「社会&芸能・つれづれ愚差」第522回(通算634回)


あらめておのれの履歴をふり返ってみると、半世紀あまり一貫して日本語を素材にした仕事(ラジオ・テレビ・構成台本/舞台脚本/TVCMプロデユース・企画・COPY/時代小説・現代小説/五七五・評論集・エッセイ等)をしてきた。
現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
●執筆トリオ 本庄慧一郎/みさき けい/深実一露




2017年5月13日 能村庸一氏死去。享年76歳



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(朝日新聞2017年5月22日朝刊より)

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(東京新聞2017年5月22日朝刊より)


 能村氏はフジテレビでは当初アナウンサーとして働いていたが、後に制作に移った。そして、番組制作プロデューサーとして「鬼平犯科帳」「剣客商売」等、ヒット作を担当した。
 この能村氏とは親しくおつきあいした。
 というのも、「鬼平犯科帳」「剣客商売」等の原作者である池波正太郎氏とは、その企画当初からの担当プロデューサーである市川久夫氏がゼロから企画(テレビドラマ化)を具体化し、この市川久夫氏にフジテレビ側の担当として能村庸一氏がフォロー。
 市川氏亡き後(2002年没)、能村氏がその作業を継承したのだ。

 小生はこのご両人と親しくご交誼の機会を頂いた――。
 とりわけ、市川久夫プロデューサーは、師であり叔父であった劇作家小沢不二夫(1912年〜1966年)と親しく、若輩だった本庄慧一郎にも親しく接してくれた。芸能界の大先輩でありながら、紳士で決してブルことのない奥床しいお人柄だった。



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市川久夫先輩/作家二階堂玲太氏/本庄慧一郎







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能村庸一氏・著作本






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市川久夫氏・著作本







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 フジテレビの開局は昭和34年(1959年)。その準備段階の「試験放送」用の脚本を書いた。かく申す本人もスタッフも「テレビドラマ」の制作は「初体験」であった。
 もちろん(!)VTRなどはない。「ナマ本番」が大原則だ。
 つまり、「舞台ライブ――演劇」と同様の緊張感に満ちた作業だった。

 いま、テレビから骨太の時代劇が消えた。いや、時代劇ばかりではない。まっとうなドラマは見当たらない。
 素人っぽいお笑タレントやずばり素人のカラ騒ぎばかりのイージーな番組がのさばる。テレビメディアに娯楽番組に関しては「自己放棄」している。いや、ニュース情報番組さえ、(ごく一部を除いて)かなり「手抜き」が目立つ。

 市川久夫氏、能村庸一氏へと引き継がれた良質のテレビ時代劇の「伝統」は途絶えた――と言わざるを得ない。
 能村庸一氏が在籍し、なおかつかく申す本庄慧一郎が「試験放送」から関わったフジテレビの「低迷」が続いている。

 かくして本庄慧一郎としては、テレビを離れて文庫書き下ろし時代小説をざっと50冊ほどまとめた――テレビからホンモノの時代劇が消えると思っている。いや、まともな現代劇もアブナイね。
 一時、フジテレビが得意になって制作したトレンディドラマ――とか、アレは「鼻もちならない作品」だった。その後、フジテレビの「低迷」は深刻だね。
 人気マンガ(劇画)原作のテレビドラマ――社会現象・風俗の表層をなぞった(ような)ドラマが多い。
 腰をすえて仕事をしている脚本家(たとえば、倉本聰氏、山田太一氏、金子成人氏など)にチャンスを用意することを怠っているテレビ局の制作フタッフが頼りないのだ!
 能村氏の逝去は、テレビの時代物の終焉でもあると思う。
 あらためて、能村庸一氏のご冥福をお祈りいたします。







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ケイちゃんの目 ↓

Scenes of memories
野火止用水のカルガモたち

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— posted by 本庄慧一郎 at 01:59 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第521回(通算633回)


あらめておのれの履歴をふり返ってみると、半世紀あまり一貫して日本語を素材にした仕事(ラジオ・テレビ・構成台本/舞台脚本/TVCMプロデユース・企画・COPY/時代小説・現代小説/五七五・評論集・エッセイ等)をしてきた。
現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
●執筆トリオ 本庄慧一郎/みさき けい/深実一露




俳優日下武史さん死去(享年86歳)。

 劇団四季の創立メンバー日下武史さん、静養先のスペインで亡くなられた。

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(東京新聞2017年5月17日朝刊より)


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(朝日新聞2017年5月17日朝刊より)


 劇団四季の創立は1953年(昭和28年)。
 日下さんは、浅利慶太さん、藤野節子さん、水島弘さんら10人の劇団創立メンバーだった。
 慶應義塾大学の友人らが中心となって活動を始めたという。
 初期の公演をいくつか観ている。
 いや、師であり叔父であった劇作家小沢不二夫(1912年〜1966年)は、開局した民放ラジオ局の放送劇などさまざまな脚本を書いていて、経済的に恵まれなかった新劇系の俳優たちが、武蔵関にあった小沢宅によく顔を見せていた。田中明夫さんはアキ坊と呼ばれて、ドラマなどによく起用されていた。
 水島弘さんの実家は、西武新宿線上石神井駅をはさんだ向こう側で、父上が畳屋さんを営んでいた。小生の自宅は西武池袋線大泉学園側だった。
 小沢不二夫の娘でぼくのいとこの水沢有美は、6歳の時にアヌイの「せむしの聖女」に浅利慶太さんに請われて子役で出演し、新井薬師の借り稽古場にかよった。小生はその付き人として稽古中も、そして公演中もずっと付きあった。

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チラシ1枚の公演パンフ



 その後、東京駅八重洲口にあった国鉄労働会館ホールや神田一ツ橋講堂などの公演には必ず出かけた。

 国鉄労働会館ホールの公演は、(記憶は不確かだが)原作武田泰淳の『ひかりごけ』を観ている。
 そして、ピーター・シェーファー原作「エクウス」――美少年だった(!)市村正親が全裸(といっても照明操作で巧みにカバーしていた)で演じて、相手役の医師役が日下武史という刺激的な物語だった。



資料本棚からの本

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 日下さんとは、ラジオCMのナレーターとして、またTBSラジオのDJ番組にレギュラー出演してもらった。
 前者は在京キーラジオ局の全日をT自動車メーカーが1社提供するというユニークな企画があり、ン10本のCMの企画・コピー・ディレクションを担当。
 日下さんの「名調子」で制作、好評を得た。
 後者のDJ番組はTBSブリタニカ(当時)提供、「海のポエムと音楽」という内容で、「品位のある」(!)番組を制作した。

***

 そういえば――
 黒澤明作品の(遺作となった?)映画『まあだだよ』の撮影スタジオで、出演していた日下さんに会った。
 小生は、映画『まあだだよ』のメイキング作品の企画脚本を担当して、東宝スタジオに出向いたのだ。
 劇団四季が現在の大集団になってからは縁遠くなった。
 結局、日下武史さんの舞台とも疎遠になっていて……。

***

 それにしても――
 俳優としての……いい役者がいなくなったねぇ。
 たとえば、それとなく好意をもっている香川照之さんや笹野高史さんなども、いま放映中の「蚊取りスプレー」のTVCMを見るとがっくりくる。
 「俳優としての自分」をダメにしているとしか思えない。

 かつて小生もうんざりするほどテレビ・ラジオのCMを作った。
 たとえば出演者としては、高倉健さん(アサヒビール)や松坂慶子さん(メナード化粧品)、真野響子さん(カティサーク)、初代松本白鸚/八代目松本幸四郎さん(カティサーク12年もの)、先代十七代目中村勘三郎さん、波乃久里子さん親娘(白子のり)など。ナレーションでは宇野重吉さん(ヤマギワ電器)、仲代達矢さん(サントリーウィスキー/エクセレンス)など、その他いろいろ。スタークラスの人たちに出演依頼したが、その出演者のイメージを汚すことはせず、よろこばれた。
 いまの香川照之さんや笹野高史さんの場合、出演者ご本人はどう思ってるのかねぇ。(カネさえもらえば何でもいい?)
 それにしても、現在のテレビというものには――品性や品位はないねぇ。

***

 いまあらためて、日下武史さんの俳優としての魅力に思いを馳せ、ご冥福をお祈りいたします。

 メディアとして劣化するテレビは演劇人(俳優)のプライドも矜持も腐蝕させるのダ。





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ケイちゃんの目 ↓

懐かしの松坂屋銀座・屋上

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— posted by 本庄慧一郎 at 03:46 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第520回(通算632回)


あらめておのれの履歴をふり返ってみると、半世紀あまり一貫して日本語を素材にした仕事(ラジオ・テレビ・構成台本/舞台脚本/TVCMプロデユース・企画・COPY/時代小説・現代小説/五七五・評論集・エッセイ等)をしてきた。
現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
●執筆トリオ 本庄慧一郎/みさき けい/深実一露




GWの狂騒のウラで。

 例によって例の如く、GWとやらの狂騒――そのカラ騒ぎも終わった。
 意地汚い食い意地に呆けた顔や遊びボケの人々のテイタラクをテレビが紹介して――当方もウンザリ。



●その喧騒のウラで――。
 あいかわらず、欲のカタマリ人種の醜行が展開する。

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(東京新聞2017年5月11日朝刊より)



●どこまで堕落するのか。
 福島から東京へ、避難生活を強いられた児童たちにいわれなき「理由」をタテに金銭をゆすり取ったり、しつこいイジメで追い詰める「学友」もいる。
 この問題児たちの親たちとその関係者たちを憎むぜ。



●資料棚から再読する本たち。

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●それにしても――
 森友学園とそれに深く関わる役人と、さらに明らかに深く関わっているとみられる首相夫人とやらの軽率にして手におえない逸脱行動――ああ、ウンザリ!

●「火事場ドロボー」という卑劣な者たちよ!
 多くの人々の不慮の災難につけ込んで、私腹を肥やす悪党らを根絶やしにすることはできないの、くやしいねぇ!

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(朝日新聞2017年5月12日朝刊より)


●神様仏様にお願い。

 ゴソゴソ、ワサワサと悪巧みを企て、ひたすら我欲にまみれてうごめくヤカラを地獄に突き落としてひどいめにあわせて下さい!


「『別冊太陽』地獄百景/日本のこころ62 昭和63年 平凡社刊より」

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ケイちゃんの目 ↓

野火止・平林寺の新緑の静寂
食い意地亡者・遊び呆け人種はいないぞ



**2003年5月の平林寺**

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— posted by 本庄慧一郎 at 03:29 pm  

「社会&芸能・つれづれ愚差」第519回(通算631回)


あらめておのれの履歴をふり返ってみると、半世紀あまり一貫して日本語を素材にした仕事(ラジオ・テレビ・構成台本/舞台脚本/TVCMプロデユース・企画・COPY/時代小説・現代小説/五七五・評論集・エッセイ等)をしてきた。
現在の書斎は、古書店の倉庫のようで「創作の遊園地」になっている。
●執筆トリオ 本庄慧一郎/みさき けい/深実一露




芸能テレビ・マスメディアのこと

●清流と濁流の流れ
 小生はいわゆる芸能界に、ずっとどっぷりの生活をしてきた。
 従来の芸能界(映画・演劇界)にプラス民放ラジオ・テレビというメディアが加わった。
 そして、それらの業界の「悪しき流れ」に巻き込まれておのれの一生を台なしにした者たちも多く見てきた。
 そして現在もあれこれの「本質」をダメにしている者たちが眼につく――。

●「清濁併せ呑む」
 このコトバを広辞苑でひくと「善悪のわけへだてなく、あるがままに受け容れること。度量の大きいこと」とある。
 寛容tolerance、非寛容intoleranceという言葉もあった。
 劇作家故三好十郎氏にこれらの言葉の周辺について教えられた。

●とはいうものの――
 「度量」という名のキャパシティの小さい当方としては、どうにも看過できない「事象」や「人物」や、どうにも許し難い妄言や暴言に遭遇すると、イライラと落ち着かない。そしてその当事者らの自覚のなさや「謝罪・弁明」のいいかげんさに、またハラをたてる。
 世は正に「無責任時代」そのものである。
 彼らは「人間じゃない! まるで虫ケラだ!」と呟く。

●そんな時つとめて気分転換を――
 趣味らしい趣味がない。カッコよくきこえるようだが、そんな時(商売柄)「想像と創造遊び」に没頭する。


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●こんなタイトルの本を出したこともあった。
 ヘタをすると認知症ダイジョーブと言われる?
 とにかく「物書き業のベーシックな営み」は「アンチ認知症」のルールそのものダ――と宣言してはばからない。

●というワケで、このところ「発想の活性化」にしているデータ本は――
 「虫をおいしく食べる人たち」のあれこれの資料を漁っているのデス!
 北朝鮮・中国・アメリカ、そして日本の動向――まったくもう! という気持ちをグッと抑えて――。

●生物類資料棚からの本類/昆虫&虫ケラ

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●それにしても、それにしても!  「虫ケラ以下の人間」がウヨウヨしてるなあ。
 これから……どうするの? どうしたらいいの!






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ケイちゃんの目 ↓

同じ時を生きるわが庭の花たち

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— posted by 本庄慧一郎 at 01:38 pm  


*** お知らせ ***
自主CDを制作
21.1:130:128:0:0::center:0:1::
平和を願う歌
「鳥になれたらいいね」
総合プロデュース:本庄慧一郎
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