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パート2
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第2回 2001.01.01
第1回 2001.01.01
はじめに 2001.01.01
  

エッセイ「ニッポンの芸能人」シリーズ20 パート2 第26回 


劇場型犯罪とスキャンダル
 前にも書いたが、いま話題のニッポン放送では昭和29(1954)年の開局時代から構成台本を書いていた。またフジテレビでは、開局準備の試験放送用の脚本も書いていた。
 ぼくは、とうに放送ギョーカイには愛想をつかした人間だから、こんどの〔三文オペラ〕にはさしたる思いはないのだか、でも現在のブラウン管のバラェティ番組とやらよりも、株をめぐるドタバタぶりが数等オモシロイことは事実だ。
 フジの日枝会長とライブドアの堀江ナントカ君のやりとりも、近頃ハヤリの〔劇場型〕パフォーマンス……というか、大向こうの俗受けねらいのパフォーマンスで、やたらあざといタンカラ芝居(クサイ演技のイナカ芝居のこと)みたいで楽しめる。
 それともうひとつ、フジの村上社長の今回の件に関する民放各局の報道姿勢についての発言だが「あまりにおちゃらけていて「え〜ッ」と思う例が頻発していた」なんてことを言っている。自分の局で作っている番組はどうなのか? よく羞恥心なしで言えるものだ。これは「目クソ、鼻クソを笑う」でアル。
 公共放送とやらのトップの阿呆ぶりはNHKで実証済みだが、同族同病があちこちにいるという証しである。

詐偽はすべて劇場型だ
 巷間大流行の「オレオレ詐偽」もその延長線にある「振り込め詐偽」もリッパな劇場型犯罪である。
 昔ふうの「結婚詐偽」なんて、相手から金品や貞操(男性もふくめて?――アニータという迷演技者もいた)をチャッカリ奪うまでは完ぺきな演技が不可欠である。
 いや、詐偽行為の100パーセントが、演劇的要素で構成されており、主要人物の表現技術の質が重要になるのである。
 交通事故や医療事故をテーマに、電話を使って演じられるタンカラ芝居も、とりあえずの構成台本があり、配役がある。
 まず電話で親族に泣き込む主役。そして関係者としての被害者役。警官役、また弁護士役などが登場して、とにかく現金を振り込ませるための演技――お芝居を演じる。
 このパフォーマンスは、おちゃらけテレビのふやけたドラマよりリアリティがあるということだ。

裏の隠蔽作業が表舞台に登場する時代
 金にまつわる政治家たちの陰険な舞台裏のイナカ芝居も、公金横領にかかわる官公庁や警察署などの偽装擬態事件も、また銀行などの企業トップ主導の数字改ざん・証拠隠蔽事件など、いまやなにもかもが裏舞台から表舞台へさらけ出される時代。
 世界的な資産家とか絶対的なカリスマなどとおだてられていた者たちの、なんとも哀れで情けない姿もずいぶん見せつけられた。
 彼らのヒストリーには例外なく虚偽と擬態がまつわついている。
 いや、あのブッシュ大統領という男の言動や思想や行為も、そっくりがうさん臭い。
 それに金日成にも同じ腐臭がプンプンとしている。
 得手勝手なエゴの物差しを振り回すこの二つの国の間でウロウロする小泉ソーリの、これまたなんともうさん臭く、頼りないこと!

おちやらけメディアはなくてもいい
 フジの村上社長のいう「民放局のおちゃらけ」ぶりはもう惰性化している。
 公共放送を金看板にしてのスキャンダルいっぱいのNHKを、現在の民放局は他人事として知らん顔する資格はない。
 「公共」というほんらいの意味を理解していない者が、しきりとこの言葉を使う。これもうさん臭い詐術であり悪質な擬態だ。
 ぼくはもう、現在のようなラジオやテレビなら消滅してもしょうがないと思っている。ついでにひたすら騒がしいだけのトンチンカンなCM群もね。
 もう何度も書いていることだが、経営陣の質もそうだが、スタッフや出演者の中には、手におえない〔ドツボ〕に嵌まったヘンなのがいっぱいいるのだから。
 人間ねぇ、ちょっと金を持って、チヤホヤされるとたいていヘンになるのデス。
 太宰治がこんなことを書いていた。
「だまされる人よりも、だます人のほうが、数倍くるしいさ。地獄へ落ちるんだものね」
 でもねぇ、「地獄へ落ちる」という想像力もないけものみたいな人間ばかりの世の中……太宰サンの警句ももう通用しないほど、世の中そっくりが堕落してるのじゃないかなあ。

大正・昭和の演劇パンフレット、多数あります(以下は一部)。
お問合せは望田企画室内「日本演劇愛好・普及クラブ」/FAX:03-3928-4255
新国劇一座
昭和四年
青年歌舞伎劇
昭和十一年
帝国劇場
昭和二年
市村座
昭和三年
2005/02/28