「ニッポンの芸能人」シリーズ85

テアトル・エコー「大都映画撮影所物語」公演打ち上げ
 ぼくの〔もう一つの道標〕はエキサイティングでした。
 熊倉一雄さんのキューで具体化した今回の舞台はとても楽しい仕上がりで、桂小金治さんご夫妻、小沢昭一さん、永六輔さんをはじめ、矢野誠一さん、粕谷一希さん、小田嶋雄志さん、大笹吉雄さん、塚田圭一さん、高瀬精一郎さん、松波喬介さんなどの評論家や演出家の皆さん。林与一さん、水沢有美さん、花柳幻舟さん、白石奈緒美さん、佐藤B作・あめくみちこさんご夫妻。羽佐間道夫さん、矢島正明さん、谷道夫さん(デューク・エイセス)、西脇久夫さん(ボニー・ジャックス)などの俳優・タレント・歌手の方々。また日本映画の最近の大ヒット作「ALWAYS 三丁目の夕日」のプロデューサー阿部秀司さん、テレビと映画の「鬼平犯科帳」の能村庸一さん……(全部の方々のお名前を記せなくてスミマセン――次回に続きます)と文字どおり多士済々のお客様で連日満席の15日間でした。
 もうひとつ特筆すべきは、大都映画社長河合徳三郎氏のご親族・ご親戚の方々、とりわけ河合徳三郎氏のお嬢さんで大都のスターだった三城輝子さんのお嬢さん高橋理恵さんも女優だったお方。そのお嬢さんもまた女優で河合亞美さん。十数人の皆さんがご来場になり、大感激してくれました。
 皆さん心からの拍手をしてくれました。
 そのほか沢山の好意的なアンケートを頂きましたが、前回の上野三蔵さんの劇評に続いて今回は演劇評論家菅井幸雄さんの「劇評」(しんぶん赤旗)を転載させて頂きます。
(お名前は順不同です)



娯楽性と風刺、鮮やか
 このドラマは、映画人がかつて「活動屋」と呼ばれていた戦前の1930年代、無声映画がトーキーに移行していこうとしていた時代を、題材としている。作者の本庄慧一郎は、実際にあった大都映画撮影所を舞台として、そこに働く人びとの日常生活と、「活動屋」としての生きざまを交錯させながら、ドラマを展開する。しかも毎回の場面転換に、サイレント映画の1シーンを常に挿入する永井寛孝の演出によって、現実感が際立ったくる。
 うだつのあがらない大部屋の男優は喧嘩(けんか)っ早いし、思うよう書けないシナリオライターは酔っぱらっている。そこに、女優目当ての警察官が、見回りといって訪ねてくるし、おかしな漫才師のコンビも飛びこんでくる。このような大部屋の俳優とドル箱スター、幹部女優の扱いは、まったく対照的である。社長(熊倉一雄)と社長に追従する専務(沖恂一郎)は、俳優陣の対立した状況をすべて受け入れつつ、娯楽映画をつくりつづけていく。
 ドラマは「人を殺すのも殺されるのもいやだ」という理由で、市川千代之介こと山田正作(古屋道秋)が軍隊から脱走し、大部屋にかくまわれた場面から、急転する。脱走兵を追ってくる憲兵(川本克彦)が、実は社長の妾(めかけ)腹の子であったという設定も、結末を無理なく説得させる工夫として、評価されてよい。テアトル・エコーは、演劇の娯楽性を常に重視し、その底に風刺をきかせる舞台をつくってきているが、その特徴が、この舞台にも、あざやかに反映されいる。
(菅井幸雄・演劇評論家)

— posted by 本庄慧一郎 at 04:35 pm  

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