「社会&芸能・つれづれ愚差」第93回(通算203回)

それにしても、ヒドイ世の中になった

 新年の初頭は、心晴れやかに、いい笑顔で「明けましておめでとうございます」とあいさつを交わすのがしきたりだった。
 しかし、今年はこの慣用句を口にする気持ちになれなかった。

 私、本庄慧一郎は、甚だ勝手ながら、年賀状を控えさせて頂き、近況報告に新しい仕事のことなどのご案内をかねて、きさらぎ2月をめざしてのごあいさつ状を発送する予定である。
 このHPにアクセスして下さるたくさんの皆さんにもここに同じ文章をのせてごあいさつとさせて頂く。

 迎 春(♪ は〜るよこい〜 は〜やくこい〜)

  時を彩る四季が
  だれにでも等しく公平に
  和みや安らぎをもたらすように
  しあわせがすべての人々に
  まんべんなくゆきわたりますように


それにしても国会の討論はウツロだねぇ
 麻生ソーリ大臣というお方は妙なお方だなあ。
 あの〔答弁〕を聞いていると、つい「そうなっちゃうわけ?」「どうしてそうなるんだい?」と呟いてしまう。
 あの方、頑張れば頑張るほど、トンチンカンなことを口にするようになるタチなのではなかろうか。
 ぼくは、彼を選挙で選んではいない。政治家としての彼を認めていないし、ましてや彼の意見や見解や言い分をノッケから納得していない。
 もちろん、コイズミ・アベ・フクダといった連中も……というより、長期に居座った自民党政権の〔タライ廻し〕をずっと不快に思ってきたのだから。
 でもね、手におえないような現在の社会の実態と、水と油のように乖離した政治家集団を認めた選挙民がいるのだから……イヤになるね。

もう、あらためて書く気にもなれないけど……。
 年末年始のテレビのバラエティとかクイズとかいった番組のキンキン声にはホトホトまいったね。
 それと、ますます劣化するコマーシャル群の跳りょう!
 「待たれるコマーシャル」なんてほとんど皆無だね。
 しかも、ちょっとはマシなドラマなどでは、その劣悪なコマーシャルでズタズタに分断されて、シークエンスを破壊する。
 局の編成上の心くばりやチエや工夫などゼロで、ただ不快感をあおる。
 提供スポンサーも、その点どうとも思っていないようだしね。
 もっとも、ニュース番組などでも、皇室ご一家の紹介のあと、一言もクッションのアナウンスもなしに、血なまぐさい事件現場にチェンジしたりする、その無神経にして大胆な編成ぶりには口あんぐりだわさ。
 とにかく、どの番組にも乱用されているキンキラ声、アニメ声の女の声をやめてくれないかね。  それとニュース・ワイド番組のトークのバックにやたらME(ミュージックエフェクト)――ジャン! とか、シャウト声とか、とにかくウルサイぞ、おい。

音楽過剰 クレイジー現象
 映画「貝になりたい」もそうだったのが、やたら音楽がウルサイ。
 ボリュームももちろんだが、どのシーンにもべったり音楽が鳴っている。
 ディレクター・演出家のセンスもあるだろう。演技者がヘタクソだからなんとかムード作りのために……という都合もあるだろうが、現在のドラマなどの〔音楽依存症〕は限界を超えていて……迷惑だね。
 とりわけ、入場料を払って観る映画では、ただうるさいよ……バカじゃないの!

倉本聰さんと山田太一さんのドラマ
 このお二人とは、とりあえず、同業者でアリマス。
 倉本さんとはニッポン放送時代から存じあげているし、その後、倉本さんがフリーになられてすぐの仕事(アニメーションのシナリオ)をご一緒したこともあった。
 山田さんには〔浅草〕という街に対する思いがおありになる。そう「異人たちとの夏」(88年度山本周五郎受賞作)も浅草が舞台だった。
 幼い時から浅草に縁のあった小生はパーティなどでは山田さんとお話をさせて頂いたりした。
 なんにしても、お二人のテレビドラマにおける実績はスゴイ。
 でも、昨年末の「風のガーデン」にかかわる倉本さんの「もうテレビには絶望している」といった発言などには、小生も同感したものだ。
 小生はお二方のように腰をすえてドラマを書くことはなく、アレコレと経由して〔小説書き〕になってしまったが、でもずっとこのお二方の仕事ぶりを尊敬の念をもって見詰めて来た。
 倉本さんの「風のガーデン」同枠で、目下、フジテレビで放送中の山田さんの「ありふれた奇跡」における作者としてのお二方の位置は、どうやら対角にあるようだ。
 同業者のハシクレとしてはそれなりの感想もあるが、いずれ申しのべたい。
 なにはともあれ、このお二方が創り出す(創り出してきた)ようなドラマが見られなくなったら、もうまっとうなおとなはテレビを見捨てるだろう。

お二方にごあいさつさせて頂こう……
 小生は、昭和34(1948)年の日本放送作家協会発足以来の会員である。
 毎年、発行される「脚本家年鑑」(協同組合・日本脚本家連盟/社団法人・日本放送作家協会発行)には、お二人のお名前と私、本庄慧一郎の名はずっと載っているが、残念ながらゆっくりお話する機会は少ない。
 そういえば、もうすぐ小生の新しい本「幻のB級! 大都映画がゆく」(集英社新書1月16日刊)が届く。
 文庫書き下ろし時代小説は四十数冊なるが、〔新書〕は初めてだ。
 お二方にお送りして、ご高覧頂こう。
 やはり、年の始めは「やる気になる!」である。
 「へこたれてたまるか」とというわけで、本年は是が非でも舞台のオリジナル脚本を書く。

P.S.
 ところで文庫書き下ろしの時代小説の新刊本のご紹介です。

 学研M文庫 「奈落の銀次始末帖・夢追い川暮色」

 芝居小屋の奈落で働く銀次――実はもと侍で真神道流の達人。江戸にうごめく悪党どもにさっそうと立ち向かうお話。
 どうぞご笑覧を。

— posted by 本庄慧一郎 at 03:40 pm  

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