「社会&芸能・つれづれ愚差」第167回(通算279回)

涼暮月六月〔本庄慧一郎・本の辻〕

 レギュラーの文庫書き下ろし時代小説の新刊についてのご案内はこのところ控えさせて頂いているが、臨発の出版物では近況報告をかねたお手紙を、先輩や親しい皆さんにお出しする。
 ノンフィクション物としての「幻のB級!大都映画がゆく Link 」(集英社新書2009年1月刊)に続く今回の「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部 2010年6月刊)でも差しあげた。
 いままでは350枚〜400枚という年賀状を交換していた新年の慣例、5年前の夏、ギランバレー症候群(亜型ミラーフィッシャー症候群)を罹病、そのリハビリ等で年始のごあいさつはやむなく欠礼し、以来そのままで失礼している。
 ということで、その言いわけのごあいさつを添えてのお知らせを差しあげた。

 多くの皆様からうれしいご返事を頂いた。
 さっそく拙著に対しての有意義なご批評をはじめ、うれしいおほめの言葉などなど……
 それらのお手紙は、2010年6月を快い〔本庄慧一郎記念日〕にふさわしい記念品になりました。
 それと、何人もの方々からのお電話やFAXも……感謝でした。
こうした〔価値あるアンサー〕は、マスコミの仕事では得られない価値あるもの――と痛感するのです。

 今回のイベントを契機にご恵贈頂いた本もありました。

 「昔ハルピンにいた part2」(今井和也氏)
 「我は何の木」(木村聖哉氏)
 「新劇の書・久保栄」(松本昌次氏)
 「人と会うは幸せ! わが芸能秘録50」(嶋田親一氏)
 「小沢昭一・芸能者的こころ」 (小沢昭一氏)

 満20歳の時から親しくご交誼を頂いている評論家樋口恵子さんのご紹介でお目にかかった今井和也さんは、昭和40年(1965年)、小生がCM業界にかかわるきっかけの一つになった「レナウン娘」などのキャンペーンのリーダー、今井和也さんだった(!)
 直接お仕事をする機会はなかったが、いつも〔背中合わせ〕の場所にいらっしゃったお方――うれしい〔再会〕でした。
 木村聖哉さんは、かの「話の特集」の編集スタッフとして活躍した方。先年(2005年)急逝なさった芸能プロデューサー麻生芳伸氏を通じて親しくおつき合いを頂いているのデス。
 松本昌次さんは、ずばり言わせて頂けば「日本出版界の編集者として記録されるべきお方」――そのお仕事の記録には頭を下げます。
 さらに小生が小説作家としての転向第一作になった「赤い風車劇場の人々 Link 」(影書房 1992年刊)という〔処女作?〕を快く刊行して下さった〔作家本庄慧一郎の恩人〕ともいえるお方です。
 しかも、ご恵贈下さった本は「久保栄」です!
 嶋田親一さんは、小生が開局当時から関わったフジテレビのプロデューサー&ディレクターとして活躍したお方。
 この「わが秘録50」という本の内容は嶋田さんならではのモノです。
 そして小沢昭一さん。あらためて申しあげることもないが、なにしろ本庄慧一郎としてはすでに半世紀以上にわたって〔追っかけ〕をやってきたお人。
 いまだにソレをやっています。ハイ。
 こんどの拙著「新宿今昔ものがたり/芸能と文化の三百年 Link 」でも、勝手な「小沢昭一讃」を書きました。

 この機会に再読した本。
 「テレビCMの青春時代」(今井和也著/中公新書)
 「森の石松に会う」 (矢野誠一著/青蛙房)

 今井さんの本ではあらためてコピーライターとして生きた広告制作者時代を思い返して感無量を味わう。
 矢野さんの歩まれたフィールドにもいくつもの快い共通・共感の思いを玩味しました。

 ユーウツな季節と政治・社会――でも、小生にはいい6月です。

追記 
 10通足らずだが(転居先不明)といった付箋付きで戻ってきたモノがあった。
 そんなに古くあやふやな住所データではなかったが――。

 そして、まるで無反応な方々……つい、その後の人生の変転などを考えてしまうのデス――。

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        ケイちゃんの目 ↓

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歌舞伎町 イケメンゴリラの たくましさ
                 ―― 一露

— posted by 本庄慧一郎 at 01:13 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第166回(通算278回)

本庄慧一郎の道・街・土地あれこれ

住み着いた街と土地
 何枚もの〔縁のカード〕が揃って、もうン十年も練馬の石神井にこだわって住み着いてきた。
 同時に〔物書き業〕もン十年というコトで、いまや「ここがまぁ終(つい)の住みかか本の山」である。
 ハワイやカルイザワなどなどの別荘地には興味も関心も(肝心のカネも)ない、朴念仁でゴザル。
 でも、土地へのこだわりはお百姓さん並みとも言えます!

仕事の道
 演劇――芝居の仕事がしたかった。劇作家の故三好十郎氏と叔父の故小沢不二夫のそばで劇作・演出を学んだ。
 結局は民放ラジオを皮切りに、テレビのホンを書いたりして生計を立てた。
 そしてテレビコマーシャルや広告制作の仕事をするが、ベースは企画やコピーなど、書く仕事にこだわって過ごした。
 いまは、小説(時代小説)だが、芝居のホンもと思い続けているが――。
 平行して社会・文化・芸能史的なモノをと、前回の「幻のB級!大都映画がゆく Link 」(集英社新書)のシリーズとして「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部)をまとめた。いま多くの方々からうれしいお手紙や電話を頂いている毎日だ。

趣味の道
 ゴルフもギャンブルも麻雀も一切やらない。もしその気になれば結構ヌケヌケとやってのけると思っている。
 いま書いている江戸時代は「飲む・打つ・買う」はアタリマエのようだったし、吉原通いも〔妻妾同居〕なんてコトも、〔複数のお妾さん〕もまかり通った。
 徳川11代将軍家斉なんて妾(側妾)40人で子ども50人……という男もいたもんねぇ。ウラヤマシイというのか、ゴクローさんというのか、はたまた公費濫費男め……というのか、ハテサテ……ねぇ。(やっぱり、ウラヤマシイ……とそっとつぶやく)
 こちとらの趣味は、文章を書くこと、質のよい演劇映画をせっせと観ること、音楽にどっぷり親しむこと。強いおサケ〔ウォッカなど〕をほどほどに飲むことなどでもまぁ、おサケ以外はどれもこれも仕事につながっているか――。

けのも道
 野に生きるけものたちがせっせと往来することで出来た自然道のこと。
 わが家のぐるりのブロック塀の上は、〔猫道〕となっていて、トボケたのや、図々しいのや、ときたまオヤ?という美形猫が目を楽しませる。

人の道
 これは、ふだんは誰もがそれほど意識していないが、何かの原因でひょいと踏みはずした時に、否応(いやおう)なしに見えてくるモノですなぁ。
 で――「何となく踏みはずしてからわかる人の道」とか、まとめてみる。ハハハ。
 この場合の人の道はともすると「刑務所への道」になのですよネ。

2010年7月1日刊の拙著は「風の迷い道」
 目に見えない風の姿は、枯葉が舞う時に見えるとか、中空を舞う雪片に風の息が見える……とか気取ってみる。
 最新作の廣済堂文庫のタイトルは「風の迷い道 Link 」。
 あの〔元禄忠臣蔵〕という歴史にのこる事件からざっと三十年後――忠臣四十七士といわれた者たちの家族や子孫たちのその後の……といった物語です。
 どうぞよろしくお声援を。

蝶の道
 わが仕事場には〔路地のような〕細長い庭がある。
 ガマ蛙くんが棲みついているはずである。大型のかたつむりが雨の日などにいくつも現れる。チロチロと身をくねらせるカナヘビも見かける。
 それに、春先は四十雀やめじろや、ひよどりも遊びに来る。
うぐいすの声はいまや貴重な〔音源〕になったが、山鳩の姿とその鳴き声はのべつ楽しめる。
 もうひとつ、これからの季節は、なんといっても、このチンケな庭が〔蝶の通り道〕になっていることがうれしい!
モンシロ蝶はのべつ通るが、立派な黒揚羽蝶などの、しっとりエレガントな舞いにはついつい見とれる。

 そういえば、近著「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」では、新宿のコトをいろいろ書いたが、このところ〔夜の蝶〕とはまるでご縁がないなぁ。

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        ケイちゃんの目 ↓

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遠い記憶……甘く切ない 
           秘めやかな思い出……。
                      一露

— posted by 本庄慧一郎 at 01:44 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第165回(通算277回)

いまどきオノマトぺ(擬態語・擬音語)
 
●シトシトピッチャン・シトピッチャン
 これはかの「子連れ狼」の主題歌でおなじみのオノマトペのケッ作である。
 父・拝一刀とその子大五郎が数奇な運命を引き摺っての旅をする――その二人の孤影を濡らす冷たいしぐれは人恋い雨。
 コトバを頼りになんとか暮らす小生にとっては、「なるほどなぁ」である。

●シコシコ・セコセコ・ボチボチ・オロオロ
 これらのオノマトペは、小生の生業(なりわい)としての文筆業の日常にもっともふさわしい。
 なにしろ、かつての仕事だったラジオ・テレビの台本や脚本書きの作業にはこのカタカナ語が最もよくその状態を現していた。
 しょせん、ガッポリ・タンマリ・ニタニタ・グフフフ……なんてムカンケイ。
 でも、おのれの性向にピッタシ・カンカンと思い込んで飽くことなく続けている。
 このところ文庫書き下ろし時代小説をベースにあいかわらずシコシコ・コツコツ。そして、電子書籍iPad登場で出版業界はワサワサだけど、なんとなくこちとら、ウキウキ、ソワソワして……。

●グダグダ・しゃーしゃあ・ヌケヌケ・ヨボヨボ
 沖縄の基地問題でのハトヤマさんの失態について、自民党とおエライさんが鬼のクビをとったかのように得意げに糾弾してみせる。
 でもネ、考えてもごらんよ。自分たちが政権の座にいた半世紀余り、ノラリクラリ・ノホホン・ボヤボヤと放置してきたことだろうが。
 やたら物笑いのタネになるばかりのスタンドプレー(見得を切る)のことを俗に〔安物の長兵衛〕といって、ヤボの極致とするのでアル。

●キラキラ・イキイキ・ツヤツヤ
 新鮮な魚を見究めるキーワードが、目がキラキラ澄んでいるコト、姿かたちがしゃっきりツヤツヤしていること。そしてふんいき全体がイキイキしていること。
 そういえば――ソーリ大臣とか政治家たちに新鮮な魚を想起させる者って、まるで居ないねぇ!

●チンチンポンポン・チンチンポンポン
 広告制作、コピーライター時代、さんざんお世話になった作曲家桜井順さんの本「オノマトピア/ 擬音語大国にっぽん考」(電通1986年刊)は実にオモシロイ。
 チンチン電車、鉄びんの湯のフットーする音のチンチン。犬のアクションのチンチンなどの例があるが、〔オ〕をつけると男のソレのことだよネ。
 小生がとりあえず訳詞というコトになっているレコード「チンチンポンポン」(キングレコード1976年)は当時シングルヒット賞をもらった。
 最近、DJ・ピストン西沢氏によってカバーされ、巷で話題になっているというウワサをよく耳にする。
 このチンチンポンポンとはイタリアの汽車ポッポの歌だった。
 その歌をかわいいかわいい幼い兄ちゃんと妹ちゃんが一緒にお風呂に入ってる歌に、小生がトンデモナイ〔意訳〕をした。
 この歌詞の「チンチン」に〔オ〕の字はついていません。念のため。

●モソモソ・ワサワサ・セッセ
 原則として週替り――よほどの事情が発生しない限りこのルールを守っているHP「本庄慧一郎のつれづれ愚差」は、すでにこの回で通算277回。ご愛読下さっている皆さんに感謝しています。
 それもこれも、娘や息子やワイフなどの家族ぐるみの〔零細家内工場〕あってのコトでゴザイマス。
 そして今回、「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)についても、親愛なる先輩やお仲間に近況ご報告と出版物のご案内DMを発送しました。
 たちまち、お手紙、おハガキ、そして電話とたくさんのご返事がいま殺到しています。素直にドキドキ・ワクワク・ソワソワしています。
 ありがとうございます。皆様。心から――謝々です。

P.S――新刊のご案内

 「口入れ屋新八江戸暦 風の迷い道 Link 」(廣済堂文庫/2010年7月1日発行)が発売されます。
 今月、6月18日頃から書店店頭でも販売されます。

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        ケイちゃんの目 ↓

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       狭山不動尊の水子供養の地蔵さんたち

— posted by 本庄慧一郎 at 01:29 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第164回(通算276回)

本庄慧一郎2010年風待月・6月の言葉拾い

●金持ちと立派な地位にある役人で、エゴイストでない者はいない。

――ロシアの作家/トルストイ

ハトヤマさん・オザワさん……そしてただしつこくどん欲な天下りと名の付く公金ドロボーたちの跳りょう。



●煮え湯がたちまちタマゴを固くするように、余分な富はその持ち主の心をかたくなにする。

――イギリスの作家/ベルネット

絶対にあの世には持っていけない金を、恥も誇りも外聞もかなぐり捨てて掻き集めるヤカラが後を絶たない。いつも思う。そんなヤカラの家族たちは何を考えているのだとね。



●善人は二人しかいない――ひとりはすでに死んでいる人で、もうひとりはまだ生まれていない人。

――中国の諺言

こちとら、それこそ立派な善人にはなれるシロモノではないが、さりとてテッテイした悪人にもなれないありふれたハンパ者でござんす!



●天才とは、強烈なる忍耐者である。 
――ロシアの作家/トルストイ


劇作家三好十郎氏(1902年〜1958年)を師としてして仰いできた。
2010年6月22日〜7月4日に劇団民藝が三好十郎作「峯の雪」を上演する。即、チケットを求めた。
三好十郎氏は天才であると同時に努力の人であった。
「三好十郎の仕事」(學藝書林全四巻の第三巻)「峯の雪」を読む。
それにつけても当方、気が小さく忍耐力に乏しく、どうにも腰が据わらない。
でも、三好十郎氏の世田谷赤堤の仕事場で原稿執筆のお手伝いをさせてもらって(つまり、じかに三好氏の謦咳―けいがい―に接して)その効力のおかげでなんとか物書き業を続けてこられたと思っている。

この6月2日発行の拙著「新宿今昔ものがたり/文化と芸能の三百年 Link 」(東京新聞出版部刊)には、その畏敬する三好十郎氏とのスナップ写真を載せてもらった。
もう一枚、箱根仙石原に旅行した際、小生が撮った三好十郎氏おひとりのスナップ写真がある。本庄慧一郎のおタカラである。



才能とは静けさの中で創造され、性格は世の激流の中で鍛えられる。

――ドイツの詩人・作家/ゲーテ


ああ……はて……さて、ウーン。   本庄慧一郎

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          ケイちゃんの目 ↓

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          まんまるの 顔のお方の まるい墓
      マンガ家 滝田ゆうさん(1932年〜1990年)

— posted by 本庄慧一郎 at 01:22 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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