。
「安心」――隣人が不安を覚えているさまを眺めることから生ずる心の状態。
「慰め」――自分より優れた者が、実は自分よりかえってふしあわせでいると知ること。
「会社」――個々の人びとが、責任を負うことなく、それぞれ自己の利益をあげ得る巧みに工夫された仕掛け。
「鏡」――人間が迷いから目を覚ますようにと、そのうえで束の間の芝居が演じられるところのガラス板。
「愛国者」――部分の利害のほうが全体のそれよりも大事だと考えがちな人。政治家に手もなくだまされるお人好し。征服者のお先棒を担ぐ人。
「平和」――国際関係について、二つの戦争の時期の間に介在するだまし合いの時期をさしていう。
09年5月2日(土)AM7:00。静かな静かな朝です。
本日は、この秋出版のホンについて、編集者が来る。それまで、300枚の原稿の推こう。