「イチロー君のウィークリーショット/それにつけても」第6回(通算717回)

あらめておのれの履歴をふり返ってみると、半世紀あまり一貫して日本語を素材にした仕事(ラジオ・テレビ・構成台本/舞台脚本/TVCMプロデユース・企画・COPY/時代小説・現代小説/五七五・評論集・エッセイ等)をしてきた。
現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
●執筆スタッフ 本庄慧一郎(望田市郎)/みさき けい/深実一露


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マスメディア――テレビ・ラジオの言葉。


●それまで、NHKのラジオ放送しかなかった放送界に「民間放送」として新登場したのが、昭和26(1951)年。9月1日に中部日本放送と新日本放送がスタートした。
 そして、同年12月に「ラジオ東京」(現TBSラジオ)が開局。
 それにつけても すでに「もの書き業」にやる気満々だった若いボクは、まず、放送作家なるものを目標にした。

●当時は(まだテレビはない!)ラジオのDJ番組等はすべて構成台本が用意され、出演者は「語り」のベテランの実力者だった。
 エンターテインメント番組はすべてが、「構成台本」をベースに制作された。
 それにつけても いいかげんで場あたり的なお喋りは(インタビューものは別)なくて、スタッフも出演者も腰を据えてスタジオワークを全うした。

●それまでのラジオ界(NHK)には「語りの名手」といわれる人たちがいた。アナウンサー高橋博さんとか、高橋圭三さんとか……。
 そして、吉川英治の「宮本武蔵」や中里介山の「大菩薩峠」などの「語り」では、徳川夢声さんや八代目市川中車など「語り芸」という「芸」でずばぬけた「エンターテインメントの魅力」を発揮する者が存在した。
 それにつけても 「言葉を通じての表現技術」は、映画、演劇と同等のクオリティを誇っていて、文句のつけようがなかった。

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(朝日新聞2019年5月13日朝刊より)

●このところ、「ジェットストリーム」(TOKYO FMの番組)がCDとして商品化されて、人気を集めている。
 ナレーターは城 達也さん。(1931年〜1995年)
 ボクがCM制作(ラジオCM・テレビCMの企画・コピー・作詞・プロデュース等)をムキになっている当時、城達也さんと親しかった。まじめでジェントルで、その語り口に品位があった。
 CMナレーションはあれこれお願いしたなぁ。
 ‪そして、TBSラジオの日曜日の午後のナマ放送2時間ワイド『日曜ワイドラジオTOKYO』の「プロムナードS」(提供:セイコー)が具体化した。
 ナマ放送ということで、城さんは「大丈夫かなぁ」とためらいを見せた。が、小生が「語りの台本」を書くことで……OKした。
 提供は「セイコー」。品性と格調のある音楽番組(ポピュラーなど)で、ボクにとっても気持ちのいい仕事だった。
 城さんの他には、矢島正明さん、黒沢良さん。それに劇団民藝のリーダー宇野重吉さんや佐野浅夫さん、垂水悟郎さん。さらに仲代達矢さんなど演劇の基礎をもっている人たちが……良かった!

●いまのラジオ、テレビの両メディアのエンターテインメントは、言葉を粗雑にしている。
 いや、言葉に対する感覚や理解はラフそのものである。言葉――語りに対するデリカシーもインテリジェンスも欠落している。
 それにつけても 世界に8億数千万人は存在するといわれる「飢えに苦しむ人々」がいる一方、食糧をムダにして省みることのない者たちのゴーマンで愚かな「食」に対する態度には、言葉を軽んずる者たち同様に……許せない。

●戦後、マスメディアの主流を成してきたラジオ・テレビだが、その質(番組の企画・内容)ともに「これでいいのかい?」である。
 それにつけても 自分の出身母体である業界が気になるゼ。
「言葉」をないがしろにする企業リーダーも政治家も、そしてゲーノー人も、さらにメディアも衰退するね。


***

曠野(あれの)ゆく 汽車のごとくに このなやみ ときどき我の心を通る ――啄木







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— posted by 本庄慧一郎 at 02:50 pm  

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