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パート2
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はじめに 2001.01.01
  

エッセイ「ニッポンの芸能人」シリーズ24 パート2 第30回 


命の次に大事なものは金です。
 渦中の人物、ホリエ氏がテレビカメラに向かって、したり顔でのたまった。
 「命の次に大事なものである金を注ぎ込むわけですから……」
 そんな言葉を口にする本人も、それを聴いた人たちも、とりわけ違和感がないようだ。
 このヒトの心やボキャブラリーの中には、「愛」とか「平和」とか、「家族への思い」とかいったものは一切欠落しているらしい。
 ニッポン放送もフジテレビ対ライブドアの主導権争いの成りゆきと、その周辺で群がり寄る者たちを眺めていると、やはり否も応もなく「守銭奴」という言葉が脳裏を去来する。

モリエールの「守銭奴」
 どケチンボで大金持ちのアルパゴン。家族からも鼻っつまみの人物。
 彼は娘を金持ちの老人に嫁がせようとし、息子を年寄りの大金持ちの未亡人とくっつけようと企む。
 すべてが〔金欲のソロバン〕である。
 しかも自分は年若い娘と結婚しようと画策。こちらは〔色欲のソロバン〕をはじく俗物。
 そんな時、庭に隠しておいた大金が盗まれて、アルパゴンはきりきり舞い。
 なおかつ、娘と息子の〔金欲物欲のための結婚作戦〕はこんがらがって、すべてがメチャクチャになる――。
 という名作とうたわれるコメディ。

堤義明氏と武井保雄氏と……。
 「貧乏でもこころ満たされている人間は金持ち、それも大変な金持ちです。だが、現実に大金持ちでも、いつ金を失うことになるかのべつビクついている者は、いつも冬の荒野にいるようなものだ」
 シェークスピアの「オセロ」からのせりふです。
 堤というヒトが、父親から受け継いだ資産を守り、増やすためにいかに「守銭奴」に徹したかはトコトン暴露された。
 権勢を誇った当時の彼の背後の壁に掲げてあった「感謝と奉仕」の標語が一層の滑稽さを誘う。
 その〔自家撞着〕ぶりは正にクレージィだ。
 狂気と哀れと滑稽が縒り合わさっている。
 その姿は「武富士」の武井保雄なる人物のそれとまったく類似しているようだ。
 かつて天皇陛下の〔御真影/肖像写真〕に対してだれもが最敬礼を強いられたように、彼もまたおのれの肖像写真にたいして全社員に敬礼を強いた。
 賞与を出せば全社員が御礼の手紙を書くことが義務づけられていた。
 社員を叱咤激励する罵声怒声は旧軍隊並みで、暴力沙汰は日常化していたとか。
 また「報告」と称する「密告制度」は徹底していて私物のケイタイ電話を検閲した。
 盗聴器を仕掛けて自己保身に努めた……などなど、正に日本旧軍隊そのものだった。
 その他、この二人の「守銭奴」と同種同類の者はいくらでもいたし、現在もいる。

あの顔、あの人、そして……
 いまぼくは、文庫書き下ろし時代小説の作家としては本庄慧一郎を筆名としている。
 いっとき、本名の望田市郎でコピーライターとして仕事をし、その後、短篇小説をン十篇を望田市郎で書いた。
 そして長篇にフィールドを変える時、編集者(染谷進氏と大西修氏)の提案で、本庄慧一郎とした。
 じつはこの本庄という筆名は、いま話題のニッポン放送の番組で、本庄一郎という筆名で放送作家としてデビューしたのである。
 ドラマ・コント・DJ構成。その他、各種キャンペーン(♪いざという時に〜「いつものラジオいつもの情報」とか、「二十歳(はたち)の献血キャンペーン」などの企画・コピー・イメージソング・作詞など)のクリエイティブを担当した。
(フジテレビ開局準備の時は、試験電波用のドラマの脚本を書いたことは以前にものべた)
 今回の件で、ニッポン放送・フジテレビのOBがテレビのインタビューに登場していた。
 放送評論家ばば・こういちさん。ディレクターだった倉本聡さん、嶋田親一さん。南治朗さん。
 そして現在レポーターの東海林範子さん(初々しい新人アナで「サザエさん」の枠付けをしていた)、そして現ニッポン放送社長の亀渕昭信さん。先輩のDJ高崎一郎さん……皆さんおなじみだった。
 そして当時のぼくの構成の番組で出演を願った小沢昭一さんや熊倉一雄さん……若かったなあ!(お二人はいまでも親しくさせて頂いているし、またお二人とも益々お元気でご活躍である)

 それにしても――こんどの件はやはり、金まみれ、欲まみれ。もうひとつ「守銭奴たちの狂乱」にただ不快にならざるを得ない。

大正・昭和の演劇パンフレット、多数あります(以下は一部)。
お問合せは望田企画室内「日本演劇愛好・普及クラブ」/FAX:03-3928-4255
新国劇一座
昭和四年
青年歌舞伎劇
昭和十一年
帝国劇場
昭和二年
市村座
昭和三年

2005/03/28