「社会&芸能・つれづれ愚差」第313回(通算425回)

こころ寒い2013年の春

 「平和」とは、まっとうで堅固な多くの人々の意思によって構築されている。
 ひるがえって「戦争」とは、しょせん「破壊殺戮ゲーム」にほかならない。

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 根っから、ゴーマンでキナ臭いヤカラたちの軽挙妄動――暴言・暴走・暴挙によって「戦争」は惹き起こされる。

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 しかも、過去の戦争における状況と決定的に異なる点は、今度、のっぴきならない非常事態に立ち至れば、必ず「核弾頭ミサイル」が使用されるということだ。
 結果――その応酬によって、地球そのものの命脈が絶たれる。

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 太平洋戦争が終結して68年。かの朝鮮戦争から60年。
 なんとしても「戦禍」という地獄の濁流に人類を巻き込むような愚挙を許してはならない。巻き込まれてはならない。


最近の新聞切り抜き帳から

『主張が変わる日』 斎藤美奈子
 東日本大震災から二年の十一日、全国紙の社説を読み比べてみた。
 (中略)
 憲法や安全保障問題でも必ず意見が割れる朝日毎日VS読売産経。だけど私は忘れない。3・11前は四紙(日経新聞も入れれば五紙)すべてが原発推進派ないし容認派だった。その伝でいくと、朝日毎日は状況によって意見を変える「付和雷同型」、読売産経は何が起きても主張を変えぬ「頑迷型」ともいえる。
 現在四紙(五紙)が歩調を揃えるのはアベノミクスとTPPだ。朝日毎日はいつか論調を変えるかもしれない。が、それは厄災が生じた後だろう。原発もそうだった。小泉構造改革もそうじゃなかった? (文芸評論家)
【東京新聞2013年3月13日「こちら特報部/本音のコラム」欄より】


『狂気の時代』 山口二郎
 ひどい時代である。東京や大阪の在日コリアンが集住する地区で、排外主義団体が「死ね」などというスローガンを叫んでデモを繰り返している。東京の町田市では、小学校の全新入生に配布している防犯ブザーを、朝鮮学校の児童だけには配らないことを決定した。
 学校のいじめが社会問題だというのに、教育委員会が率先していじめを行うことは、言葉もない。
(中略)
 極め付きは、五日の朝日新聞朝刊に掲載された石原慎太郎氏のインタビューである。この人の最大の不幸は、「軍事国家樹立」を唱える自分が、自身の忌み嫌う北朝鮮の瓜二つであることに気付かない点である。
 石原氏は、いまの憲法のせいで日本は世界から孤立していると言うが、それは自分が世界について無知であることを吐露したようなものである。文明世界では、差別や人種主義を断固として否定しなければ、一人前に扱ってもらえない。憲法を軽蔑し、排外主義をあおっている連中こそが、日本を孤立させる張本人である。(後略) (北海道大教授)
【東京新聞2013年4月7日「こちら特報部/本音のコラム」欄より】


『近隣諸国と軍事衝突する気か』 会社員 野村 衛(千葉県石川市 48)
 石原慎太郎日本維新の会共同代表のインタビュー(5日朝刊)を読んだ。今さら驚くことでもないが、あまりの迷言にいささか辟易した。憲法改正、防衛産業の発展、軍事力を強化する、あろうことか核武装を議論することにまで言及している。
 安倍政権が目指す「国防軍の創設」もまたしかりだが、ではどの国と軍事衝突すると想定しているのだろうか。
(中略)
 周辺諸国との諸問題を戦争では解決できないことは68年前に答えがでている。「今度こそ大丈夫。勝てる」と夢想し、強弁するのは、負け続けているギャンブラーの心理となんら変わらない。平和の陰に戦没者の犠牲と遺族の労苦などがあることを思えば、軍事力しかないと考えるのは、冷静な心を失った誇大妄想でしかないと思う。「暴走老人」と揶揄された石原氏だが、「妄想老人」にも認定したい。社会の公器である新聞を使っての妄言、このあたりでご遠慮いただけないだろうか。
【朝日新聞2013年4月10日「オピニオン/voice声」欄より】


『平和を願うのは非現実的か』 無職 神戸道子(三重県松阪市 83)
 (略)
 戦争を知る者として、日本維新の会が3月末に採択した綱領は見過ごせない。現行憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶」と決めつけているからだ。私は、日本が孤立し、軽蔑されているとは思わない。だが、もしそうだとすれば、その元凶は、侵略戦争を否定し、従軍慰安婦も南京虐殺も否定してきた右派の政治家たちではないか。
 日中関係のこじれも、石原慎太郎氏の尖閣諸島購入計画が端緒だった。国民の多くは国際的な対立をあおる改憲勢力には同調せず、平和憲法の維持を求めている、と私は信ずる。
【朝日新聞2013年4月11日「オピニオン/voice声」欄より】



 以上4人の方の、社会や政治動向を透視する冷徹にして正確な「予知と判断」をぜひ掲載紙でご確認ください。

 それにしても、自国の命運を大きく左右するという正念場での、責任ある為政者たちの浅慮と軽率さは……噫々!

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ケイちゃんの目 ↓

平和だからこそのスナップ写真

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「花びらと道」

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「花びらと鯉」

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「花びらと水鳥」

— posted by 本庄慧一郎 at 02:31 pm  

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